第1実験:身の回りにある材料を餌に使って、真っ白いザリガニを作ってみよう!

実験の経過(その6)、実験結果
(平成13年11月分)

実験もついに6カ月目を迎え、ザリガニたちには、ついに大きな変化が見られました。餌によって体色がコントロールされてしまうことを証明する、重大な瞬間です。



第1実験:11月
日 付水温(第1)水温(第2)水温(第3)餌の投入備 考
11月1日
17℃
18℃18℃投 入やはり第1水槽の個体のみ、食欲が落ちている。
11月2日
17℃
17℃18℃投入せず   
11月3日
16℃
18℃18℃投入せず第1水槽の個体に隙間発生。脱皮間近に迫る。
11月4日
17℃
17℃18℃投入せずついに脱皮。純白の個体へと変身!
11月5日
16℃
16℃17℃投 入第1水槽の個体を含め、餌に対する反応、食欲は良好だ。
11月6日
16℃
16℃16℃投入せず   
11月7日
17℃
17℃18℃投入せず脱皮後の硬化もひと段落したので、実験を終了する。
第1実験終了 ・ 実験期間6月3日〜11月7日




実験を終えて・・・

この実験によって白い個体が出現すること自体は当初から予想されていたことでしたが、これほどの期間がかかってしまったのには、「必要以上の加温をしなかった」ことと「投餌頻度を3日に1回ペースに抑えた」という2点の影響が大きいと思います。水温を30度近くでキープし、餌を毎日与えていれば、変化はもう少し早く現れたでありましょう。
しかし、この実験は、最初にも触れました通り、ある意味「個体の健康状態を損ないながら色を変える」というものです。ですから、実験結果を早く求めようと投餌頻度を上げたり、水温を高めに維持したりすれば、個体へ掛かる負担は、きっと今以上のものがあることでしょう。そういう点で、このスピードは、個体のコンディションを落とさない「ギリギリの線」であるのかも知れません。現に、第1水槽の個体は、その後も定期的な換水をしているものの、11月後半には軽いバーンスポットを出している状態です。こうした事実は「この状態での甲殻が、それだけ弱いものである」というものを物語るものでありましょう。できるだけ早い機会に餌質を戻し、水のぬるむ来春までには真っ赤なボディーにお色直しさせて(ついでにバーンスポットはしっかり落として)、捕獲した用水路に戻してやりたいと思っています。