守り続ける「伝統」
辻野帽子店(神奈川県川崎市)



訪ねた日:平成16年1月28日


 私たちが子どものころ、商店街には、たいてい帽子屋さんがありました。近くの商店街にはなくても、駅前の商店街に行けば、必ず1軒は、たくさんの帽子をディスプレーした帽子屋さんがあったのです。学校の帽子も、運動会の紅白帽も、そして、色とりどりの野球帽も、みんなここに飾られていましたっけ・・・。
 そんな帽子屋さん自体がどんどんと減っている中にあって、今でも負けずに頑張っている帽子屋さんも少なからず存在しているものです。しかも、あの時と同じようにプロ野球帽がたくさん揃えられているなら、もう、懐かしさを通り越した「嬉しさ」に浸れることでしょう。その昔、多くのファンを熱狂させ、そして多くの記憶を刻み込ませた川崎球場の近くに、知る人ぞ知る素晴らしい帽子屋さんがあることを思い出し、冬晴れのある日、川崎へと足を運んでみました。



戦前に羽田で創業し、戦後はこの地にずっと根を下ろして営業を続けているという辻野帽子店は、川崎駅の海側、ちょうど駅から見て川崎球場と同じ方向に位置しています。川崎球場へ行く場合には、駅前ロータリーからまっすぐ伸びる、通称「市役所通り」を歩いて行きますが、辻野帽子店は、それよりも1本横浜寄りの大通りにあります。「37番街・駅前大通り」というアーケードがありますので、それを目印にするとよいでしょう。お店は、アーケードを入ってすぐのところにあります。右の写真でも、「名物だんご」の赤ノボリの横に、緑の看板が見えると思いますが、わかるでしょうか?





プロ野球帽は、入口手前の左右ショーウインドウに飾られています。お店に向かって右側が現行の12球団帽、そして左側が、懐かしの旧デザイン帽ばかりです。阪急、ハム、近鉄・・・。懐かしい帽子がたくさん並んでいますね! これらの帽子は、すべて当時の製品ばかり・・・。復刻版ではありません。業界に精通する店主が、様々問屋ルートを駆使して、デッドストックを見つけ出してくるのだそうです。どうりで、1つのデザインに対する帽子の数が多いわけですね! 「倉庫の建て替えとか廃業とかの機会にごっそり出てくることもあるんだけれども、それでも、以前に比べて格段に出にくくなってきている」とは、店主さんの弁。反面、いわゆる「コレクター」の数は増えてきているようで、ロッテの帽子は川崎球場最終年に、大洋の帽子はベイスターズ優勝の年に、それぞれあっという間になくなってしまったそうです。南海の帽子にいたっては、ここ数年、全く出てきていない・・・と。ネットオークションなどでの「なんちゃって新品」や「未使用品」ならばまだしも、いわゆる「完全新品」となると、やはり、だんだん見つけづらくなってきているのかも知れませんね。新品系を探している方にとっては、ますます難しい状況になっているようです。それはともかく、わざわざ探し出してきてまで、こうした帽子を取り扱って下さるお店があるなんて、本当に嬉しいことじゃないですか! やっぱり「少年の頭には野球帽」・・・そう、思います。





辻野帽子店
ホームページは こちら 
営業時間 10:00〜19:30 第3水曜・木曜休
住所 210-0006 神奈川県川崎市砂子2-1-12
電話番号 044-222-4550


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