深迷怪ザリガニ事典・な行



なりたぬき(成田抜き)
外産個体を導入する際、輸送・ストックでの負担を軽減するため、輸入直後に個体を押さえ、自分の水槽に導入してしまうこと。マロンが輸入され始めた時期、伝説のザリ仙人、◯木師匠が、成田空港で個体の輸入を待ち構え、通関後、ただちに自分の水槽へ持ち帰った例えに由来する。もちろんこの技は、業界の信望が厚く、動向に詳しかった◯木師匠だからこそできた技であり、素人の我々には不可能。


なんかく(軟殻)
脱皮直後で、外殻が完全に固まっていない状態、またはその個体。ザリガニに限らず、外敵に襲われると身の守りようがないため、非常に危険な時期。種にもよるが、脱皮後24時間〜72時間程度で完全に硬化するのが一般的で、この期間が極端に長いようであれば、明らかに何らかの障害を持っていると考えてよい(連続的近親交配による弱化個体には、この傾向が強い)。食用養殖の世界では、外殻が軟らかいことで、かえって食べやすくなることから、意図的に脱皮直後の個体を選別して急速冷凍し、出荷する場合もある。当然、通常の出荷個体よりは高価。


にせまろん(偽マロン)
1980年代中ごろにオーストラリアで問題になったレッドクロウの商品名論争。このころ、北部を中心に少しずつ養殖規模を拡大し始めたレッドクロウの養殖業者が、高級感のある(実際、現地では最も高値で流通している)マロンの名称にあやかり、レッドクロウを「クイーンズランド・マロン」という商品名で流通させ始めた。当然、西部のマロン養殖業者たちは猛反発し、結局、この名称を使わなくなったというもの。この余波によるものと思われるが、90年代前半までは、レッドクロウが「◯◯マロン」という名前で日本に入ってきていたこともあった。


にばんこ(二番仔)
元々は、1つのシーズンの中で同じ親が複数回、繁殖活動を行なう際における2番目の稚ザリを指す言葉であったが、様々な企図に基づいた「ずらし繁殖」が行なわれるようになってからは、その年1回目の繁殖で得られた仔であっても、通常繁殖シーズンの終盤に生まれた(意図的にずらして採った)仔については、この呼称を用いるようになってきている。昨今のザリガニ・ブームからか、繁殖に取り組む人たちも増えてきたようで、こうした言葉もあちこちで耳にするようになったが、あくまでも時期的な性質を示す言葉であり、成長格差によるグループ分けを示す性質のものではない(「第二成長個体群」と「二番仔」は、意味的に全く異なる)ので、注意が必要だ。


ぬがせじょうず(脱がせ上手)
多分に卑猥な言葉だが、ザリ界では、個体の脱皮を順調にクリアさせられる技術を持ったキーパーを指すので、立派な「褒め言葉」。ただし、そのやり方や「コツ」は人それぞれなので、初心者キーパーが同じやり方でトライしても、失敗してしまうことが少なくない(こういう点では、男女の仲を指す言葉と同じ意味ですわな・・・苦笑)。


のーけあじまん(ノーケア自慢)
ある程度の経験を積んだキーパーが、自分の飼育技術を誇示するために使う幼稚な技法で、誰とは言わないが、JCNの砂◯氏が好んで使う(苦笑)。サラリーマンが、睡眠時間の少なさを競うのと同じで、その量が少なければ少ないほど優位に立つワケだが、実際には何の意味もない誇示であり、初心者がこれに感心してはいけないとされる。

(用例)「俺なんかさぁ、水換え半年に1回だよ! え? 大丈夫かって? 大丈夫なんだなぁ」



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