平成12年度会員更新手続がスタート!

平成12年4月27日アップ

JCCも7度目の春を迎え、今年も新年度の継続入会更新手続がスタートしている。今年は、総会が夏に実施されることとなったので、手続期間にも余裕があるものの、機関誌次号(CCJ発行の「Snip!」)が更新期間終了後直ちに発行される見通しなので、手続は早めにお願いしたい。なお、新規入会も同時受付中!
また、今年度総会については、8月に淡海湖にて実施する方向で検討中。特に今回は、JCC初の「泊まり掛け総会」を予定しているほか、水産大学校の浜野先生に御指導を仰ぎ、キーパー団体としては異例の、本格的な棲息調査実施を計画している。現在、詳細の検討段階なので、決定し次第、改めてお知らせしたい。



これが新着赤ザリの白パッチ・・・!

平成12年4月4日アップ

先月より話題になっている「イリアンジャヤ産」と銘打たれた赤いザリガニについて、東京・幡ヶ谷にある「AQUA PET JOY」さんの御協力により、気になる第1胸脚部分の写真が撮影できたのでお知らせしたい。
      

今回のザリガニは、大きく扁平なハサミが特徴で、色合いと内側にある鋭利な縁取りを除けばヤビーによく似たものであるが、レッドクロウ同様、オス・メスを見分けるパッチ(レッドクロウの場合は赤いパッチ)が付いているとされている。中央の写真がそれで、レッドクロウと比較するとかなり太めで、色も白というよりは薄桃色であるように思えた。今回、全個体を水揚げしてチェックしたわけではないので、その詳細はハッキリわからない部分もあるが、総じて体長が10センチを越えるあたりでハッキリ出てきているようなので、レッドクロウ同様、幼体の段階では判別できない可能性が高いと考えられる。
また、左右の写真(左がオス個体、右がメス個体)を見てもわかる通り、ハサミの形状にはかなりハッキリとした個体差が見受けられた。これが性別的な理由によるものであるかどうかは、今後、さらに多くの個体をチェックして行く必要があろう。
なお、このザリガニについて、一部「Cherax lorentzi種である」という情報が流れているが、これを裏付ける物的証拠はなく、あくまでも憶測の域を出ていないため、現段階ではCherax spp.とするのが妥当であろうというのが、メンバー間での統一見解である。

(続報は、入り次第アップロードいたします)



JCCが開発に携わった「ザリガニ専用飼料」が市販化決定!

平成12年3月20日アップ

ザリ・キーパーにとっては「悲願」であった専用飼料が、日本淡水開発より、いよいよ発売されることになった。
この餌は、JCCザリガニ専用飼料開発プロジェクト・チームによって開発を続けている飼料のうちの1つで、オールラウンドの使用を目的に作っていた4ミリ・クランブル飼料である。プロジェクト・チームの面々により、度重なる投餌試験と素材・配合の見直しが繰り返されたもので、感慨もひとしお・・・といったところだ。
日本淡水開発さんの話によると、価格・容量などについては細かく決定していないが、通常の配合専用飼料と同程度の価格(1200〜1500円?)くらいには押さえる予定で、今後早急に細部を詰めた上で、ゴールデン・ウィーク前後あたりには出荷を開始したいとのことであった。
なお、この他のサイズの乾燥飼料及び冷凍飼料については、今後も引き続き開発を続けて行く予定で、市販化されない場合でも「JCC会員専用飼料」として不定期生産が可能となりそうである。



バーンスポット罹患のマロンに御注意を!

平成12年2月11日アップ

今年に入ってから出回っているブルーマロンに関して、一部、かなり重篤なバーンスポットに罹患している個体がいる模様だ。ルートに関しては公表できないが、尾扇及び各脚先端部、さらには頭胸甲にまで発生しているものもおり、該当する某ショップの店員さんによれば「入荷の段階で、すでにこうした状況だった」らしい。こうした場合、ショップのストック方法がやり玉にあげられることも多いが、同じルートで個体が入荷しているショップ数軒で同様の報告があることから、どうやら輸入または問屋ストックの段階で罹患したのではないかと推測される。
過去、マロンについては「輸入後の開梱が1日遅れただけで軒並みバーンスポットに罹ってしまい、ほとんど落ちてしまった」という問屋さんでの事例があり、輸出に携わるシッパーのストック方法によっても、輸入状態は大きく変わってしまうようである。輸入開始から5年以上が経過し、そろそろ「定番」として認知されてきてもいい種ではあるが、そういう意味では、未だに波の多い状況は変わっていないようだ。
特にマロンについては、一度バーンスポットが出てしまうと、初期段階のもの以外、立て直しが困難であることが多いので、購入にあたっては、充分な事前チェックをし、少しでもそうした傾向が見られる場合は、値段の高低に関わらず、控えた方が賢明であろう。



珍しい白ヒゲのアメリカザリガニ

平成12年1月1日アップ

平成12年元旦ということで、有力メンバーであるくいくい氏から寄せられた、おめでたい「紅白」のアメリカザリガニを御紹介したい。
   

この2枚の写真は、中部地方のある地域にだけ棲息しているアメリカザリガニの「白ヒゲ」個体のものである。御覧の通り、体色としては平凡なアメザリであるが、(特に第2)触角が完全に白変しており、非常に際だったコントラストを見せている。また、じっくり観察してみると、右側の写真にある通り、通常は赤い発色を見せる第1胸脚部のスパインに白色が強く浮き上がっており、非常に面白いものである。
詳しい状況については、今後の情報が待たれるところだが、この個体が捕獲された場所では、多くの個体にこうした特徴が認められるそうなので、1匹だけの「変異個体」というわけではなく、個体群として存在していると考えた方が妥当であろう。



間違いだった「毛ザリガニ」

平成11年11月15日アップ

数年前、ある雑誌に「ヘアリー・クレイフィッシュ」と紹介されて以来、キーパー間ではずっとそのように信じられてきたスモールシドニー・クレイフィッシュ(Euastacus australasiensis)だが、この秋、CCJ西村氏の御尽力で輸入された書籍によって、それが誤りであることが明らかになった。
この書籍「FRESHWATER CRAYFISHES OF NEW SOUTH WALES」によると、スモールシドニーには、別に「オーストラリアン・クレイフィッシュ」というコモンネームがあてがわれており、ヘアリー・クレイフィッシュとしては、Euastacus hirsutusが指されていた。確かに、学名的にもそれで間違いなく、掲載されている写真を見ても、こちらの種には非常にハッキリとした毛の存在が確認できる。また「ニューヘアリー・クレイフィッシュ」として、Euastacus neohirsutusという種も紹介されていた(写真の掲載はなし)。
考えてみれば、スモールシドニーの場合、ユーアスタクス属特有の棘こそ発達していないものの「毛」と命名できるほどの発毛はないわけで、いくら近縁種であったとしても、この種を「ヘアリー」であるとするには、確かに無理なものがあったといえよう。
観賞魚業界で、こういうケースが発生すると、往々にして「これを書いた人の見識を批判して一件落着」という流れになるのが普通だが、むしろ、それを鵜呑みにして再検証すらできなかった我々キーパーの稚拙さこそを問題視すべきであり、ますます謙虚に、かつ地道に知識や技量を向上させて行く必要がある・・・ということを物語っている一例ではないかと思う。



オマール? それとも・・・

平成11年8月25日アップ

夏休みの海外留学でイギリスを訪れたMさんより、面白い写真が届けられたので御紹介したい。
   

この2枚の写真は、イギリス南部にある「Sea Life Center In Brighton」という水族館で撮影されたもので、いずれも同じ個体を写したものであるという。この個体に関する説明は何もなされていなかったそうで、体長は約20センチ程度であった・・・とのこと。Sea Life Centerという水族館の名称から考えれば、オマールエビである公算も大きいが、Mさんによれば「淡水の水槽であったかも知れない」ということで、今回、写真を譲り受けた。ヤビーに似た体色は、オマールであったとしても、非常に珍しいものであり、もしそうでないとすれば、興味は尽きないところだ。 なお、ヨーロッパ各国の中でもザリガニ在来種への保護気運が高いとされるイギリスだが、ごく一般の家庭において見る限り、「ザリガニ? 1種類でしょ?」的な認識であることが多いらしい。やっぱり、ザリガニという生物は、どこへ行ってもマイナー種なのであろうか・・・。



意外? アメリカにおけるザリガニ販売の実態

平成11年8月8日アップ

アメリカ・ニュージャージー州在住の井上さんより、写真とともに非常に興味深い情報をいただいたので、御紹介したいと思う。
この写真は、井上さんが現地の「Aquarium Warehouse」という、比較的大きなショップで購入した個体で、形状などから判断して、我々のいう「フロリダ・ブルー」であろうことは間違いない。もともと、この種はアメリカ東海岸地方が原産(というよりも固定)となっているので、この種が販売されていること自体は、特に不思議ではないといえる。
ところが、問題はその先で、このザリガニが「ブルーロブスター」という名前で、「汽水用スカベンジャー」扱いされていた・・・ということだ。井上さんのお話によれば、もともと、汽水フグを購入するためにこのショップに入ったのだが、食べ残しの処理も考えて、店員さんに「汽水でも耐えられるものはいないか?」と聞いたところ、わざわざこのザリを紹介された・・・ということ。店員さんはハッキリと「このザリガニは汽水が好きだし、水槽でも映えるからいいのではないか?」と言って薦めてきたそうである。井上さんは、このザリを13ドルで購入し、さっそく汽水水槽にてフグと混泳させたが、海水濃度を上げるに従い、徐々に個体のコンディションが悪化してきたため、当ホームページにいらして下さった・・・という次第。
この「Aquarium Warehouse」というショップは、淡水魚・海水魚合わせて200本以上の水槽を有するショップだそうで、それなりの規模であると考えられる。にも関わらず、日本と同じ「ブルーロブスター」という名目で扱われ、しかも「汽水が好き」などというトンチンカンなアドバイスをされながら売られていたとすると、本場であるはずのアメリカでも、実情は日本とほとんど変わりないのではないか? というような感じもする(ちょっとだけホッとしましたよね!)。また、今回、アメリカでも「ロブスター」という名前が使われていることがわかったことで、この「ロブスター」という名称が、日本への輸入のために使われているとは限らない可能性が出てきたといえよう。
今回の件で、井上さんに詳しい調査をお願いしたところ、快くお引き受け下さり、近日中にニューヨークのペットショップ巡りをするので、何か新しいことがわかれば、お知らせ下さるそうだ。我々では知ることのできない海外の観賞用ザリガニ事情。今後の新しい情報に注目したい。

(続報は、入り次第アップロードいたします)



「インターネットASCII」で当ホームページが紹介

平成11年8月1日アップ

アスキーのインターネット情報誌「インターネットASCII」9月号で、当ホームページが取り上げられた。「ここなら何でもわかる、執念のサイト」みたいな書き方をしていただいて、うれしいやら恥ずかしいやら。中身が拙いのは、作者が一番知ってるのに・・・。



販売名「黒ザリガニ」に関する情報

平成11年7月22日アップ

最近、一部ショップで「黒ザリガニ」という名称の小型ザリガニが販売されており、種をめぐってキーパー間でも多少の混乱があるようなので触れておきたい。
この「黒ザリガニ」については、扱っている数軒のショップで実際の個体を確認してみたが、そのすべてがレッドクロウであった。レッドクロウについては、つい数カ月前にも「新種の黒いザリガニ」ということで話が出てきており、今回の個体も、その流れを汲むものであろうと考えている。これらの個体は、確かに同サイズのレッドクロウよりも黒みがかっているが、すでに頭胸甲下部にはレッドクロウ特有の体色を発現させてきているため、将来的に見て黒い体色が残るかどうかについては、かなり懐疑的であろう。
元来「黒ザリガニ(黒ヤビー)」といわれてきた種については、「ニュージェットブラック」という名称を使われることが多く、サイズ的に見ても、5センチ未満の個体はほとんど入ってきておらず、両者の体型も全然違っていることから、判別はさほど難しいものではないと思われる。
なお、一部のショップでは、今回出回っている黒ザリガニを「アメリカザリガニの黒化個体である」と説明している場合もあるが、当然ながら別種であり、アメザリとの繁殖はもちろん、混育も不可能であることを付け加えておきたい。



北米産ザリが断続的に流通

平成11年6月24日アップ

いずれも同じルートによるプライベート便であるが、昨年より、北米産のザリが断続的に流通している。これらのザリは、そのほとんどが「学名不詳」という形をとり、主に採取水系の名を冠して売り出されているが、すでに御承知の通り、北米地区には優に100種を越えるザリガニがおり、また、体色についても、同じ種類で地域ごとに様々なバリエーションが存在するため、種の同定には、かなりの時間がかかりそうだ。
なお、アメリカ産ザリについては、概して「飼育は簡単」とされることが多く、事実、アメザリなみの強健種も多く棲息している。しかし、実際には、かなりセンシティブな種もあり、その繁殖能力の弱さから、現地でも養殖事業に用いられない種も少なくない(実際、養殖事業が軌道に乗っている現地棲息種は数種のみ。わざわざレッドクロウなどを持ち込んで養殖している企業もある)。また、輸入個体数も極めて少数のため、累代繁殖まで考えると、かなり難しい面があるのも事実で、今後の動向が注目されるところだ。



タンカイザリガニの完全繁殖に成功!

平成11年6月7日アップ

新潟の小宮山さんが、このほどJCCで初めて、タンカイザリガニの完全繁殖に成功した。タンカイ・ウチダザリガニについては、秋産卵・翌春孵化ということで、抱卵期間中のケアが大変難しく、なかなか孵化までたどり着けないのが実情で、事実、巷のショップなどで数多く語られる孵化事例も、大半が持ち腹繁殖(すでに抱卵している個体を孵化させたもの)であるが、今回は、JCCタンカイ班(?)のくいくい、志田各氏との絶妙な連携により、初めて交尾・産卵から繁殖までの「完全繁殖」に成功したもの。
タンカイザリガニについては、その棲息域拡大を続けるウチダザリガニとは大きく異なり、個体減少が極めて深刻な状態である。また、この背景には、環境悪化やブラックバスなどの食害に加え、観賞魚業者や心ないアクアリストなどによる乱獲もあるとされており、こうした中、個体再生産のメドが立ったことは、タンカイ保護の面からも非常に意義あることであるといえよう。

(続報は、入り次第アップロードいたします)



レッドクロウの新バリエーション?

平成11年5月21日アップ

くいくい氏からの情報によると、最近、一部のショップで「ニューギニア産ザリ」という名前で、レッドクロウの新バリエーションと思われるザリガニが販売されているらしい。このザリは、従来のレッドクロウと比較して、多少赤みがかった色合いであったり、あるいはかなり黒っぽい色合いであったりするなど、様々ではあるが、レッドクロウ自体、他種と比較して体色の個体差が大きいことや、以前もこのページで取り上げた通り、最近はタイなどの東南アジア諸国でも、レッドクロウの養殖が行われているらしく、そういう意味では、この個体がレッドクロウである公算は大きいであろうと考えられる。
ただ、オーストラリアに近いニューギニアの一部地域では、レッドクロウに酷似したザリガニが棲息しており、輸入ルートから考えると、その可能性も捨てきれない。いずれにしても、昨今、食用種としてのレッドクロウ需要は高まる一方で、アメザリに代わる新たな養殖種として、導入する養殖施設も増えてきており、観賞ルートでも、乗り換えという形で、こうした「考えにくい地域」からのレッドクロウ輸入も増えて行くものと思われる。今後の詳しい調査が待たれるところだ。



春の繁殖シーズン到来!

平成11年5月5日アップ

今年も、桜の開花とともに、早くも「春の繁殖シーズン」がやってきた。昨年は今一歩のところで成功できなかったマロンの繁殖が、今年も最大の注目ポイントとなりそうだが、産卵までの段階ではすでに何件もの事例が出ているので、あとは抱卵から孵化での「詰め作業」がポイントとなろうか? これには、M会長始め複数のキーパーがチャレンジしているので、今年度、どういう成果を得られるか、期待したいところだ。
一方、昨年秋に問題が一気に表面化した、白ザリ春仔の弱化個体については、今年も特に大きな動きがなく、新たな血統も開拓されていないことから、今年はさらに深刻になってくるのではないか・・・ということが懸念されている。これについては、もはやこうした業者系ブリーダーによる自浄が不可能になっている状態なので、キーパーが所有している個体による、積極的な「掛け戻し作業」が必要になってこよう。佐倉でも、今年はレッドクロウに代わり、白ザリを繁殖ラインナップに加え、進めて行きたいと考えている。
このほか、佐倉で維持してきたヨーロピアン・ブルーの純系繁殖についてだが、個体の輸入が止まってから4年近くたち、そろそろ純系のままの繁殖では無理の出そうな状況となってきている。現段階では弱化個体こそ出ていないものの、この春の繁殖結果次第では、全面的なブルー系との交配を進めて行かなければならないだろうと考えている。



「Cray ON!」 今回の特集は、ズバリ「毒」!

平成11年4月22日アップ

今回の機関誌「Cray ON!」は、初の試みとして、ザリガニにとって危険な「有害成分」について、異なる視点から2本のレポートを取り上げた。連休中までには各メンバーへの発送を完了できるよう、現在鋭意作成中! レポート内容に沿った写真が見つからなかったため、今回は、久しぶりの「文字だけ」版となるが、その分は内容で勝負! どうぞお楽しみに!


 なお、今号において平成10年度の機関誌発行が終了となりますので、機関誌とともに、新年度更新についてのお知らせが入っております。若干のシステム変更がございますので、ぜひとも御確認の上、お手続き下さい。



タイで養殖されていたのは、レッドクロウだった!?

平成11年4月8日アップ

吉富さんより、衝撃の続報が入ったのでお伝えしたい。
シンガポールに入ってくるといわれるタイ産のザリガニについて、日本へのシンガポール便輸入状況から、国内でも「ザリガニではなく、オニテナガエビではないか?」という説があったが、このほど吉富さんが、この個体の写真撮影に成功し、お送り下さった。
その写真がこれであるが、大方の予想を(いい意味で)裏切る結果に・・・。そう、この写真で見る限り、タイで生産されているとされるザリガニは、レッドクロウである可能性が極めて高いのだ。この種は、その棲息環境から高温に対する耐性・適応能力が極めて高く、タイで養殖するとしても、何ら支障のない種である。また、アメザリと比較して大型化すること、食用としての利用価値が高いこと、養殖がアメザリ並みの容易さであることなどから、昨今、アメリカ合衆国南部や中米諸国で、この種の養殖事業が活発化してきており、この流れと同じ現象が、タイでも起き得ていると考える・・・と考えても、何ら不思議ではあるまい。
問題は、体色・体型の極めて似通った近縁種である可能性・・・であるが、これについては、事実、レッドクロウに似た体色・体型のザリガニが少なからず存在するので、吉富さんの御協力を仰ぎながら、今後も調査を続けて行きたいと考えている。また、肝心の「日本への輸入ルート」であるが、最近になって、一部ショップに「カリマンタンブルー・ロブスター」というインボイスで、シンガポール産のザリガニが入ってきており、これがレッドクロウに酷似していることから、もしかしたら、この個体と何らかの関連はあるのではなかろうか。
さらに、吉富さんからの情報では、これ以外にも、アメリカ産を中心に何種類かのザリガニがシンガポールへ入っているらしいので、これについても注目したいところだ。

(続報は、入り次第アップロードいたします)



マダガスカレンシス種の公算が・・・

平成11年3月28日アップ

昨年初頭に輸入され、大きな話題を呼んだマダガスカル産ザリガニであるが、西村氏の地道な調査により、輸入された個体はマダガスカレンシス種Astacoides madagascarensisである公算が高くなった。
それによると、現在マダガスカルには、パラスタシダエ科アスタコイデス属のザリガニが合計6種棲息しており、そのうちの1種、マダガスカレンシス種のみ、胸脚部腕節の棘有無に違いがあるとのことで、今回の写真から見た判断となった模様。マダガスカルのザリガニについては、一部ルートで「1種しか棲息していない」という情報が流れていたが、学術上で広く支持されている情報から考えてみる限り、それは誤報であったようだ。
残りの種については、前回も輸入されなかった上、この種についても、現在は完全に輸入が止まったままの状態が続いている。飼育についても、決して容易ではなく、大半のキーパーが長期飼育に失敗していただけに、もし、再輸入されるようなことがあれば、より慎重な研究と、飼育技術の確立・準備が必要となってこよう。
なお、これについての詳細は、CCJ発行の機関誌「Snip!」次号(6月発行予定)にてお知らせする予定。乞う御期待!



あの「まっかちんガイド」が、まだ入手できる!

平成11年3月24日アップ

1995年に発行された、小冊子「まっかちんガイド」を、まだ入手できることが判明した。
この冊子は、当時「アクアライフ」誌で短期連載された「まっかちんガイド」の別版で、全国の学校や水族館向けに作られたもの。このため、発刊時に一部のペットショップに出た以外、書店などでは販売されなかったものである。
内容は、内山りゅう氏が撮影された、日本国内に棲息するザリガニ各種の紹介写真、捕食・交尾・繁殖写真など(カラーで掲載されている)のほか、ザリガニの生態に関する記事を、国立科学博物館動物研究部長で、甲殻類研究の権威である武田正倫先生、採集・飼育方法に関する記事をJCNの砂川が担当している。記事は、いずれも「アクアライフ」誌の短期連載「まっかちんガイド」とは別に、この冊子のために書き下ろされたもの。
砂川の記事内容については稚拙で、今となっては特に得るものもないが、武田先生が書かれた記事については、簡潔でありながらも極めて細かく、重要な諸項目について触れられており、ザリを本格的に飼育して行く上では、ぜひとも知っておきたいものであるといえよう。武田先生の記事を読むだけでも「勉強」になる1冊だ(ついでに、砂川の「アラ探し」をするのも勉強?になりマス)。
この冊子は、A4版16ページで構成されており、価格は1冊375円。限定の小冊子であるため、書店などでは購入できないが、在庫のある限りは、購入が可能・・・とのこと。ただし、出版元からは、1回につき10冊単位での販売ということになるため、現在、各メンバーが1冊ずつ購入できる方法を検討中。決定し次第、改めて取り上げたい。



「タイ」のザリガニ!?

平成11年3月7日アップ

シンガポール在住の吉富さんより、現地のザリガニ輸出に関する続報が入ったのでお知らせしたい。
シンガポールから日本向けにザリガニの輸出が行われていたことは、ほぼ事実である模様で、それに携わるストック場を発見。御主人よりお話を伺うことができた(右の写真は、そのストック場の内部)。それによると、ザリガニは、アメリカなどから輸入したものを再輸出するという形をとっており、複数種がコンスタントに行われているとのこと。また、タイから入ってくるザリガニもいて、これも日本に向けて出されている・・・とのことであった。これで、少なくともアメリカ系ルートの一つは判明したことになり、あとは「アメリカ産のうち、どの種がこのルートに乗っているのか?」ということが興味の対象となろう。
ただ、タイ産のザリガニ・・・というのは、現在までのところ情報がなく、日本に輸入された形跡も見当たらないことから、これはザリガニでなく「オニテナガエビ」を指すのではないか・・・という見方もできる。事実、情報を下さっている吉富さん御自身が、その個体を確認されていない上に、このルート(シンガポール便)では、「アジアンブルー・ロブスター」のインボイスで、定期的にオニテナガエビが入ってきており、この部分も興味深いところだ。
今回、このストック場にはザリガニが残っていなかったため、写真撮影ができず、アメリカ産・タイ産ともに種を特定するまでには至らなかったが、幸いなことに、吉富さんの方で、情報が入り次第、随時レポートを下さるとのこと。今後の展開から目を離せなくなってきた。

(続報は、入り次第アップロードいたします)



シンガポールでも観賞用のザリガニが販売されていた!

平成11年2月12日アップ

シンガポール在住の吉富さんよりいただいた情報によると、現地シンガポールでも、熱帯魚ショップでザリガニが扱われている(当然、観賞用として!)ことがわかった。
左の写真は、現在、シンガポールにて吉富さんが飼育されている個体だが、このザリは、現地の熱帯魚ショップで購入したもので、「プロウン」(要するに「エビ」)という名称で扱われていたものである。体長は10センチ弱、価格は4シンガポールドル(日本円で270円程度)であるとのこと。姿格好だけで見て行けば、かなりの高い確率でレッドクロウであろうと思われるが、オーストラリア北部からニューギニア地域にかけては、体形的にもレッドクロウに似たザリも相当いるであろうから、現段階での安易な断定は危険であろう。
ショップでも、一般的な熱帯魚と比較して、扱われる規模としては決して大きくなく、使用水槽もせいぜい1本だそうだが、その種類は入荷時によって異なり、通常の熱帯魚水槽と同等の恵まれた水槽に収容されるケースが多いとのこと。また、頻繁に入荷し、個体の回転も早いそうだ(となると、キーパーの数も多い?)。
日本にも、数年前、「シンガポール便である」といわれるレッドクロウが数回に渡り入ってきたことがあったが、もし、この個体が本当にレッドクロウであれば、それがおかしなことではなかったことを裏付ける情報であることになる。

(続報は、入り次第アップロードいたします)



女性誌「CREA」で当ホームページが紹介

平成10年12月10日アップ

文芸春秋社の女性誌「CREA」で、当ホームページが取り上げられた。女優の紺野美沙子さん御推薦・・・ということで。ありがたいことです。



今年も冬の日淡シーズン到来!

平成10年12月10日アップ

冬の到来とともに、今年も日本産ザリガニが市場を賑わし始める時期となった。関東圏での動きを見てみると、今年は、タンカイザリガニと比較して、ウチダザリガニとニホンザリガニの流通量が多いようで、価格帯は昨年並み。個体数激減が懸念されるタンカイにとってはありがたい話だが、同じ状況のニホンザリガニにとっては、よい話であるとは言いがたい。ニホンザリガニは、基本的に水質・水温に対する要求度が高い種であり、相当大規模な水質浄化システムと、完全な温度管理システムがなければ、順調な飼育は困難な種である。この種を取り巻く危機的状況からしても、生半可なシステムでの飼育は避けるべきであろう。



テレビで当ホームページが紹介・・・?

平成10年12月6日アップ

12月29日に放映された、「発掘・あるある大事典」で、当ホームページが取り上げられた・・・らしい。制作者は、当日の異様なアクセス数を見て、初めて「何かあったか?」と気づいた始末。
 ビデオ録画をされている方、いらっしゃいましたら貸して下さい!



「Cray ON!」 今回の特集は冷水棲ザリ3種レポート

平成10年11月22日アップ

今回の機関誌「Cray ON!」は、メンバーから寄せられたレポートの中から、ニホンザリガニ、タンカイザリガニ、そしてブルーマロンの「冷水棲ザリ3種」を取り上げ、11月末ごろまでには発送できるよう、現在鋭意作成中。日ザリについては棲息地の状況、タンカイについてはケージを用いた飼育システム、マロンについては最近気になる障害について、それぞれ写真やイラストを交えて紹介予定。なお、当初予定していたアメザリの記事については、もう少し練り直す必要があるため、次号以降に繰り延べて掲載することとなった。



国産個体購入についての注意

平成10年10月23日アップ

秋の便りとともに、今年も市場には、今年の春仔が出回り始めているが、寄せられている情報によると、前回にも増して、連続近親交配によると思われる劣化・奇形個体が多いとのことで、注意が必要になっている。その傾向が特に顕著なのが白ザリガニで、青ザリガニやヤビーなどでも、そういった情報は入っている。こうした個体は、飼育の如何に関わらず、突然死や脱皮障害などが発生しやすく、繁殖も上手く行かないことが多い。当ホームページでも、現在、そうした個体の判別法や購入のポイントに関する項目を作成中。



夏のイベント開かれる

平成10年8月11日アップ

JCCグループ恒例のイベントが、去る8月9日(日)に実施された。場所は神奈川県相模原市の「相模川ふれあい科学館」で、餌質によるアメリカザリガニの体色変化について、実際に研究に携わった先生よりお話をうかがい、個体を見学。実り多い一日となった。



夏のイベント参加受付開始!

平成10年7月16日アップ

JCCグループ恒例のイベントを、今年度も開催することとなり、現在、参加申し込みを受付中! 期日は8月9日(日)で、場所は神奈川県(関東初開催!)相模原市の「相模川ふれあい科学館」。現在、当ホームページにて御案内の特別ページを公開中!



雑誌「1年の科学」で当ホームページが紹介

平成10年7月5日アップ

学研の小学1年生向け雑誌「1年の科学」8月号(7月発売)で、当ホームページが取り上げられることになった。夏の自由研究の情報源に・・・という意図? とにかく、当ホームページ初のメディア・デビュー!



今年度もイベント実施!

平成10年6月28日アップ

JCCグループ(CCJ・JCN)合同イベントが、この夏も実施されることとなった。現在、詳しい日程及び場所について最終調整中。決定次第、郵送にてメンバー全員にお知らせする予定。
なお、JCNの新機関誌が無事発行。既報通り、今回はマロンとタンカイをメインに組んでいる。次号はCCJの担当で、9月上旬に発行の予定。

機関誌につきましては、6月23日付で発送を完了しておりますので、既にお手元に届いているかと思われますが、未着の場合はメールにてお知らせ下さい。また、今回、シールの不手際で、一部メンバーの宛名が不完全でありましたこと、心よりお詫び申し上げます。



7月発売のFM誌で、久しぶりのザリ特集

平成10年6月15日アップ

 FM誌では、本当に久しぶりとなるが、7月13日発売の8月号で、ザリガニの小特集が組まれることとなった。ザリガニ各種紹介のほか、アメザリやヤビーの飼育法、輸入状況などについて触れられる模様。執筆者については・・・ぜひ、お求めの上で確認されたし! この人の文章なら、安心して読めます!

なお、機関誌「Cray ON!」につきましては、6月下旬にはお届けできるよう、現在原稿の最終調整中! 申し訳ございませんが、もう少々お待ち下さい。



JCN発行分の新機関誌名「Cray ON!」に決定! 鋭意制作中!

平成10年5月25日アップ

 平成10年度のJCCグループは、機関誌を年3回ずつCCJとJCNで交互発行して行くこととなっているが、JCNの機関誌名が「Cray ON!」となった。これは、当初予定していた名前「C Raizer」が、ことのほか不評だったため、このホームページの名称を、そのまま流用することになったもの。
 なお、今回は新会長・松永氏のマロン飼育と、杭全氏の淡海湖フィールド・レポートのダブル特集で、6月中旬ごろまでにはCCJ・JCN各メンバーにお送りできるよう、 現在、鋭意制作中!



またまたアメリカ産ザリ2種輸入!

平成10年5月6日アップ

 昨秋のオルコネクティス属ザリに続き、同じプライベート・ルートで、アメリカ産のザリ2種類が日本に入ってきた。ノースカロライナ州とサウスカロライナ州でそれぞれ採取されたというもので、ぱっと見た感じでは、キャンバルス属のザリに酷似しているという情報もあり、現在調査中。



いよいよ10年度春繁殖始まる!

平成10年5月4日アップ

 5月に入り、春繁殖の始まる季節。JCNにも、ちらほらと情報が入り始めている。特に、昨年問題になったアメザリ白個体の弱化については、多くのキーパーが昨秋の時点で掛け戻し交配に着手。今秋ないしは来春の繁殖をメドに、再度血の薄い白個体作出へと取り組んでおり、今春の繁殖も、そうした関連の事例が多い。なお、佐倉については、ヤビー、レッドクロウ以外の繁殖予定は立っていない。



マダガスカル産ザリのその後

平成10年4月13日アップ

 機関誌前号メインで取り上げたマダガスカル産ザリについて、西村さんより新たな情報が入った。 前号で提示した種数「7」は、どうやら「6」らしいとのこと。また、その後の調査で、マダガスカレンシス・グループの中に、酷似したザリを発見。現在裏付けを急いでいる。