タマ(クズ)流木




佐倉ザリガニ研究所の独断と偏見による  この流木の評価
シェルター
として

食用として
機能する?

水槽景観上
としては?

流通頻度は
どう?

ザリ飼育用として
の総合評価は?






強いて可能といえば
独り歩き開始直後くらい

食用に特化している
大きめの底砂って感じ?
基本的には自作のみ
喰わせ素材に徹した
ザリ飼育専用の流木か?



「飴玉くらいの大きさ」ということで、誰ともなく「タマ」流木と呼ばれるようになっていますが、所詮は大きな流木の割れた破片です。ザリ・キーパーの間での呼び方はともかく、表現としては屑(クズ)流木の方が適切かも知れません(特に、ザリやエビ類のキーパー以外の方は、ほとんどが「クズ」の方の名前で呼びますものね・・・苦笑)。個体が自由に持ち歩いて、自分が安心して食べられる場所でゆっくりと齧ることができる・・・という点で、特に複数飼育の大型水槽や、ペア組み初期などの水槽では非常に重宝する流木です。
ただ、実際にこれを作るとなると非常に大変で、ショップなどで流木が売られている箱の底に落ちている破片を集めて来て、アク抜きをして仕上げようとしても、浮いたり散ったり流れたり・・・で、なかなか思うような状況まで作り上げることができないのが悩みの種といったところでしょう。佐倉でも、輸入直後のフィリピン流木コンテナから、割れた破片をビニール袋いっぱいに貰ってきて、水に浸して作ってみましたが、なかなか上手く作ることができなかった経験があります。この流木、実際には角流木や筒流木、マシンガン・ウッドなどを充分にアク抜きした後で、砕いて仕上げるパターンが大半です。つまり「砕いてから仕上げる」のではなく「仕上げてから砕く」ということですね! 独り歩き開始直後の稚ザリ用シェルターや、マロンなどの大型個体に対する持たせ餌として、それぞれの場面においては非常に重宝する流木ではありますが、多くのキーパーが使用を断念してしまうのは、こうした製作上の難しさがあるからだと思います。充分にアク抜きを済ませたと思って砕いて使っても、投入して数日経つと、水がすっかり黄変してしまっていた・・・という話もよく聞きます。確かに、流木の内部まで充分にアクを抜くのは大変なことですが、やはり、必要であればある程度時間を掛けて作らなければならないものかも知れません。
こうした製法上の問題もあって、素材は実に多種多彩であり、極端な言い方をすれば、流木に使われる樹種の数だけ、この流木になる種数がある・・・ということになりましょう。日ごろから個体をよく観察し、積極的に齧る樹種を選んで仕上げ、砕くようにするのがベストです。また、最初から作るのではなく、長期間投入し、ある程度齧られて小さくなった流木を砕いて使う・・・というのもいい方法です。「リサイクル素材」ならぬ「リユース素材」の典型なのかも知れませんね!
いずれにしても、この流木だけは「買う」よりも「作る」必要のあるものだといえましょう。購入しても、実際に砕いて使えるようになるには、最低でも半年くらい必要でしょうから、きっとこれは、キーパーの「根性」「根気」が問われる流木なのです。




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