マシンガン・ウッド




佐倉ザリガニ研究所の独断と偏見による  この流木の評価
シェルター
として

食用として
機能する?

水槽景観上
としては?

流通頻度は
どう?

ザリ飼育用として
の総合評価は?






ただし稚ザリ期のみ
素材によって変化大
景観より実用本位の形状
流通量も少なくムラが多い
特定期だけは最高素材!



「マシンガンでボコボコに撃ち抜かれたような形状」を連想させるところから、アクアリストの間で自然発生的にこう呼ばれるようになった流木です。もちろん、そういう種類の樹木は存在しませんし、(特に舟板として使われていた物の場合)同じルートで輸入され、同じショップで販売されているものでも、実に様々な材質のものが存在します。
この流木は、ブラジル産のものと東南アジア産のものと大きく2種類があり、フナクイムシなどの侵食作用によって形成されたものといわれていますが、穴の大きさや開き方など産出地域によって形成過程は微妙に異なります。舟板状のものと天然木状のものとがあり、天然木状の方が上質とされますが、入荷量は極端に少なく、また、最近の小型エビ類ブームで需要も上がってきていることから、上質なものはショップに回る前に押さえられてしまい、市場へなかなか流れてこないのが実情です。ブラジル産の方は現在輸入がストップしており、東南アジア産の方も輸入にムラがあるため、必要な時にいつでも入手できるわけではありません。よいものを見つけたら、迷わず購入しておいた方がよいでしょう。
蜂の巣状に小さい穴がたくさん開いた形状は、シェルター兼用の流木として、独り歩き開始直後の稚ザリ育成水槽に最適です。円筒形濾過材や小径塩ビ管などと比較して上方にスペースを稼ぐことができるため、同面積での退避スペース確保比率はダントツで、繁殖系キーパーにとっては必須ともいえる流木ではありますが、独り歩き開始から3ヶ月〜半年程度経過し、個体がそれなりに大きくなってくると、シェルターとしては手狭になり、機能しなくなってくる場合があります。また、穴の大きさが一定でない上に、中で曲がりくねっていたりするため、まれに、中に入り込んだ個体が出てこられなくなる・・・という事故が起こるケースもあります。いずれにしても、シェルターとして機能するのは、独り歩き開始直後から半年くらいまでの一定期間のみと考えてよいでしょう。
餌として考えた場合、同じショップで販売されているものであっても、(素材の違いによって)大きく異なり、中には、個体が全く反応してくれないものもあります。舟板として用いられていたものの中には、稀に表面塗装の痕が残っていたりする場合もあり、餌として適切でないのではないか?・・・と思われるものもあります。こういう点から考えれば、意外と用途の狭い流木なのかも知れません。
汽水または海水域で産出(形成?)されるケースがほとんどであるためか、投入後、ごくまれに飼育水の硬度が跳ね上がるケースが報告されています。また、フジツボ類と思われる付着物が残っている場合もあります。レッドビーシュリンプなどの飼育とは異なり、ザリガニではほとんど影響ありませんが、水質に敏感な種類を飼育する場合には、念のために投入後の水質チェックをしておく方がよいでしょう。気になるようであれば、付着物はすべて削り取るほか、3ヵ月程度水に漬け込み、無用なミネラル分を充分に滲出させきってから使用するようにしましょう。




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