深迷怪ザリガニ事典・わ行



わいしょうか(矮小化)
ザリガニにおける水槽飼育下において発生しやすい現象で、繁殖を繰り返しているうちに、飼育個体群が全般的に小型化してしまう状態を指す。以前は、連続的近親交配によって引き起こされる遺伝上の障害と考えられていたが、ワイルド個体だけで構成されている欧米での養殖施設においても、同じような成長障害事例が発生していることや、その他の科学的研究などから、現在では、高密度収容など、あくまでも環境上における外的な成長阻害要因によるものとされ、遺伝的な要因によるという説は完全に否定されている。本来、甲殻類は理論上、脱皮を繰り返す限りにおいて大型化して行くので、矮小化という要素は考えにくい。
なお、脱皮直後に、脱皮前よりも体長が小さくなってしまうという事例がたまに聞かれるが、これは、何らかの原因によって脱皮後の新甲殻に対する膨拡活動が不充分であったために起こるもので、この矮小化の現象とは全く異なるものである。




わいるどもの(ワイルド物)
観賞魚業界でいう「捕獲個体」で、ザリの場合でも同義。一般的に養殖物よりも高い値段で取引されるが、これと同じ図式となっているのは、アメリカザリガニのみである。ニホンザリガニ、タンカイ・ウチダザリガニなどにおいて「養殖物」を名乗る個体が売られることもあるが、養殖施設が存在しない上に、実際に養殖した場合のコストを考えると、全く採算がとれないことは明白なので、その真偽については、もはやここで述べるまでもなかろう。




わめい(和名)
種に対する、日本式の呼び名。アメリカザリガニ、タンカイザリガニなどがこれにあたるが、必ずしも種の特徴を指していないことも多い。その他、ヒゲザリガニなど、特色のあるザリガニについては、キーパー間で勝手に和名が付けられてしまうこともある。



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