ザリガニは、その多くの種が”冬越し”をします。もちろん、その方法は、巣穴を掘って潜り込んだり、水底の落ち葉や岩陰などでじっとしていたり・・・と多彩なものですが、いずれにしてもこの期間、彼らの行動はかなり鈍いものとなり、ひたすら耐え忍びつつ、あたたかな春の訪れを待つのが普通です。
 当然、飼育にあたってに、できるだけ自然に近い環境を準備してやるのがキーパーの務めですし、そうした冬の時期になれば、キッチリと越冬モードにしてあげることが大切なのはもう須磨でもありませんが、いざ飼育してみると、なかなかそうした部分まで環境を整えられないことが多いようです。実際、多くの子どもたちは冬場になる前にアメリカザリガニを死なせてしまいますし、ある程度の生物飼育経験のある人でも、ヒーターの力を借りた「加温飼育」でお茶を濁してしまうケースが少なくありません。
 そこで、ここでは、「水槽飼育下で充分に可能な越冬方法とは?」ということをテーマに、その効果から方法までを考えて行きたいと思います。越冬の奥義を伝授・・・というほど難しいものではありませんし、コツさえつかんでしまえば、難なくクリアできるものなのです。

 なお、生物を低温環境下で冬越しさせることを、広く「冬眠」という言葉で表現しますが、今回は、あえて「越冬」という言葉を用い、「冬眠」を使いませんでした。ザリガニの場合(特に飼育環境下ですと)、よく知られるクマやヘビ、そしていくつかの昆虫類などの「冬眠」とは動きが異なるように見えるケース(期間中の摂餌など)が少なからずあるからです。あらかじめご了解下さい。

最終更新日 平成28年12月3日




トライ・ザ・越冬  もくじ

     TRY-1 時計を合わせる
     TRY-2 衣替えをしなきゃ!
     TRY-3 まず、腹ごしらえ
     TRY-4 さぁ、下げて行くぞ!
     TRY-5 越冬期間中の注意点
     TRY-6 さぁ、越冬明けだ!
     TRY-7 春始めの留意点
     TRY-8 卵を抱いたままの冬越し


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