1ねん3くみ
カエルがいなけりゃ、ザリガニもいない・・・?
アメリカザリガニは、アメリカに住んでいるはずなのに、今、どうして日本にいるんだろう? 空をとんできたわけでもないだろうし、およいできたわけでもないだろうし、本当にふしぎだよね。いったいどうやって、どういうわけで日本にきたんだろう?
カエルのえさとして、わざわざふねに乗せてつれてきたんだよ!
今から100年くらい前の日本は、今とちがって食べるものがあんまりなかった。おいしいハンバーグやカレーライスとかなんて、ほとんどなかったんだ。子どもたちも、ずっとおなかをすかせていたんだね。やっぱり、えいようをつけないと、元気な大人になれないもんね。
その時のせいふ(政府)は、なんとかして「日本人にえいようをつけて、元気にけんこうになってほしい」と考えたんだ。そこで、世界各地をしらべて回って、「日本でもカンタンに育てられて、日本人がおいしく食べてえいようがつくもの」をさがしたんだよ。
今から90年くらい前、ちょうどみんなのおじいちゃんやおばあちゃんが生まれるころの話だけど、いろいろさがし回ってきたものの1つに「ウシガエル」っていうのがあったんだ。アメリカに住んでいるカエルで、食用ガエルとも言うよ。カエルを食べるっていうと「えー!やだー!」って思うかもしれないけど、大きくて、足のぶぶんはおいしく食べられて、えいようもある。さっそくアメリカから日本に運んできて、そだててみたんだ。
ところが、アメリカではかんたんに育つのに、日本じゃぜんぜんうまくいかない。これじゃ、おなかをすかせている人に広められないから、研究している人は、みんな困っちゃった。いろいろしらべ直してみると、このカエルは、アメリカで「まっ赤なエビみたいなもの」を食べて育っているってことがわかったんだ。でも、そんなエビは日本にいないし・・・。そこで、その「まっ赤なエビみたいなもの」を、アメリカから持ってきて、それを育てて食べさせながら、カエルを大きくしようとしたんだよ。しょうわ2年5月12日、はじめて日本にやってきた「まっ赤なエビみたいなもの」・・・。それが、今、日本にいるすべてのアメリカザリガニのはじまりなんだ。ふねに乗せられ、わざわざ太平洋をわたって、日本にやってきたんだよ。