ヤビーの魅力は、全体のボディー・ラインや体色のバリエーションだけにあるのではありません。体を構成する様々な部分に、普通のアメリカザリガニや、レッドクロウ、マロンにはない「ヤビーらしさ」が満ち満ちているのです。「恋する目には、アバタもエクボ・・・」とも言いますもんね! ここでは、そうした部分を、それぞれの写真を交えながら、自称「日本一のヤビー飼い」の私めが、エゴ丸出しで徹底的に語ってしまいましょう! 思い入れもここまで来ると、いよいよ「変人」の域に入ってくるのですが・・・。我ながら、ホント困ったモンです(苦笑)。



親しみのある穏やかな鼻スジ!

   

 美人の条件は、鼻スジが高いこと・・・。ザリガニの中でも、鼻スジの通った美人といえば、やっぱりレッドクロウ! 確かに精悍には見えますし、レッドクロウキーパーにいわせれば「これこそ美しさ」なんでしょうけど、いえいえ、とんでもありません! 私たちアジア人には、やっぱり穏やかなま〜るい鼻スジこそが、美人の象徴なんです(笑)。スパインも全然ないし、アメザリと比較しても、まだ丸さを感じるこの部分こそが、ヤビーの魅力なんです。こうして比較してみても、いかにヤビーが「人なつっこい鼻スジ」をしているかわかりますでしょ(逆に、レッドクロウのカッコよさを宣伝しちゃうことになったらどうしよう・・・苦笑)。ちなみに、鼻スジ、鼻スジと申し上げておりますが、この部分は「額角部」といって、鼻ではございませんので念のため・・・。



ゴッツいけど、どこか憎めない顔!


 ザリに興味を持たない人からすれば、「気持ちわる〜い!」としか言われなさそうなのが、このアングルから撮った、ザリの「顔」でしょうね。餌をしっかりとキャッチするアゴ脚に、ムシャムシャと噛み砕く大アゴ・・・。バルタン星人のモデルともなったこの顔つきは、ザリ・キーパーにとって、愛しの顔・・・なんです(笑)。特にヤビーのそれは「ひ弱過ぎず、キツ過ぎず」の優しい顔立ち・・・。ユーアスタクスみたいにグロテスクじゃないし、レッドクロウみたいに妙なスッキリさもない、均整の取れた顔立ちなんですよ! ま、ここまで書くと、褒め言葉にも説得力がなくなって来ちゃうんですけどね(苦笑)。







これぞ、ヤビーの「真骨頂」

   

 やっぱり、ヤビーといったら、この「ハサミ」でしょうねぇ・・・。いくらマロンが綺麗だとか、レッドクロウがカッコいいとか言ったって、ヤビーのハサミにゃかないませんよ! ウチワみたいな丸さと、スコップみたいな力強さは、どんな巣穴だってバッチリ掘削! チンケなレイアウトを施した水槽だって、ひと晩もあれば、しっかり整地してしまう(苦笑)あたりなんざ、超高性能ブルドーザーを彷彿とさせます。開いた時にじっくり見ることのできるハサミの内側は、ギザギザがない分、カッターの刃を思わせるシャープな印象・・・。実際、元気な大型個体に挟まれますと、出血はまぬがれません。確かに、現地じゃマロンの方が「高級食材」ですけど、ハサミにも肉がいっぱい詰まってるっていう点じゃ、どう考えたって、ヤビーの方が上じゃないですか! 喰ってよし、眺めてよし・・・。やっぱりヤビーの方がいいわけですよ、きっと・・・。



丸みを帯びた堂々たる体格、そして、鋭敏な触角


 ヤビーの全体的なボディー・ラインは、他ページの写真に譲るとしても、やっぱりこうした「ずんぐりむっくり体型」には、親しみを覚えてしまいます。余計なスパインがない分だけ、滑らかでスマートに見えそうなところですが、大きく育つに連れて、頭胸甲前部も、こうしてこんもりと盛り上がり始め、独特の「ド迫力ボディー・ライン」を形成して行くのです。胸脚の節1つ1つもガッシリと育ち、独特の逞しさを兼ね備えるようになると、マロンの力強さにだって、決してひけをとりません!
 そして、ヤビーの美しさをより一層強調してくれるのが、ピーンと伸びた触角! 長すぎず、短すぎずのちょうどいいバランスで、見るものの目を楽しませてくれるのです。同じ体色の個体でも、触角の色が微妙に違ったりするものですから、キーパーからすれば、楽しいことこの上ありません!








色っぽいのかなぁ・・・

   

 一方、こちらはヤビーの「おなか」側。節足動物大嫌い系の人が御覧になったら卒倒しちゃうかも知れませんが、こうやって整然と並ぶ胸脚は、まるで精密機械を見ているかのような美しささえ感じてしまうから不思議です(いや、こんなことを言い出すようになると、ザリ好きもいよいよ重症ナンですけど・・・苦笑)。写真は、右がオス、左がメスで、生殖器や産卵口の有無などで、見分けは簡単に付くものです(ヤビーの性判別につきましては「繁殖講座」の項目に詳しく載せてありますので、そちらを御覧下さい)。ただ、手の握りでハッキリとは御覧いただけないかも知れませんが、どうもメスの方が色っぽいというか、丸みのあるボディー・ラインをしているんですよねぇ・・・。何年もヤビーを飼い続けていますと、ひっくり返す前に性別がわかってしまうことが、少なからずあるんです。「コイツ、色っぽいボディー・ラインしてるから、メスだなぁ、きっと!」なんていうふうに・・・。実際にひっくり返してみて、これがズバリ当たったりしますと、我ながら自分の眼力に感心してしまうのですが、同時に、自分がここまでヤバいレベルにまで突っ込んでるのかと思うと、そら恐ろしくなっちゃったりします。さすがにボディーを見ただけで性別を言い当て、「だって、こいつ色っぽいじゃん!」なんて言い出すようじゃ、まず間違いなく変人だもんなぁ・・・。



そして、母の愛・・・


 ヤビーの腹部は、他種よりもスッキリしているのが特徴! マロンみたいにでっか過ぎないし、シグナルみたいにゴッツ過ぎない。そして、ユーアスタクスみたいにトゲトゲじゃないから、イメージできるのは、やっぱり「愛」ですわ!(オレも、とうとう頭おかしくなってきたのかなぁ・・・)
 産まれた卵は、こうしてお母さんの愛に包まれながら、じっくり、ゆっくりと「デビューの時」へと時計の針を進めて行くのです。え? そんなのどのザリも一緒だって? じゃっかましぃ〜! ヤビーは特に美しいんじゃあ〜(かなり無理がある・・・なぁ)。とにもかくにも、こうして卵をしっかりと保護しながら歩いているザリは、ヤビーでなくてもいいモンですよ。







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