第5講座(System-5)

1代目選り抜きのポイント(2)
〜判断へのヒント〜


第5講座の公開直後「あの写真では個体の大きさがわからないので教えて欲しい」「ハサミの有無は判断材料に加えるべきか?」・・・というメールを数多くいただきました。大丈夫! 解説用に使おうと、すでに写真は撮ってあったんです! 本当は、全く別の意図で、別項目用として撮り貯めておいた写真なのですが、ここで使うこととしましょう。


第1成長個体群の個体です。TLでだいたい6〜7センチクラスが主体と考えてよいでしょうか?

第2成長個体群の個体です。TLでだいたい4〜5センチクラスが主体と考えてよいでしょうか? 1群より2脱皮遅れくらいの感覚で捉えていただければよいでしょう。

3群以降の個体では、この写真のようにTLでだいたい3センチ以下のクラスが主体となります。



また、ハサミの有無についてですが、このサイズで考えれば、両揃えである必要は全くございませんで、下手すれば丸坊主でも充分リカヴァーできる可能性が高い時期であるといえます。従いまして、この段階程度までであればハサミの有無は判断材料に加えなくて結構です(というか、この段階における胸脚欠損は最初から気にしないものである・・・という共通認識ができあがっているものと考えていたので、写真を撮る段階で、ハサミの有無とかを全く気にせずに選り抜いてしまいました。もう少し気を使って撮影個体を選り抜いておけばよかったんですね! 大変失礼しました)。


ただ、一つ気になったことがあります。少々苦言っぽい内容になるので恐縮ですが、どうかお付き合い下さい。公開直後、「あの写真だけでは個体の大きさがわからないではないか! 必要な情報も提示せずに解けとは、不親切もいいところだ」などというご意見が(しかも繁殖を何度も経験されているという方から)予想以上に多く出たらしいことには、非常に申し訳ないと思うと同時に、キーパーとして、非常に大きな課題があるという事実を私たちに教えてくれたように思います。もちろん、私の文章が拙いという根元的欠陥もあると思いますが、第1講座以降の解説において、青個体作出における適正繁殖時期は、だいたい2番仔の時期である・・・とご説明をさせていただきました。2番仔の時期に採仔し、秋に喰わせてそのまま越冬させた場合の越冬明け・・・という状況で考えた場合、ある程度繁殖のご経験を積まれたといわれるキーパーのみなさんやプロ・ブリーダーの方であれば、こうした情報と説明だけで、この時期にそれぞれの個体がどれくらいの大きさになり、どういう群構成になっているかは、ある程度容易にご想像いただけるはず・・・だからです。ヤビーに限らず、ザリの繁殖にチャレンジして行く場合、彼ら本来の成長ペースを守り、そして環境作りを整えてやるのと同時に、こういう細かい部分をしっかりデータ化し、自分の経験値として蓄積して飼育に活かして行くことが大切なのではないかと思います。飼い手の都合に合わせた飼育施設や飼育体制だけで臨めば、彼らの「本当の姿」を見極めることはできません。目の前の個体も、ただ見ているだけでは、何も教えてはくれないのだ・・・ということを、私たちは肝に銘じておく必要があるでしょう。