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濃色系個体

Dark form

 いつか作ろうと考えていたこのページのために、ずっと詳しく触れずにとっておいたのがこの写真! この写真自体は、繁殖講座の中で1度使っていますので、気になっていた方もいらっしゃったかも知れませんが、これは、1995年暮れにドイツ便で入ってきた個体の中に1匹だけ混じっていた、限りなく黒に強い個体なのです。ハサミの形状が少々細長いため、当時、「もしかしたら異種ではないか・・・?」という考えもありましたが、輸入状況から考えても、オーストラリアで食用養殖された個体の血を引いていることは確実であるため、その説は考えづらいところです。この写真は、某ストック場に収容されたばかりの時のものですが、当時はストック手段が全くといっていいほど確立されていなかったため、収容後たった数日で、出荷されることもなく死んでしまったのが惜しまれます。
 ヤビーには、一部の水系で黒色個体群が存在していることが知られており、事実、クーナックの輸入開始時には、そうとしか思えない個体も数多く入ってきていたのですが、それが確かにヤビーであるという証拠がないことや、私自身、実際に棲息地へ赴いて黒色個体を見たことがないこと、さらに「ヤビー」名目で入ってきたのが、この個体だけ・・・ということで、今回は、あえて「濃色系」という形で御紹介させていただくことにしました。






白色個体

White form

 日本ではなかなか見る機会が少ないため、非常に珍しいとされるヤビーの純白個体です。アメリカザリガニの白色個体と同じで、その存在は古くから知られており、文献にも数多く紹介されていますので、意識的に環境を整えれば、アメリカザリガニの白色個体同様の動きになると考えられますが、今までに日本へ紹介された回数自体が極めて少なく、その個体数も少なかったため、キーパーの目に触れる機会も非常に少なかったことが、こうした個体に対する「レア」度を押し上げてきたのでしょう。この個体も、日本に来る以前の段階で抜かれてしまい、香港で飼育されていた個体です。
 こうした個体が、いわゆる「アルビノ」であるかどうかは議論の分かれるところで、今後の研究成果が待たれるところですが、個体群として存在しているというよりは、やはり「突然変異」的に発生するケースがほとんどだといえましょう。
 なお、白色の場合、餌質を調整することで人工的に作り出すことが可能なことが知られています。しかし、意図的に「病気」の状態を作り出すことと同様なので、外殻がかなり薄くなったり、諸々の障害が起きやすくなります。また、写真の個体ほど大きいものでは、色が抜けきる前に斃死することも多いので、基本的にはお薦めできません。ニュースでも取り上げました通り「関節部の赤色」が発現していませんが、ヤビーの通常個体でも、間接部に赤色が乗らない個体が多く見られることなどから、この部分だけを指して「餌変色個体である」とするには、少々無理があります。確かに「ボディーが純白で間接部が赤」・・・なんていうおめでたい個体が出現したら面白いでしょうが、現段階では、とりあえずこのカラーリングを「白色個体」として御覧いただくことにします。





今後も続々登場予定! どうぞお楽しみに!

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