昭和61年・７月の戦い（前期）


この時のホークスは・・・

最下位を独走していた南海ホークスですが、前半戦大詰めの７月に入り、やっと投打の歯車が噛み合うようになってきます。投手陣では、相変わらず加藤の初勝利が見えてこないものの、エース山内孝が本来のピッチングを取り戻し、好調の西川と併せての大活躍！　先発完投の試合も増え、両者の働きは、酷使気味だった中継ぎ陣にとって非常にありがたいことでありました。これらの投手陣を支える捕手では、３塁コンバートが上手く行かず、２軍落ちしていた香川を電撃起用！　しかも復帰初戦で初ホームランを放つなど、派手な「復活祭」となりました。
　野手陣では、不調をきわめていた主砲門田が、１日の試合でとうとうスタメン落ちとなり、ファンをヤキモキさせましたが、その分、山本・デビッドらクリーンナップ勢が大活躍！　得点力も少しずつ上向き始めます。門田は、その後もしばらく不調と戦い続けなければなりませんでしたが、片柳、岸川といった「準レギュラー」クラスの選手からも一発が出るようになり、サヨナラ勝ちや追い上げての引き分けなど、従来であれば「落とし試合」だった試合も拾えるようになってきました。近鉄や阪急など、優勝争いを続ける上位チームとも互角以上の戦いを見せ、スポーツニュースなどでは「上位いじめ」という言葉が使われるようになります。いずれにせよ、この好調さは、ファンにとって「オールスター休み」が恨めしくさえ感じられるくらいの心境でした。



７月１日　　南海・西武13回戦
大阪球場　ナイトゲーム　観衆13000
南海4x-3西武
勝利投手 藤本修（2勝6敗0Ｓ） 敗戦投手 松沼弟（4勝5敗0Ｓ） セーブ 　　　　　　　　　　
投手リレー 藤本修(9)
ホームラン 香川1号ソロ（渡辺）、デビッド12号ソロ（松沼弟）
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杉浦監督コメント（好手で大活躍した香川に）「打撃で期待して使ったが、守りでもよく動いてチームを乗せてくれた」（朝日新聞）
香川選手コメント（捕手としての復帰に）「まさかミットを持つとは・・・。捕手でも何でも１軍でプレーできたらいい」（朝日新聞）
「自分でもびっくりした。あんな大きいのは初めて。初捕手、初ホーマー、初打点、今日は初ものづくしや」（毎日新聞）
デビッド選手コメント（初のサヨナラアーチに）「アメリカで二、三度経験しているが、気分は最高。引きつけて打つのを心掛けたのがよかった」（朝日新聞）


７月２日　　南海・西武14回戦
大阪球場　ナイトゲーム　観衆13000
南海0-3西武
勝利投手 松沼兄（1勝4敗0Ｓ） 敗戦投手 井　上（3勝6敗0Ｓ） セーブ 　　　　　　　　　　
投手リレー 井上(4.1/3)-竹口(1.1/3)-矢野(1.1/3)-中条(1)-山内孝(1)
ホームラン 　　　　　
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杉浦監督コメント（三回、河埜二塁手の二飛２回エラー安打に）「三回の点は、いらん点や。いくら風があっても、あれは捕らないかん」（朝日新聞）
西武・森監督コメント（松沼兄の初勝利に）「南海が1.2回の拙攻で助けてくれたようなもの。あれは助かったよなぁ」（朝日新聞）


７月３日　　南海・西武15回戦
大阪球場　ナイトゲーム　観衆14000
南海1-7西武
勝利投手 工　藤（6勝1敗0Ｓ） 敗戦投手 加　藤（0勝4敗1Ｓ） セーブ 　　　　　　　　　　
投手リレー 加藤(3.2/3)-中村(2.1/3)-竹口(1)-山口哲(2)
ホームラン 　　　　　　　　　　
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７月５日　　南海・阪急10回戦
釧路球場　デーゲーム　観衆20000
南海3-0阪急
勝利投手 山内孝（3勝11敗0Ｓ） 敗戦投手 星　野（6勝4敗0Ｓ） セーブ 　　　　　　　　　　
投手リレー 山内孝(9)
ホームラン 山村4号ソロ（星野）
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山内孝投手コメント（２日の敗戦処理登板に）「あんな場面に出されてカッと来た。なめられてるなと思った。忘れていた気力を思い出した」（毎日新聞）
杉浦監督コメント（山内孝の２日の救援登板は）「先発だといろいろなテストはできないが、短い救援だと思い切って投げられるから使ってみた。発奮させるため？　私はそう考えていないが」（朝日新聞）


７月６日　　南海・阪急11回戦
釧路球場　デーゲーム　観衆27000
南海6-5阪急
勝利投手 藤本修（3勝6敗0Ｓ） 敗戦投手 石　井（1勝2敗0Ｓ） セーブ 矢　野（3勝0敗3Ｓ）
投手リレー 藤本修(7)-矢野(2)
ホームラン 　　　　　　　　　　
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杉浦監督コメント（好投の藤本修を矢野に代えてピンチを招き）「矢野をプレッシャーに強いように勉強させなくては。（無視満塁でマウンドへ行き）青い顔をして震えておった」と苦笑い（朝日新聞）


７月８日　　南海・近鉄11回戦
藤井寺球場　ナイトゲーム　観衆5000
南海7-1近鉄
勝利投手 山内和（4勝6敗0Ｓ） 敗戦投手 柳　田（4勝3敗0Ｓ） セーブ 　　　　　　　　　　
投手リレー 山内和(9)
ホームラン デビッド13号2ラン（柳田）
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杉浦監督コメント「阪急・近鉄と上位をいじめとる？　そんなことより自分のチームのことで精一杯だよ」（朝日新聞）


７月９日　　南海・近鉄12回戦
藤井寺球場　ナイトゲーム　観衆5000
南海4-5近鉄
勝利投手 石　本（4勝1敗16Ｓ） 敗戦投手 加　藤（0勝5敗1Ｓ） セーブ 　　　　　　　　　　
投手リレー 加藤(8)
ホームラン 　　　　　　　　　　
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７月10日　　南海・近鉄戦
藤井寺球場　ナイトゲーム　
　　　　　雨　天　中　止　　　　
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７月11日　　南海・阪急戦
大阪球場　ナイトゲーム　
　　　　　雨　天　中　止　　　　
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７月12日　　南海・阪急12回戦
大阪球場　ナイトゲーム　観衆9000
南海2-1阪急
勝利投手 山内孝（4勝11敗0Ｓ） 敗戦投手 今　井（5勝9敗0Ｓ） セーブ 西　川（5勝5敗1Ｓ）
投手リレー 山内孝(8.1/3)-西川(2/3)
ホームラン 　　　　　　　　　　
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門田選手コメント（今井に読み勝ちしての中前タイムリーに）「１球目を見送れば際どい球ばかりと思い、初球にかけた」（朝日新聞）
西川投手コメント（初セーブに）「緊張して足が震えました。福本さんの当たりが弱く、セーフになるんじゃないかとハラハラしました。セーブはスリルがありすぎ、これじゃやせてしまいます。自分の投げたゲームじゃないし、絶対に抑えねば、の気持ちはあったのですが、肩の力を入れないように投げました。とにかく、気合いが入りました。これからも頑張るだけです」（毎日新聞）


７月13日　　南海・阪急13回戦
大阪球場　ナイトゲーム　観衆9000
南海2-4阪急
勝利投手 星　野（7勝4敗0Ｓ） 敗戦投手 藤本修（3勝7敗0Ｓ） セーブ アニマル（1勝0敗13Ｓ）
投手リレー 藤本修(4.1/3)-井上(3)-中条(1)-矢野(2/3)
ホームラン 山本11号ソロ（山本）、香川2号ソロ（星野）
NANKAI Hawks　NANKAI Hawks　NANKAI Hawks　NANKAI Hawks　NANKAI Hawks

山本選手コメント（先発ルーキー山本から右翼上段に貫禄の同点アーチ）「新人を調子づかせないためにも、一発打ててよかった」（朝日新聞）


7月15日　　南海・日本ハム14回戦
後楽園球場　ナイトゲーム　観衆5000
南海3-2日本ハム
（延長10回）
勝利投手 西　川（6勝5敗0Ｓ） 敗戦投手 田中幸（2勝5敗11Ｓ） セーブ 　　　　　　　　　　
投手リレー 西川(10)
ホームラン 　　　　　　　　　　
NANKAI Hawks　NANKAI Hawks　NANKAI Hawks　NANKAI Hawks　NANKAI Hawks




７月16日　　南海・日本ハム戦
後楽園球場　ナイトゲーム　
　　　　　雨　天　中　止　　　　
NANKAI Hawks　NANKAI Hawks　NANKAI Hawks　NANKAI Hawks　NANKAI Hawks




７月17日　　南海・日本ハム15回戦
後楽園球場　ナイトゲーム　観衆8000
南海5-5日本ハム
勝利投手 　　　　　　　　　　 敗戦投手 　　　　　　　　　　 セーブ 　　　　　　　　　　
投手リレー 山内孝(3.2/3)-竹口(1)-井上(2.2/3)-中条(1/3)-加藤(1.2/3)
ホームラン 山本12号ソロ（柴田）、デビッド14号２ラン（金沢）、岸川2号ソロ（田中幸）
NANKAI Hawks　NANKAI Hawks　NANKAI Hawks　NANKAI Hawks　NANKAI Hawks

杉浦監督コメント「追いついたのは上出来。中軸がたたき出した得点だけに、フロックじゃないよ。惜しかったけど上出来」（毎日新聞）


パ・リーグ順位表（第16節・７月17日終了時点）
順位 　球　団　名　 試　合勝　利敗　戦引　分勝　率ゲーム差
１位 近鉄バファローズ 6739244.619-
２位 西武ライオンズ 7139266.6001.0
３位 阪急ブレーブス 6933315.5166.5
４位 ロッテオリオンズ 6427325.45810.0
５位 日本ハムファイターズ 7331393.44311.5
６位 南海ホークス 6823405.36516.0


チーム別対戦勝敗表（昭和61年度前半終了時点）
（勝数-敗数の順、カッコ内は引分数）
順位 　球　団　名　 近　鉄西　武阪　急ロッテ日ハム南　海
１位 近鉄バファローズ -7(1)68-45(1)812-37(2)3
２位 西武ライオンズ 6(1)7-6(2)66(2)411-510(1)4
３位 阪急ブレーブス 4-86(2)6-7(1)68(1)78(1)4
４位 ロッテオリオンズ 3-125-117(1)8-2(1)87-6
５位 日本ハムファイターズ 3-125-117(1)88(1)2-8(1)6
６位 南海ホークス 3(2)74(1)104(1)86-76(1)8-

杉浦監督コメント（前半戦の戦いを総括して）「４、５月は先発が早い回で崩れ、守り中心の細かな野球ができなかった。６月に入って投手が立ち直り、よい試合が増えた。お客が９回まで席を立たないような野球がしたい」（毎日新聞）