ヤビーVSマロン・徹底比較ファイル! | |
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ヤビー Yabbie,Yabby | マロン Marron |
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学名:Cherax destructor / albidus |
学名:Cherax tenuimanus |
棲息地の様子と身体との関係は? | |
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解説: 棲息域のうち、最も有名なところに星印が付けてあり、これを見る限りでは「ヤビーが東、マロンが西」という構図に見えます。でも、現状では、ヤビーの場合、人的な要因でもってオーストラリア各地に棲息域を広げており、西オーストラリアはもちろん、タスマニアまで報告事例があるくらいなんですよ。ヤビーは繁殖能力が高い上に極めて強健であるため、一部の地域では、少々「迷惑者」扱いされることも・・・(涙)。一方、マロンの方ですが、こちらは生活する環境への要求度が高いため、養殖目的で南オーストラリア州の一部などに持ち込まれている以外は、原則として西オーストラリアの外には出ていません。一般的に、マロンは常に水のある地域にしか住まず、ヤビーのように渇水期には巣穴を掘ってしのぐようなことをしませんから、こうした性格が、身体のつくりにも微妙に影響してきているわけです。 | |
真正面から見てみよう! | |
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解説: ヤビーは、高い掘穴性を持っている関係上、成長するに従ってハサミがかなり巨大化してきます。マロンの場合も大きくはなるのですが、ボディー全体の大きさと比較すると、両者には、かなりの違いが出てきます。腹部の大きさも関係しているのですが、大型成体になればなるほど、ヤビーの方が「後ろに反りかえる」ような姿勢になってきます。ヤビー・キーパーにとって、このポーズは「たまらなくカッコいい」わけで・・・(苦笑)。 | |
真横から見てみよう! | |
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解説: サイドから全体を見ると、やはりマロンの方が、全体的に前かがみ気味になっているのがわかります。「ヤビーの方が姿勢イイぜ!」と喜びたいところですが、現実的には、それだけマロンの腹部がしっかりしていることの証拠でもあります(苦笑)。大型化する上に、これだけ腹部(食用として使える部分)がしっかりしていれば、水産資源として見逃されようはずがありません。こうした部分もあって、現地オーストラリアでは、マロンの方が圧倒的に高値であり、「高級魚」扱いされているのです。あっさりしたヤビーの腹節と比較して、がっしりとした鎧のようにボディー全体を覆っているマロンの腹節は、マロン・キーパーにとって、たまらない魅力であることでしょう。 | |
頭胸甲部分を横からアップしてみよう! | |
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解説: いわゆる「横顔ショット」という構図ですが、これで見ると、ヤビーとマロンの顔つきの違いが、とてもよくわかります。マロンの特徴である「5本キール」が、前から後ろに向かってすらっと流れ、独特の迫力を醸し出していますよね(おいおい、ヤビーのコーナーなのに、マロンを褒めてどうする・・・苦笑)。反面、ヤビーの方は実にのっぺり、いや、スッキリしたラインを見せています。これは、頭胸甲サイド部分の表面を見てもわかる通りで、「スパイン」とまでは行かなくても、マロンの方が、かなりザラザラしていて、隆起がハッキリと見てとれます。それにしても、成長するに従って少しずつ盛り上がってくる頭胸甲前部・・・。見るからに「頭」を思わせるググッとしたオデコの盛り上がりは、ホント、たまりませんなぁ。鼻の高さは、両者とも似たり寄ったりです(苦笑)けど、ま、鼻立ちのよさを愛でる作業は、レッドクロウ・キーパーに任せておきましょう。 | |
額角部分をアップしてみよう! | |
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解説: マロンにとっては「最大の魅力」の1つであるといわれる、額角部両側の3本スパイン・・・。こうしてズームアップしてみると、確かにカッコいい・・・ですわなぁ。ヤビーは、よくも悪くもストレート。スッキリと流れるような形になっています。ハサミの大きさや内側スパインのカッコよさはヤビーに軍配が上がりますが、触角の付け根に注目! マロンの「剛毛」はド迫力モンですね。やはり、こうした部分だけで見ても、マロンの方が全般的にゴツゴツしたイメージがあります。ヤバいっ! またマロンを褒めちゃった(涙)。いえいえ、ヤビーの方がスマートで都会っぽい・・・ってこと。かなり無理があるなぁ・・・(苦笑)。 | |
ハサミの様子はどうだろう? | |
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解説: ザリ・キーパーにとっては「最大の魅力」の1つが、このハサミ! アメザリなどと比較することを思えば、この2種類の違いは、さほど大きくもないように思えますが、それでも「スコップ」を思わせる丸形のヤビーに、ツメが長めでスマートなマロン・・・。互いに譲らぬ魅力がありますね。問題は、互いの持つハサミの大きさ! 写真ではマロンの方が大きく見えますが、ヤビーの写真にさり気なく写っている親指の大きさを見れば、ヤビーのハサミがどれだけ大きいか・・・がわかりますよね! 全長15センチ程度のヤビーのハサミであれば、全長30センチ弱のマロンと同じくらいの大きさには平気でなります。このデカさは、悪いけどマロンの比じゃないもんねぇ〜(嬉)。なお、ハサミの形状は、個体によって大きく変わりますんで、この点は御注意を・・・。 | |
実際に「喰う」部分だ! | |
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解説: 一方、我々が「食べる」部分である腹部に関しては、大きさ的にもマロンに軍配! 1つ1つの腹節が、ラウンド状に腹部を覆い、がっちりとガードしています。腹部自体の背が高いのも、マロンの特徴。同じ大きさくらいの個体同士ですと、マロンの方が「前かがみ」っぽく見えてしまうのは、そのためでもあるのです。この写真だけで見ても、やっぱりマロンの方が「おいしそう」ですもんね! ウ〜ム、ここの部分じゃ、勝負にならない! | |
尾扇の形は? | |
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解説: ここの部分は、意外と大差ありません。確かに、同じCherax属ですもの、当たり前かも知れませんね。どちらかというとマロンの方が幅広である傾向が強いのですが、個体によってはヤビーでもかなり幅広のものがいます。マロンの写真ではちょっと見づらいのですが、縁部を覆う細かい毛が、両者ともなかなかオシャレ・・・ですね。 | |
そして、魅惑のカラーリング! | |
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解説: 真剣に向かい合うようになるに連れてどんどん気にならなくなってくるのが、個体の「色」なんですが、やはり、ザリ・キーパーの心を惑わす「最大要因」の1つであるには違いありません。そこで、ヤビーとマロンで、最も美しい色合いの個体を御紹介! もちろん、写真に色加工は一切してありませんぜ! 本当は「青勝負」で行きたかったんですが、それじゃヤビーにとって、あまりに不利・・・というもの(苦笑)。そこでヤビーは、原種の深いグリーンを身にまとった個体を登場させましょう! 世の中、青だ青だと言うけれど、こんなに美しく、こんなに落ち着いたグリーン、他のザリじゃ絶対に出せませんや! マロンの青さがあまりにも綺麗であることはよく知られていることですが、南海ホークスの熱烈なファンだった私にとっちゃ、この素晴らしい「ダークグリーン」に、心から感激を覚えてしまうのです。 |