ケロ、喜びに目覚める
関根 裕之投手(日本ハムファイターズ)



いただいた日:平成12年11月19日
いただいた場所:鎌ヶ谷・ファイターズタウン

 片岡選手にお礼を言ったケロは、もう、大喜び! 日ハムを応援する時にかぶるように・・・と、パパがあげた年代モノの青赤nh帽子にサインをしてもらうべく、あちこちで始まっている即席サイン会の行列にさっさと並んで行きます。でも、ただでさえ来場者が多い会場では、選手も大変! サイン会も、警備員の一声で「強制終了」になってしまうこともしばしば・・・。ちょっと残念そうな表情で警備員に連れて行かれる選手の後ろ姿には、もっと残念そうなファンのため息が広がります。
 ケロは、野球のルールもろくすっぽ知りませんし、とにかく強けりゃ好きなわけですから、「おい、お前はどこが好きなんだ!」と聞くと、「え〜っと、オリックスと西武とダイエーと日本ハム!」なんて平然と言ってのけちゃうワケです。そんなケロにとって、日ハムで一番好きな選手は清水投手! これも、連れていったドームの試合で、清水投手が完封したから・・・。この日も朝から「ねぇ、清水いるかなぁ・・・」と、こればっかり・・・。ちょっと寂しい気もしますけど、こうやってだんだん野球を好きになると思えば、まあいいでしょう(苦笑)。
 さて、せっかく並んだ金村投手の即席サイン会が強制終了になり、ちょっとガッカリしていたケロの前に突然現れたのが、野口捕手のトレードで控えに回っている田口捕手!
  「あ、田口さんだ! ケロ、この選手、キャッチャーだぞぉ!」
「え? キャッチャー? じゃ、サインしてもらわなきゃ!」
 パパも薄々気付いていたのですが、ケロの目には、どうやらキャッチャーが一番強い選手であると映っているようです。そりゃあ、マスクやプロテクター、レガースなんかを「装備」しているワケですから、当たり前かも知れませんねぇ・・・。
 他のファンよりも見つけたのが早かったので、すぐにケロの順番になりました。目をキラキラさせるケロが差し出した帽子に、田口選手はサインを入れます。
「どうも、ありがとうございましたぁ〜」
調子のいいケロの声に、田口選手は「オウッ」と応えて下さいました。
 そして、満足いっぱいに坂道を下りてくると、何とそこには、関根投手がいるではありませんか!
  「ね、サインしてもらおうよ!」
ケロは、もうすっかりその気です。でも、そこには数十人の行列が・・・。不運にも関根投手のカードを持ってきていなかったパパは、イマイチ気乗りしません。ところが、そんなパパをよそに、ケロはさっさと行列へ・・・。パパは、列の外からそれを眺めます。
「ここにサインして下さいっ!」
「あ、ここね」
関根投手は、自分の胸にも届かない背の子どもから帽子を受け取ると、にこやかにサインして下さいました。 親バカなパパは、思わず写真をパチリ! そんな姿を見つけた関根投手は、くるっとこちらを向くと、ポーズをとってくれているではありませんか!
「あ! 一緒に写ってくれるっていうんだ」
パパは、感動しながら、もう1枚パチリ・・・。現像してみると、肝心のケロがそっぽを向いている写真になってしまいましたが、パパにもケロにも、とても嬉しい一瞬でありました。
 すっかり気分をよくしたケロは、もっと選手を探そうと一生懸命! その後、再び坂を上がった合宿所の横で芝草投手にサインを入れていただき、晴れてこのような「サインだらけ帽子」が完成したのです。一人一人の選手の凄さや、その陰にある血の滲むような努力までは、まだまだわからないケロですが、いつか、この帽子をじっくりと眺め直す日がくることを、パパは祈っているのでありました。




この日、いただいたサイン(ケロ)
片岡内野手・田口捕手・関根投手・芝草投手


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