ここでは、最新のザリガニ情報や関連研究情報などを(不定期ですが)お知らせしております。一部、CEJ会員向けのものもありますが、お問い合わせなどは、お気軽にどうぞ!
なお、平成14年6月以前の記事につきましては、
別ページに移してあります。 こちら を御覧下さい。
第6回”Zari-1 Grand Prix”世界ザリガニ釣り選手権大会が、今年も8月19日(日)に裏磐梯で開催!
平成30年7月20日アップ
2011年に”裏磐梯ウチダザリガニ祭り”として始まり、2013年からは世界大会として”Zari-1 Grand Prix”と名称が変わった世界ザリガニ釣り選手権大会が、今年も裏磐梯で8月19日に開催されることとなり、現地観光協会で告知と募集が始まった。
”世界一のザリガニ釣り師”という称号を目指して、毎年、全国津々浦々からたくさんの猛者が集まるこの大会だが、多くのご要望にお応えする形で、今年からは募集定員も増加! より白熱した大会となるだろう。この大会恒例の”サドンデスタイム”はもちろん、試合後のザリ料理などといったイベントも盛りだくさんで、楽しみながらウチダザリガニを知り、考えるためには最高の企画となっている。
イベントの詳細やお問い合わせ、お申し込みは裏磐梯観光協会ホームページ内にある特設ページを参照されたい。
6月16日、須磨海浜水族園でザリガニをテーマにした「サイエンスカフェ」が開催!
平成30年6月2日アップ
神戸市にある、市立須磨海浜水族園で、来たる6月16日にザリガニをメインテーマに据えたサイエンスカフェ”アメリカザリガニ‐愛らしいけれど憎らしい田んぼの生きもの‐”が開催されることとなった。
今回、講師を担当するのは、JCCのメンバーたちにとっては古くからの仲間であり、今や日本を代表するザリガニ類研究者の1人でもある、岡山大学大学院環境生命科学研究科准教授の中田和義先生。北海道に生まれ、ニホンザリガニと向き合いながら育った先生は、ザリガニに関し極めて深い造詣を有しているので、様々な観点から、アメリカザリガニに関する現状と今後の展望を語ってくれることだろう。日ごろ、自分の水槽だけを眺めてザリガニを語っている諸君にも、ぜひ、こうした機会に参加して様々な知見を得るとともに、積極的に先生と語り合い、質問をぶつけ、その視野を広げて欲しいものだ。
イベントの詳細は須磨海浜水族館ホームページ内にある特設ページを参照されたい。
アメリカザリガニをテーマにしたシンポジウムを10月に東京で開催!
平成29年10月1日アップ
前報のワークショップに引き続き、同日の午後に開催される日本甲殻類学会のサテライトシンポジウムの告知ポスター配布が始まったので掲載したい。
こちらは午前中のワークショップとは異なり、テーマをアメリカザリガニに据えた上で、現在の日本におけるアメザリの様々な問題点や課題などにつき、専門的な知見から発表、討議される貴重な機会だ。駆除や防除という点はもちろんのこと、基本的な生態から病気などに至るまで、普段ではなかなか知ることのできない最新の学術情報にも触れることができる。ワークショップとは異なり、事前申し込みは不要、参加費も無料なので、ぜひご参加を!
ニホンザリガニをテーマにしたワークショップを10月に東京で開催!
平成29年9月9日アップ
「東京のド真ん中でニホンザリガニと出会い、そして語ろう!」というテーマで、この10月、東京都墨田区にてワークショップが開催される。元々は、同日に開催される、日本甲殻類学会のサテライトシンポジウムの補完企画として立ち上がったものであるが、「どうせやるなら、もっと楽しく、もっと凝ったものを!」ということで、学会の行事から独立させて実施されることになったイベントだ。
集合は東京スカイツリーの真下・・・ということで、会場や内容はある程度予想もつきそうな気がする(苦笑)が、それについてはあくまで”当日発表”ということで・・・ナイショ! メインとなるニホンザリガニについてもレクチャーや細かい質疑応答などが行なえるほか、フツーでは絶対に体験できない超貴重な体験プログラムも実施予定! ザリガニ好きのみならず、生き物に興味があるすべての方々にとって有意義なひと時となろう。募集定員は20名程度。詳細は下記の告知を参照されたい。
芸能界一のザリ王、村上幸平さんが「ザリガニのうた」CDを発売!
平成29年2月7日アップ
芸能界で随一のザリガニ愛好家として知られ、裏磐梯ウチダザリガニ大使も務められている俳優の村上幸平さんが、2月5日、初のCD「ザリガニのうた」をリリースした。
この曲は、作詞を村上さんご自身、作曲は、村上さんも出演された仮面ライダー555のテーマ曲を手掛けられた佐藤和豊氏によるもので、子どもたちも口ずさめるメロディーに、村上さんのザリガニに対する想いを乗せた一曲である。また、カップリング曲として、アップテンポの「チョッキン・ロッキン・ザリキング」も収録! 早くも、発売初日にアマゾンCD売り上げランキング1位を獲得したほどであり、村上幸平ファンのみならず、ザリガニファンにとっても聴き逃せないCDといえよう。
詳細は村上幸平さんのオフィシャルブログ
http://blog.koheimurakami.com/?eid=1959
にてチェックできる。また、価格は1枚1200円で、アマゾンで購入できるので、ぜひ!
裏磐梯での宿泊に補助!「裏磐梯ハッピートラベルチケット」発売!
平成26年6月21日アップ
首都圏から手軽に訪れることのできるウチダザリガニの棲息地である福島県の裏磐梯で、今年度、宿泊施設が大幅割引となる「裏磐梯ハッピートラベルチケット」が発売となった。
これは、裏磐梯をかかえる北塩原村が村制施行60周年を記念して行なうもので、全国のコンビニを通じ、2万枚限定で発売されることになったもの。1枚1250円だが、規定の方法で指定の宿泊施設に持って行くと、2500円分の金券として利用できるので、家族4名であれば、ナント5000円分が補助される計算となる。補助券の使用できる宿泊施設は、裏磐梯エリア内にあるホテル、旅館、ペンション、民宿、貸別荘など60以上の豊富な施設から自由に選ぶことができるので、非常に使い勝手のよいチケットだ。発売は、第1期が6月15日から9月30日、第2期が11月1日から平成27年3月22日となっており、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートなど、全国の主要コンビニにあるチケット発売端末から購入することができる。お得なチケットをフルに活用して、この夏、家族揃って裏磐梯へウチダザリガニを見に行くのはいかがであろうか?
詳細は裏磐梯観光協会ホームページ内にある特設ページ
http://www.urabandai-inf.com/htt/index.html
をご覧いただくか、裏磐梯観光協会(0241-32-2349)までお問い合わせを!
マルキユーからザリガニ釣り専用餌「ザリゲッチュ」発売
平成25年5月27日アップ
釣り餌の国内トップメーカーであるマルキユー株式会社より、この春、なんとザリガニ釣り専用に開発された釣り餌「ザリゲッチュ」が発売された。
ザリガニ釣りに使う餌といえば、やはりスルメや煮干し(・・・と、現地調達するカエルやザリの剥き身)が定番だが、少しでも手軽に、少しでも身近なものとしてザリ釣りを楽しんでもらいたいということで、数々の釣り餌を開発してきたノウハウを結集させ、天然素材と食品素材のみを用いながらも、より誘引力の高い、まさに「ザリ専用」の製品に仕上がっている。
さらに、釣り場の自然環境保全に配慮し、素材には生分解性原料を採用。都市近郊の親水公園などでも、ザリガニ釣りという行為が周囲の人々から嫌がられなくなることが期待されよう。袋の中には餌以外にも、タコ糸や餌を止めるクリップなども封入されているので、この商品さえ購入すれば、そのままザリ釣りが楽しめるはずだ。現地でちょっとした木の枝でも見つければ、さらに「釣り気分」を味わうこともできよう。今まで「子どもの遊び」でしかなかったザリ釣りに対し、誰もが認める釣り餌のトップメーカーであるマルキユーが専用商品を開発してくれたことは、ザリガニを愛する人間として、喜びと感謝の気持ちでいっぱいになるはずだ。
定価はオープン。夏場に向けて、徐々に出荷量も増えてくるとのお話だったので、使ってみたい方は、ぜひ全国の釣具店またはホームセンター釣具売場などでご購入いただきたい。
誠文堂新光社版「ザリガニ飼育ノート」好評発売中
平成25年4月20日アップ
昨今のザリガニ飼育ブームの再燃を受けてか、今年2冊目になる単行本「ザリガニ飼育ノート」が、去る4月15日、誠文堂新光社より刊行された。
執筆は、日本淡水開発社長の下釜豊久氏、写真は「フィッシュマガジン」誌などを中心に活躍されている佐々木浩之氏のタッグによる一冊だ。20年以上に渡る観賞魚業界歴を持ち、国内初のザリガニ専用飼料を発売したメーカーとしての実績を持つ下釜氏が、専業のトリコ(採集業者)さんやプロのブリーダーなど、長年に渡って築き上げた確かな人脈をフルに駆使し「見た感じ」ではない確かな情報をプロの視点で集めており、それを初・中級者でも充分に楽しめるよう平易なアプローチで執筆されている。写真も、佐々木氏ならではのダイナミックで繊細なものがふんだんに使われており、まさに「これから本気でザリガニに向き合ってみたい」「ネットなどにあふれる、ちょっと不完全で心配な情報をキチンと理解し直したい」というような方々にとって最高の一冊であろうと思う。
飼育情報というと、ともすると「自分の経験」「目の前で起こったこと」だけで情報を構築し、それに断片的な知識などを加えることによって1つの「真実」に昇華させてしまう傾向が往々にして起こりがちだが、下釜氏を扇の要に、採集から流通、飼育まで、それぞれのプロによる確かな経験と情報が結集された意義は大きく、ザリガニに向き合うキーパーにとっても、今までの「安易な真実」に一石を投じ、自らの飼育を根本から見つめ直すことのできる一冊となるはずだ。本のコンセプト自体は、あくまで初・中級者向けということではあるが、何年か飼育を経験し、それなりに「知ったつもり」になっているキーパー諸氏にとっても、自らを省みるために極めて有効な情報源にもなろう。
A5判合計96頁で、定価税込み1470円(本体価格1400円)。誠文堂新光社発行となっている。読んでみたい方は、ぜひ書店または書籍取り扱いペットショップでご注文を!
月刊「アクアライフ」でアメザリの小特集
平成25年3月16日アップ
平成25年3月11日発売の月刊「アクアライフ」4月号にて、約1年ぶりとなるアメリカザリガニの小特集記事が掲載されている。
昨年の5月号では「フェイデッド系アメリカザリガニの魅力」ということで、主に白化系白ヒゲ個体と、その他のフェイド(褪色)系個体を中心に取り上げたが、今回は「アメザリのカラバリ」という小特集名で、もう少し一般的な体色変異個体に裾野を広げ、ザリガニに興味がなかったアクアリストに対しても興味を持ってもらえる記事構成となった。
勘ドコロのいい方々であれば気づかれていることと思うが、昨年秋以降、観賞魚の世界のみならず、ザリガニという生き物に対する様々な動きが活発化しており、その傾向は今年になって、ピーシーズ刊の単行本が発売されたり、こうして小特集が組まれたりなど、さらに高まる様相を呈してきている。様々な事情もあって、現段階ではここで公開できない情報もあるが、これには第3弾、第4弾ともいうべき「大きな動き」も控えており、こうした流れはもうしばらく続きそうだ。
なお、今回に関しては、担当編集の方と相談の上、飼育のセッティングについても支障ない範囲内で少々突っ込んだ部分についても触れさせていただいた。とりあえずは「これからザリガニ飼育に取り組もうと考えているアクアリスト向け」というコンセプトで執筆しているものの、しっかりと読み込むと、意外な部分が見えてくる「仕掛け」もしてあるので、ベテランのアクアリストも、ぜひじっくりと記事に目を通していただければ「あっ!」と思う内容も含まれているはずだ。飼育の方法や考え方に関しては、取り組む人間ごとの「正解」があり、それは決して否定すべきものではないが、それが排他的なものになったり狭視野化されたものになったりしては意味がないことでもあろう。記事内容に対する批判的な考えが「単なる誹謗や嘲笑」になるのではなく「具体的な指摘を伴う議論の対象」となるのであれば、とても素晴らしいことであるはずだ。だから、もし「何だこの記事! ダッセぇ〜!」と思われた方や、そういう声を聞いた方には、ぜひ「どこの部分が、どういう理由で、どのようにおかしい」という部分を、ぜひ詳らかにしていただければ幸いである。ただのコレクターなら気づかないにしても、この記事、よぉ〜く読み込むと、本当にザリガニが好きな方なら、本当に面白くて興味深いことが書いてありますよん! いやマジで(笑)。
ピーシーズ版「アメリカザリガニ」好評発売中
平成25年2月13日アップ
紹介が少し遅くなってしまったが、この1月末、ピーシーズより、エンジョイ・アクアリウム・シリーズの第6巻として「アメリカザリガニ」が刊行されている。
執筆は、ピーシーズ代表でもある森文俊氏。長年、観賞魚の世界に携わってきた森氏ならではの視点で、アメリカザリガニの生態からカラーバリエーション、飼育方法に至るまで網羅されており、カメラマン集団でもあるピーシーズならではの綺麗な写真とも相俟って、非常に読み応えのある一冊となっている。
特定外来生物指定以降、すっかり下火になってしまっていたザリガニ飼育という分野において、ザリガニの飼育に主眼をおいた単行本が久しぶりに発行されたという喜びと感謝はもちろんのことであるが、写真を眺めるのみならず、きちんと内容を読み込んで行くことで、様々なテーマに気づけるはずだ。そして、それらをじっくりと咀嚼し、しっかりと見つめながら考えて行くことで、自らの今後に活かして行くきっかけにできるであろうことは、今後もザリガニと向き合って行く上で、非常に意義あることだと思う。飼育談義やショップ情報だけに終始することも悪くはないが、ぜひとも一冊は手元に置いて、こうした活字媒体もきちんと読み込みながら栄養として行くことをお薦めしたい。
B5判合計64頁で、定価税込み800円(本体価格762円)。ピーシーズ発行となっている。読んでみたい方は、ぜひ書店または書籍取り扱いペットショップでご注文を!
今年も開催! 裏磐梯ザリガニ祭り2012
平成24年8月31日アップ
昨年、震災から立ち上がる福島をザリガニ愛好家の立場から応援する第2弾として、裏磐梯観光協会ならびに日本淡水開発とのコラボで開催した「裏磐梯ウチダザリガニ祭り」が、今年も"2012"の名称を冠して開催されることとなった。
震災後、様々な苦難から立ち上がりつつある福島県。原発事故の爪痕は、今でもあちこちで大きな痛みを残しているが、一歩一歩でもそれを乗り越え、前に進んで行けることは、本当に意義あることである。詳細は、下記ポスターをご参照の上、一人でも多くの皆様に、ぜひとも美しい裏磐梯の地へお越しいただきたいものだ。
月刊「アクアライフ」で色抜けアメザリを本邦初の特集記事化
平成24年4月11日アップ
本日(平成24年4月11日)発売の月刊「アクアライフ」5月号にて、久しぶりとなるアメリカザリガニの小特集記事が掲載されている。
これは「フェイデッド系アメリカザリガニの魅力」ということで、昨秋より一部のマニアの間で「ゴースト」という名称で話題となっていた白化系白ヒゲ個体と、その他のフェイド(褪色)系個体とを取り上げたものである。
特にフェイド系個体と白化個体については、今まで系統だってまとめられた情報源がなく、インターネットなどで局地的なデータが断片的に紹介される程度であったが、これらの個体に関しては、今まで一度も認知されたことのない個体であるという印象をお持ちの方も多いという話を聞いていたので、今回の記事執筆にあたり、昨年秋の段階で、山口編集長とも充分に話し合った上でたっぷりと時間をいただき、全国的な棲息状況確認などを行なった上で記事化した。個体の写真のみならず、実際の棲息地に関しても可能な限り写真で公開しており、これらを含めてこうした個体の系統だった情報源としては、これが初めての内容となるだろう。アメザリに興味のある方は、ぜひご一読いただきたい。
なお、誌上に掲載されている白化個体をはじめ、いくつかの個体の写真がイマイチ鮮やかでないのは、ひとえに撮影したカメラマンの腕が悪く、印刷ベースのインク状況と色再現性まで頭が回っていなかったから・・・(苦笑)なので、決して編集部の責任ではない。同じ個体の詳密な写真については、CEJのグループページ上ですでに公開されているので、ご興味がある場合は、そちらでも確認いただければ幸いである。
当サイト上においても、いずれはこれらのザリガニに関する情報も掲載する予定ではございますが、実際に記事化していない内容も含め、さらにきちんとした細かい内容を出して行くつもりでおります。このため、掲載までは今しばらくお時間をいただくこととなりそうですので、恐れ入りますが、当面は「アクアライフ」誌上での情報をご覧いただきますようお願い申し上げます。
香港でザリガニ専門ショップがオープン
平成24年3月18日アップ
特定外来生物指定以降、すっかり意気消沈している日本のザリガニ・シーンだが、海外、特にアジア諸国では非常に盛り上がっているようだ。今回、それを象徴するようなニュースが飛び込んできたので取り上げたい。
香港在住の友人、ジェファリー・ヨウ氏が、このほどザリガニ専門のショップをオープンさせることになり、来たる4月3日、オープニングイベントが開催されることになった。
ヨウ氏は、長年デザインの世界で活躍してきたが、今から4年ほど前にザリガニの魅力に目覚め、一気に没頭。ついにはデザイン関係も含めた専門ショップの開設にこぎ着けたそうである。ヤウ氏とは、ひょんなことから知り合い、様々な形でザリガニ談義に花を咲かせたが、非常に真摯な姿勢でザリガニと向き合われている姿勢には、逆に見習うべきものがあった。これからさらに経験と知識を深めて行くことで、必ずやアジアを代表する「クレイフィッシュ・クレイジー」の1人となるに違いない。ショップには、生体以外にも、彼のデザインした作品が展示、販売される予定だ。
オープニング・イベントには、これまた「世界一のクレイフィッシュ・クレイジー」を自称するクリス・ルクハウプ氏がドイツから参戦! ワールド・ツアー!?の途中、わざわざ香港に立ち寄り、地元のザリガニ・ファンと一緒に楽しいひとときを過ごす予定とのことだ。クリスの乱入で、どんなファンキーなイベントになってしまうのだろう・・・。もちろん、日本からの参加も大歓迎・・・とのことなので、お近くの方は、ぜひ(笑)! また、さすがにそれは無理であっても、もし、将来、香港へ出向く機会があったなら、ぜひとも立ち寄っていただきたいスポットであろう。
なお、詳しい情報については、公式ホームページ
を参照されたい(画像をクリック)。
観賞魚事業者団体が生態系保全啓発活動を展開へ
平成24年3月10日アップ
日本国内に本社を置く約120社の観賞魚関連企業によって構成され、例年「日本観賞魚フェア」の開催などで知られている業界組合団体「日本観賞魚振興事業協同組合」が、この春より、観賞魚を中心とした水棲ペットの引き取りを含めた、生態系保全啓発のための本格的活動を展開させることとなった。
「熱帯魚戦隊・ウオレンジャー」と銘打ち、熱帯魚に関連させたキャラクターを作っての活動展開は、一見、非常にコミカルかつ軽妙な印象を受けるが、実際には、我々アクアリストの意識の低さに対する、観賞魚業界全体が抱く危機感が非常に色濃く反映されたものになっているといえよう。
法を遵守しないことは論外であろうが、法に反するかどうかという線引きのみならず、その法の精神を理解し、より高い規範意識をもって臨むことは非常に大切なことであり、生き物と歩む人間の社会的責務でもある。ザリガニの世界でも同じことが言えてしまうのかも知れないが、違法でないのだから、別に構わない」という低い社会規範意識と利己的発想が、コッソリ密輸やコッソリ持ち出し、さらには保全推奨種の穫り尽くしなどを助長していることを忘れてはならないはずだ。
先日も、ある業界関係者が話していた中に「こうやって見境なく手を出したがる人間ほど、飽きればすぐに見捨てる。次から次へと、集めて殺して飽きて捨てての繰り返しをして、それで、自分は生き物が好きです、自然が好きですみたいなことを平然と言ってのける。そして、それで問題が起これば、業界全体の責任にされてしまう。そういう人間のために、まじめな愛好家や業界全体が白い目で見られる風潮は本当に残念なことだ」という内容の言葉があった。まさにその通りであり、非常に恥ずかしいことだと思う。当サイトをご利用いただいている「真のザリガニ好き」の皆様方には無縁な話だとは思うが、業界団体が
こういう活動をしなければならないという今の状態を深く認識し、せめてザリガニの世界からは、そういう形が起こらないよう積極的に考え、実践して行きたいものである。愛する生き物が迷惑を被ることも、迷惑を掛けることも避けることこそが「その生き物が好き」である人間の取り組むべき姿勢であるように思えてならない。
なお、組合の活動趣旨や細かい内容・方法など、詳しい情報については、同組合の公式ホームページ
http://www.jafa-net.org/
を参照されたい。
「エビ・カニ・ザリガニ 〜淡水甲殻類の保全と生物学〜」好評発売中
平成24年2月26日アップ
じっくりと読み込んでいたので、すっかり紹介が遅くなってしまったが、このほど生物研究社より「エビ・カニ・ザリガニ 〜淡水甲殻類の保全と生物学〜」が刊行された。
編者は、北海道立稚内水産試験場の川井唯史先生と岡山大学准教授の中田和義先生。両先生始め総勢45人の執筆により、基礎生物学から保全生物学まで網羅された、非常に盛りだくさんの内容になっている。しかも今回は、我らがザリガニのみならず、その範囲はエビ、カニ類にも及び、多彩で興味深い内容となっている。特に国内のサワガニ類に関しては、大幅な種の見直しが行なわれて以降、初めて出された一般向け書籍でもあり、そうした情報も満載だ。ザリガニに限らず、日本の淡水甲殻類に興味を持った人々にとっては、ある種のバイブル的な一冊となろう。
決して敷居が高いというワケではないが、それぞれの内容が最先端の情報をベースに編まれたものであり、生半可な姿勢では読みこなせない内容であるともいえよう。ただ、本当にこうした生き物が好きな人であれば、これほど楽しく、知的好奇心をかき立てられる本もないはずだ。また、中途半端で無責任なマニア情報などで悩んだり成果を出せずにいる人にとっては、様々なヒントや可能性を提供してくれる至福の一冊ともなろう。参考になるデータも豊富で、ついつい夜更かしをしてしまうような内容ばかりなので、ぜひ手に取ってご覧いただきたい。
B5判合計470頁で、定価税込み8400円。生物研究社発行となっている。JCCでの斡旋や割引販売などは行なっていないので、読んでみたい方は、ぜひ書店でご注文を!
ミナミザリガニ科(チェラックス属)に関する話題あれこれ
平成24年1月1日アップ
特定外来生物規制法に基づく指定以降、飼育ができないこともあってか、すっかり話題に上らなくなってしまっているミナミザリガニ科系諸種であるが、世界に目を向ければ、非常に興味深い情報も数多く流れているので、今回は、その中から(特にチェラックス属諸種を中心に)いくつか選んでお届けしたい。
まず、第2次ザリガニブームの後期、いわゆる「イリアンジャヤ系」という括りで様々なザリガニが持ち込まれ、その大半はsp扱いのままで流通していたが、その中で「イリアンジャヤ・オレンジ」または「アプリコット・ロブスター」などのインボイスで扱われたザリガニは、ドイツで活動している友人のクリス・ルクハウプ氏によると、現在、ヨーロッパでは、ほぼCherax holthuisi種として扱われているようだ。当時も、少し緑がかった個体に対し「ウォールナッツ・ロブスター」などという別括りをする傾向はあったが、現在でもそれに似た括り分けはあるようで、緑褐色の強い個体に対しては。その第1胸脚前節の色抜けから「orange tip」というインボイスが与えられている。
一方、こうした学名の部分において、日本で取り扱われていた時代と大きく異なっているのが、当時それぞれ「イリアンジャヤ・レッド」「イリアンジャヤ・ゼブラ」(右の写真の個体)という名称で扱われていたザリガニたちである。
当時、前者にはCherax lorentziが割り振られ、後者には、未確実であるとされながらも、Cherax papuanusまたはCherax misolicusのいずれかでほぼ間違いないだろう・・・といわれていたが、現在のところ、前者はCherax boesemaniが割り振られ、後者に関しては。先で挙げたpapuanus種やmisolicus種よりもCherax peknyiとして扱われているケースが多いようだ。こうした動きについては、非常に興味深いところである。ザリガニ好きであれば、「飼育できないなら関係がない」ということではなく、こうした流れについても、積極的に知り、考える習慣を持っておくことが大切ではなかろうか?
なお、同じチェラックス属のうち、オーストラリア本土のザリガニについては、今年発行の日本甲殻類学会英文誌「Crustacean Research」第40号にて、以前「イースタン・ヤビー」「ヘアリー・ヤビー」「ニューキャッスル・ヤビー」と呼ばれていたCherax setosus種に関する論文が掲載されている。飼育が行なわれていたころには、思わず首を傾げてしまうような無責任な情報も散見されたが、こうしてまとめ上げられた情報を熟読すると、基本的な特徴から棲息状況などについてまで細かく述べられており、非常に興味深いところだ。
さて、今回、「あけおめお年玉」というものではないが、クリスより1枚の面白い写真の提供を受け、当サイト上での公開許可を本人より直接得ているので、ここで併せて紹介したい。今回、彼との間でやり取りした情報の主眼は、これとは全く別の内容のものだったのだが、こうしたやり取りをする中で挙った話題の1つで、昨年、クリス本人が西パプアにおける棲息調査で発見し、持ち帰って撮影した個体である。様々な状況から判断すれば、これがチェラックス属のザリガニであることは間違いないが、珍しい色合いという部分だけではなく、種々細かくチェックして行くと、分類上気になるポイントもいくつか出てくるので、場合によって新種の可能性もあり、動向を注視して行きたい。
以前より個体の写真撮影テクに関しては定評のあったクリスであるが、2008年に、それまで在籍していたバンドを脱退し、正式にこうした仕事を生業として活動していることもあってか、彼の最近の撮影技術の素晴らしさは目を見張るばかりである。ここ数年、ドイツを始めとしたヨーロッパ圏内において、特に甲殻類関係の写真撮影では第一人者の地位を固めつつあるので、シュリンプなどの記事や写真で彼の名前を目にした方も少なくないのではなかろうか? 甲殻類研究はもちろんのこと、こうした面での今後の活躍にも期待したいところだ。
鳥羽水族館ザリガニコーナー・リニューアル公開開始!
平成23年9月19日アップ
特定外来生物法に伴う指定以降、国内唯一の外産ザリガニ常設展示施設となっている鳥羽水族館で、この春より進められていたザリガニコーナーのリニューアル工事が終了し、去る7月23日より公開されている。
平成14年夏の特別展開催を契機に、平成15年初頭より始まっている鳥羽水族館のザリガニ常設展示コーナーであるが、今回のリニューアル工事では、ザリガニが大好きな方はもちろんのこと、日ごろ、ザリガニに対して興味・関心がそれほど高くない一般の見学者にも、広くザリガニの魅力を感じてもらおうというコンセプトの下、展示種数を増やす代わりに、工夫を凝らした様々な展示方法によって、独特な「ザリガニ・ワールド」が展開されている。
中でも、今回、リニューアルの目玉となったのが「ブルーマロン円柱展示水槽」で、円柱形の巨大水槽にブルーマロンの成体を40匹近く収容したものである。流木などで立体的に構成された水槽内で暮らすマロンを、上下左右、あらゆる角度から細かく観察できるようになっており、担当学芸員の芦刈さんによれば、公開開始以来、早くも、多くの見学者が足を止める人気スペースになっているそうだ。
また、アメザリに関しては、実際の家庭飼育を念頭に置いてセットされた水槽を展示し、自宅での飼育に役立ててもらおうという配慮がなされているほか、自然下の棲息状況を模した「水路水槽」を新たに設置。アメザリの「最もアメザリらしい生き生きした姿」を楽しんでもらおうという趣向が凝らされている。
なお、鳥羽水族館の場所や開館時間など、詳しい情報は、同館ホームページ
http://www.aquarium.co.jp/
を参照されたい。
裏磐梯ウチダザリガニ祭り2011開催!
平成23年9月3日アップ
このたびの東日本大震災に対し、ザリガニ好きの立場から、何か役に立てることを考え、やって行こう!・・・の第2弾として、「裏磐梯ウチダザリガニ祭り2011」が、去る8月21日(日)開催された。
このイベントは、震災直後から始めた「被災地水族館救済支援募金活動」に続き、福島第一原子力発電所事故に伴う風評被害に苦しむ福島に、少しでもご恩返しをしようというところから企画されたもので、ザリガニ愛好家団体としては初めて、裏磐梯観光協会とのコラボが実現! 前回同様、日本淡水開発さんのご協力もいただき、裏磐梯観光協会×日本淡水開発×佐倉ザリガニ研究所3者のコラボレーション・プロジェクトとして開催される運びとなった。
当日は、あいにくの小雨まじりの空模様であったが、屋外企画の時間帯には一時的に雨が上がるというグッドコンディション! 募集定員いっぱいの参加者が全国各地より集合、釣り大会、ザリガニパーティーなど、多彩な企画で夏の一日を満喫した。
また「ウチダザリガニから裏磐梯の自然を考える」という活動を、より広く、そして確実に深めて行くために、俳優の村上幸平さんが「裏磐梯ウチダザリガニアンバサダー」に就任されることになり、開会式に合わせて、アンバサダー任命式が行なわれた。
なお、当日の細かい動きや内容については、近日中に特設ページをアップする予定です。
ウチダザリガニ釣り大会in裏磐梯 今夏も開催!
平成23年7月11日アップ
昨年夏、「レイクロブスターと遊ぼう」という名称で、多くの観光客から非常に高い評価を得た、裏磐梯観光協会主催のウチダザリガニ釣り大会が、今夏も開催されることとなった。
装いも新たに「ウチダザリガニワイルド釣り大会」と名称を改めた今夏のイベントは、観光協会が提唱する「自由研究お手伝いプラン」の一環として、昨年、大好評を得た「釣り&食べ」の内容に、新しく「自由研究克服」の要素も加え、家族で楽しみながらも、自由研究のテーマまでバッチリ解決できる・・・という、まさに一石二鳥の中身の濃いイベントである(右の写真は昨年の大会の様子)。
特定外来生物に指定されているウチダザリガニは、移入地の生態系に深刻なダメージを与えてしまうため、様々な形での個体数抑制・拡散防止などの措置が試みられているが、ただ単に防除捕獲して殺処分するのではなく、「釣り大会」という形で楽しみながら個体と接し、さらには、実際にその場で調理して食べてしまおう・・・という、野趣溢れる内容となっている。
もちろん、自由研究にも関連しているということで、単なる娯楽イベントに終わることなく、実際にこうした個体と接しながら、参加者一人一人が、自然本来のあるべき姿や、そのために自分が考え、行なうべきこととは何か・・・という点についても想いを馳せられるよう配慮されており、日ごろ、ザリガニはもちろんのこと、自然の現況や生態系保全などに興味や関心を持っていなかった人に対しても、本当に役立つイベントであるといえよう。ザリガニという生き物が大好きな人間からすれば、ザリガニが「悪者」として駆除対象にされてしまう状況は、致し方ないこととはいえ、本当に残念なことである。ただ、こうした形で「自然を考える」イベントに参加することで、一人でも多くの方に、こうした現状を知っていただき、「更なる新たな悲劇」を防ぐためのきっかけ作りをしていただけることは、本当に有意義なことであろう。この夏、ぜひ、一人でも多くの方に裏磐梯を訪れていただき、イベントに参加していただきたいものだ。
裏磐梯の湖というとや、ウチダザリガニの棲息条件などから、「ひょっとしたら、子どもが参加するには危険な場所なのでは・・・?」という不安を抱く方も、もしかするといらっしゃるかもしれないが、イベントは、幼児やザリガニ釣り未経験者にも配慮された安全な場所で行なわれ、釣り方や食べ方についても、事前に細かく説明していただけるので、長靴や防水具などの準備は一切必要なく、どなたでも安心して参加できる。また、開催地である裏磐梯地区が福島県にある・・・ということで、もしかしたら放射能の問題を心配される方もいらっしゃるかも知れないが、これについても、開催準備に当たり、受け入れる側である観光協会が厳重に検査を行ない、残留セシウムなどについても、基準値を遥かに下回っていることはもちろん、その場で食べても安全な状態であることが公式に確認されているので、こうした点でも、まったく不安なく参加できるであろう。
なお、開催日や参加料、申し込み方法などについては、裏磐梯観光協会・公式ホームページ http://www.urabandai-inf.com/ をご参照下さい。夏休み、家族旅行などの計画をこれから立てるみなさん! 閑静で涼しく、空気も美味しい磐梯高原へ、どうぞ!
クレイフィッシュミーティング2010 浅草で開催される
平成22年11月7日アップ
既報通り、去る10月30日(土)、東京都台東区浅草の都立産業貿易センターにて、日本淡水開発主催の「クレイフィッシュミーティング2010」が開催された。
これは、CF Star発売10周年感謝企画の第1弾として、日本淡水開発が主催したもので、当初、20名限定で募集したところ、予定を越える申し込みがあったため、受付座席数を増やして実施されたものである。
当日の東京は、台風直撃に土砂降りという非常に厳しい天候であったためか、当初の申し込み人数よりも少ない参加人数ではあったものの、新幹線などを乗り継いで駆けつけられた熱きザリ・キーパーの方もいらっしゃり、いつもながら、ザリへの想い溢れる熱い人たちの集まりであった。
日本淡水開発観賞魚事業部、下釜氏の挨拶の後、フォトグラファー佐々木浩之氏の講演と水槽撮影実践講座が行なわれた。最近、ホームページやブログなどで情報発信をする方も増えてきている中、少しでもそんな状況に役立てていただこうと、会場内には本物の水槽がセットアップされ、そこへ実際に個体を収容し、機材を準備した上でプロによる個体撮影と、その撮影テクニックに関してレクチャーがあった。さらに、コンパクトデジカメでも上手に撮れる秘訣などをご指導いただき、一同、大いに感心していた。佐々木氏の実践講座に続いて、不肖砂川もお時間をいただいてザリガニに関するお話をさせていただいたが、こちらの方は大したレベルの話ではないので・・・割愛(苦笑)。後半は、質疑応答などで盛り上がった。
主催者である日本淡水開発からは、非売品を含めた製品のプレゼントやプロ向け飼料、さらには、ブリーダーストックの生体配布があり、せっかくの機会ということで、JCCからも、資料や最新情報、過去の機関誌などを配布させていただいた。また、以前製作した会員向けオリジナル飼料を復刻生産し、そのうちの1ロットを参加者で山分け(笑)。業務用として生産ラインから出てきたばかりの大袋を初めて目にする参加者の方からもいらっしゃり、驚きの声が漏れていた。
イベントは当初予定を大幅に越えて午後5時ギリギリまで続いたが、その後、14名の「猛者」が場所を変えての懇親会へと突入! 4時間近くザリ談義を楽しむことができ、本当に充実した一日となった。
不肖砂川のつまらぬよもやま話はともかく、こんな素晴らしい企画を立案下さった日本淡水開発並びに同観賞魚事業部スタッフの皆様方には、心より御礼申し上げます。
また、今回のイベントには、ザリガニに関する造詣が深い、俳優の村上幸平さんもプライベートでご参加下さり、本当に楽しく、いろいろなお話を聞かせていただくことができました。当たり前の話ですが、やっぱり俳優の方って、ホント男前! イケメンなのはもちろん、スタイルから服の着こなしまで、それこそ何から何まで不肖砂川と違い過ぎる! 講演の中で、種判別の基準や判定方法などについても触れていた砂川は、その後の飲み会で西村氏と「俺が生物学的に見て、村上さんと同じ学名が割り振られているなんて、とてもじゃないが村上さんに申し訳ないし、恥ずかしくて言えないよな〜」などと盛り上がっていたのでありました。不肖砂川が村上さんと一緒に並べば、少なくとも宇宙人からは、ほぼ間違いなく「この2体は生物学的に別種」と判定されちゃうだろうねぇ、きっと・・・(苦笑)。
クレイフィッシュミーティング2010 浅草で開催
平成22年10月14日アップ
CF Star、NTK Starシリーズなどでお馴染みの日本淡水開発が、この秋よりCF Star発売10周年を記念して、様々な感謝企画を実施することとなったが、その第1弾として、来たる10月30日に東京・浅草にて「クレイフィッシュミーティング2010」という感謝イベントを開催することとなった。
当日は、「フィッシュマガジン」誌を中心に活躍されているアクアリウム・フォトグラファー、佐々木浩之氏の講演や、参加者同士のパネルディスカッションなどが予定されており、お恥ずかしながら不肖砂川も、お時間をいただいてお話をさせていただく予定。また、感謝企画ということで、参加者には日本淡水開発製品(非売品を含む)のプレゼント、プロ向け資料を含めた貴重な資料の配布などが予定されている。不肖砂川の稚拙な話はともかく、ザリ・キーパー同士の情報交換や懇親、通常ではなかなか知り得ない情報の入手など、ザリ・キーパーにとっては、またとない貴重な機会となるのではないかと思う。
参加にあたっての会費や入場料などは無料だが、プレゼント準備や会場の大きさなどの都合により、事前予約申し込み制となっている。詳しい情報に関しては、日本淡水開発ホームページ内、特設ページをご参照いただきたい。
日本淡水開発ホームページ
http://www.nihon-tansui-kaihatsu.com/
イベント画像をクリックすると特設ページが表示されます。
(日本淡水開発製品「CF Star」シリーズ発売権に関するお知らせ)
現在、日本淡水開発さんより発売されている「CF Star」シリーズ始め諸製品について、一部ネット情報などで、JCCが販売権、あるいは名称使用権を持っているかのような情報が流れていますが、JCCならびに佐倉ザリガニ研究所は、これら商品の発売や販売に関し、一切の権利も権限も有しておりません。飼育試験や商品開発協力などに関しては、依頼に応じてお引き受けする場合もございますが、その商品に関するすべての最終決定は、その製造、発売元である日本淡水開発さんのご意志によるものです。数年前、JCC会員専用プレミア飼料の作成を依頼したことはございますが、これはあくまでもJCCからの「オリジナル飼料製造依頼」でございまして、日本淡水開発さんで日常発売されている製品とは全く無関係です。すべてにおいて「ザリ専用」として、利益やコストはもちろんのこと、目的別にザリを仕上げるための狙い以外の要素をすべて排除した、現在発売されている製品よりも、さらに極端な、いわば「究極のワガママ飼料」でしたので、最初から一般発売は考慮し得ない製品でした。
従いまして、一般販売されている商品の発売の開始や終了などに関して、JCCならびに佐倉ザリガニ研究所は、一切の権能もございませんし、関知もしておりません。ともすると、こうした誤報は日本淡水開発さんにご迷惑となる場合もございます。くれぐれもご注意下さい。
IKEA(イケア)がこの夏「ザリガニパーティー」を開催
平成22年8月21日アップ
スウェーデン生まれの世界的家具メーカーであり、日本国内でも5ヶ所で大規模ショップを運営しているイケアが、この夏、初の試みとして「ザリガニパーティー」を開催する。
北欧・スウェーデンでは、古くからザリガニを食する文化があったが、19世紀末、乱獲によるザリガニの激減によって、政府による禁漁期間設定という政策が実施されるようになると、解禁期間である夏場の恒例行事として、人々が集まってザリガニを食べながらパーティーを開くという「ザリガニパーティー」という習慣が生まれるようになった。現在では、禁漁期間制度も撤廃されているが、夏の国民的行事として、広くスウェーデンの人々に愛されているお祭りである。
イケアでは、家具や日用品の物販のみならず、スウェーデンの文化を広く世界の人々に知ってもらうための様々な活動にも積極的に取り組んでおり、今回、こうした諸活動の一環として、日本国内の5店舗で、8月21日〜28日までの期間中、IKEA FAMILYメンバー対象に、このパーティーが開催されることになったわけである。
こうしたパーティーは、今までも一部の北欧系ショップや団体などで開催されたことはあったが、全国的規模で大々的に行なわれるのは初めてだといえよう。当日は、全くザリガニを食べたことがない人でも、スタッフが細かいガイドをしながら北欧ザリガニ料理に舌鼓を打つことができ、今まで馴染みの薄かったスウェーデンの文化に触れることができるはずだ。
参加希望者は、イケア各店舗でIKEA FAMILYメンバーへの入会を済ませた上で、直接申し込み(チケット購入)となる。各店舗とも限定100名程度となっており、すでに定員に達し受付締め切りとなっている店舗も出ているようだ。詳細はイケア・ホームページにて確認されたい。
(例)イケア神戸店でのイベント案内は こちら
「ザリガニの生物学」好評発売中
平成22年7月8日アップ
紹介が遅くなってしまったが、この2月、北海道大学出版会より「ザリガニの生物学」が刊行された。
編者は、現北海道立稚内水産試験場の川井唯史先生と北海道大学大学院理学研究院教授の高畑雅一先生。両先生始め14人の専門家の執筆により、博物学、分類・組織学、神経生理・行動学、環境生態学、保全学の5部で構成されている。
いわゆる「軟派な飼育ガイド」とは全く異なり、完全に硬派な学術専門書で、読む方にも相当の覚悟と気合いが必要となるであろうし、少なくとも「ショップ情報」だけでザリガニ飼育のジャンルに臨んできた状況であれば、内容を読みこなして行くのにも多少の苦労は伴うかも知れないが、国内では初情報公開となる内容やデータ類も含め、本当に「自らを伸ばせる」1冊となっている。これから真剣にザリガニと向かい合いたいと思っているのであれば、絶対に読まなければならない、そして、読めなければならない1冊であるともいえよう。価格も一般書籍と比較すれば高い部類に入るのではないかと思うが、個体1匹、水槽1本を買い集めるためのお金があるのであれば、むしろこちらの1冊に投資し、自らをブラッシュアップして行くことも大切ではないかと思う。気合いを入れてきちんと読み込み、1つ1つの内容を丁寧に自分のものにして行くことができれば、ザリガニを愛する人間にとってこれほど面白く、役に立つ本はないはずだ。
A5判合計604頁で、定価税込み13650円。北海道大学出版会発行となっている。JCCでの斡旋や割引販売などは行なっていないので、読んでみたい方は、ぜひ書店でご注文を!
CF Starスタンダード 完全リニューアルで6月新発売
平成22年6月3日アップ
国内初の本格的ザリガニ飼育専用配合飼料として発売された、日本淡水開発の「CF Starスタンダード」が、発売開始10周年を機に完全リニューアルされることとなり、再発売開始を前に、メディア及び業者、該当研究機関などに対して主要諸元が公開された。
発売前ということもあり、肝心の餌サンプルなどの配布はなく、外観のみの公開となったが、同社観賞魚事業部・中村氏の説明によると、従来の基本コンセプトは大きく変更しないものの、昨年から一部のキーパー間で注目されている新コレステロール成分と脱皮不全対策の新ミネラル成分を新たに配合し、より飼育時のトラブル対策に重点がおかれたほか、従来製品と比較して製造工程を大幅に改善し、同社発売の「CF Starフィブロスフード」などと同様、投入後24時間保持率100%を実現させた・・・とのこと。これにより、同社発売のザリガニ、エビ向け飼料ラインナップは、稚ザリ用を除きすべて24時間保持率100%が達成されたことになる。また、北米系ブリーダー及びシュリンプ系ブリーダーからの要望が非常に高かったため、今回のリニューアルを機に餌の径がさらに小さくなり、いわゆる「ドワーフ系」の個体にも充分対応できるようになった。径の小さい餌は、シュリンプ向けの餌でもいくつか見ることができるが、これほどの径で保持率24時間100%を達成していることは特筆に値する。
ブリーダー向けの大袋出荷はすでに始まっており、問屋並びに小売店向けの出荷も順次始まるとのこと。直販分も、6月からはリニューアルされるとのことであった。この製品についての詳細は、佐倉ザリガニ研究所にて実際に投餌試験を行なった上で「ザリガニ餌図鑑」にて解説予定。
JCCのメンバーが文献を読み漁り、投餌試験を繰り返しながら知恵を絞り合って餌構成を考え抜き、当時の担当者が顔面蒼白になった、あの「泥混ぜろ」事件から、もう10年も経つんだなぁ・・・と、月日の流れを痛感する今日このごろ・・・である。思えばJCCも今年で結成17年になるわけで、なるほど、結成当初からともに歩んできたメンバーも、ずいぶんジジイになるワケだ(苦笑)。
「佐倉ザリガニ研究所」及び「ジャパン・クレイフィッシュ・クラブ」では、一切の販売・営利活動を行っておりませんので、この製品をご希望の方は、直接日本淡水開発さんにご連絡の上、お求め下さい(販売面については、お問い合わせをされても、実際のところ何もわかりません!)。また、JCCには、一切在庫はしておりませんし、JCC会員のみの割引や先行予約などはありません。なお、日本淡水開発さんへのお問い合わせ及びお申し込みは、日本淡水開発・観賞魚事業部(担当:中村さん、下釜さん)。営業時間は月曜〜土曜の10:00〜17:00で、電話番号はフリーダイヤル0120-727-512(観賞魚事業部直通)となっております。なお、営業時間外の問い合わせなどで、先方にご迷惑をお掛けしないようお願い申し上げます。
「(岩波科学ライブラリー)ザリガニ」好評発売中
平成22年2月28日アップ
紹介がだいぶ遅くなってしまったが、去る平成21年9月、岩波書店より、岩波科学ライブラリー・シリーズの1冊として「ザリガニ(ニホン、アメリカ、ウチダ)」が刊行された。
著者は、平成19年に東海大学出版会より「ザリガニの博物誌(里川学入門)」を出版されている、現北海道立稚内水産試験場の川井唯史先生。大きく5章から構成されている本書は、ふんだんに盛り込まれた各種カラー写真とともに、ザリガニの基礎知識からザリガニを取り巻く歴史と現状、そして希少種の保護に至るまで幅広く網羅されている。しかも、前作と比べると、1つ1つのテーマに対してかなり軟らかめのアプローチとなっているので、ハイレベルのベテラン・キーパーだけでなく、特定外来生物規制法指定以降、ザリガニの世界に飛び込んで来られた方でも、楽しく読み進めて行ける内容となっている。
前作同様、JCCも微力ながら協力をさせていただいたが、今まで、飼育だけでしか接することのなかった方々や、「飼う」という点でしか興味を持ってこなかった方々にも、奥深く素晴らしいザリガニの世界を一挙に広げてくれるきっかけになるかも知れない、テーマ性豊かな1冊であるといえよう。
B6判126頁で、定価税込み1575円。岩波書店発行となっている。前作同様、JCCでの斡旋や割引販売などは行なっていないので、読んでみたい方は、ぜひ書店でご注文を!
平成21年9月15日アップ
東京で開催される国際甲殻類学会大会に合わせ、世界的なザリガニ研究者をお招きして、ザリガニについて広く学び、語り合うサテライトシンポジウムが、きたる9月20日(日) 午後2時より池袋・サンシャインシティにて行なわれることとなった。
当日は、国内研究者はもとより、ステファニー・パーキン博士をはじめとしたザリガニ研究の世界的権威による講演と質疑応答、さらには講演内容を踏まえた総合討論などが予定されている。ザリガニの生態から保護まで、最新の研究データと研究現場から見えるザリガニの姿を、研究者・愛好家の垣根を越えて徹底的に語り合う有意義なシンポジウムとなろう。
参加にあたっての会費や入場料などは無料で、事前申し込みなども不要。日ごろの様々な疑問解決や、最新情報によるスキルアップのためにも、ぜひ参加したいところだ。
なお、当日は、師であり旧友でもある川井唯史先生による新刊の販売も予定されています。
平成21年3月30日アップ
国際甲殻類学会准会長であり、国内の甲殻類研究では第一人者である千葉県立博物館の朝倉彰先生より、この秋、東京海洋大学品川キャンパスで開催される国際甲殻類学会大会のご紹介をいただいた。
この大会は、国内では最も権威ある甲殻類研究者団体である日本甲殻類学会(Carcinological Society of Japan)との共同開催によるもので、学会員のみならず、甲殻類に興味を持つ人間であれば、申し込みを経て、誰でも参加できるものである。ザリガニに関しても、世界トップクラスの研究者が数多く来日される予定になっているので、ぜひ、この機会を見逃さずにレベルアップを図りたいところだ。
なお、この大会に関する公式ページへのリンクを、目次のページから張っております。ご興味をお持ちの方は、ぜひ公式ページをご覧下さい。
名古屋で特別展「ザリガニワールド」開催中
平成19年8月6日アップ
愛知県名古屋市、白川公園内にある名古屋市科学館にて、特別展「ザリガニワールド」が開催されている。
この特別展は、名古屋市科学館と中日新聞社、中部日本放送が毎夏主催している長期の特別展示で、今年は「ザリガニ」というテーマで、約40日間にわたるロングラン展示会だ。自然科下での生態から私たちとの関わり、そして外来生物の問題まで、あらゆる角度からザリガニと向き合う非常に興味深い内容となっている。ザリガニ自体が好きな人や、夏休みの自由研究にザリガニを考えている子どもたちはもちろんのこと、特定外来生物規制法指定以降に飼育を始めた方にも、興味深いコーナーがたくさんある。今回、この展示会のために、タスマニア取材を敢行したほか、鳥羽水族館との連携により、規制種に関しても一部生体展示を実現! さらに、話題の「あの」ザリも生体展示されているので、お近くの方は、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか?
特別展「ザリガニワールド」
開催期間 7/21(土)〜9/2(日)
開館時間 9:30〜17:00(入場16:30まで)
料金 一般1000円、高校、大学生700円、小・中学生500円
なお、13日を除く毎週月曜日は休館となるのでご注意のこと。
詳細は名古屋市科学館(052-201-4486)または、
特別展専用ホームページhttp://www.ncsm.city.nagoya.jp/zarigani/まで。
なお、この特別展に関するお知らせを、「なんでも伝言板」上にて、期間限定で公開しております。ご興味をお持ちの方は、ぜひ、伝言板の方をご覧下さい。
「ザリガニの博物誌(里川学入門)」好評発売中
平成19年7月4日アップ
紹介が少々遅れてしまったが、この2月、東海大学出版会より刊行された「ザリガニの博物誌(里川学入門)」が、非常に好評だ。
著者は、かれこれ15年になる旧友であり、師である、北海道原子力環境センター専門研究員の川井唯史先生。大きく3つの章立てとなっており、ザリガニの基本的な生態から棲息地に関する問題を経て、広く里川環境の保全へと展開して行くという、非常に壮大で読み応えのある内容となっている。JCCも、小川氏を中心に微力ながら協力をさせていただいたが、専門的な学術研究者ならではの視点による内容の進行には、私たちキーパーも、大いに勉強となるはずである。カラー別カタログや、飼育テク紹介など、ある種の「ミーハー系」記事は全く存在しない硬派な内容であるため、あくまでも水槽での飼育以外に興味はない・・・というキーパー諸氏には、少し重い内容かも知れないが、自然下でじっくりと生きて行く個体たちを眺めているだけでも幸せになれるという「真のザリ好き」の方々であれば、必ずや座右の一冊の仲間入りをする内容だと思う。
A5変形判184頁で、定価税込み3360円。東海大学出版会発行となっている。JCCでの斡旋や割引販売などは行なっていないので、読んでみたい方は、ぜひ書店でご注文を!
JCC会員プレミア飼料(17年度版)が特別限定一般再販売に!
平成18年4月19日アップ
昨年、JCC会員プレミアということで限定生産・配布され、会員のみなさんから非常に高い評価と再発売の要望が出ていた「平成17年度版JCC会員プレミア飼料」が、このほど期間限定で一般再販売されることになった。
JCCでは、会費有料期間中、機関誌に加えて様々な会員プレミアを実施してきたが、この餌は、その集大成ともいうべきもので、会員専用飼料プロジェクト・チームを中心とした研究と試作検討の下、製作コストや手間の関係上、一般発売は到底望めない、メーカー側の利益計算を100%無視したもので、キーパー側の理想や希望をそのまま実現させた「究極のザリ餌」シリーズである。いわば、CFスターの「さらなるワガママ版」とでもいうべきものか・・・(苦笑)。
この時製作された餌は2種類で、コンセプトは「トラブルがなく、しかも現地供給に準じた完全植物性飼料」と「稚ザリの独り歩き開始から性成熟に至るまでの期間に必要な甲殻の栄養供給に特化させた飼料」の2つ。これらは、いずれも一般販売向けの飼料では実現できないもので、キーパー側としては「どうしてもローテーションに組み込みたい要素」であった。
まず、タイプA(写真右:豪州産)であるが、こちらは単に「現地で実際に使っている」程度の生やさしいレベルではなく、栄養学の観点に沿って使用する草種から、何とその刈り順までも完全指定! また、栄養素だけではなく、素材上問題とされている一部穀物類を除外した上で、徹底して現地素材のみで製作した究極の「現地素材植物性飼料」。技術的には国産製餌メーカーに及ばない現地メーカーを使うことから、ソフトタイプという最大の弊害についてもあえて目をつぶり、その分、ザリガニに有益な素材のみを100%現地調達で構成したものである。
一方、タイプB(写真左:国内産)であるが、こちらは逆に「甲殻をよりよい状態にする」という点で、考えられ得る最高の成分を最も効果的に構成し、最新鋭の生産ラインで製造したハイテク飼料である。「カルシウム分配合」というレベルを更に突き詰め、性質の異なる2タイプのカルシウム分を理想的な配分で配合。さらには、カルシウム分をより吸収させやすくするための成分を、観賞魚飼料としては初めて配合した画期的なもので、その効果は、製作・配布後、多くのプロ・ブリーダーによる継続的な使用と再オーダーという点で実証されている。特に、これからの春繁殖及び稚ザリの育成には絶大な効果を発揮するであろう。
JCCとしては、17年度の配布1回きりのつもりではいたが、その後も多くのブリーダーよりロット単位でのオーダーが定期的に入っていることや、会員及び多くのキーパーの方々より再生産のリクエストが多かったことなどから、今回、あるブリーダーのオーダーが入ったのに合わせて、日本淡水開発・観賞魚事業部の方々にお骨折りをいただき、余剰分を実費&期間限定ということで一般向けに再販売をしていただくこととなった次第である。
観賞魚事業部・中村氏の話によると、今回、用意できるのは、約30セット程度とのことで、頒布価格はタイプA、タイプB各150グラム、合計300グラムで1200円。先着順で直販されるとのことであった。もちろん、餌だけでは細かい内容や注意点などがわからないので、希望される方には、昨年の配布時にJCC会員専用飼料プロジェクトチームが作成した、解説シートをコピーして同梱していただけるようになっている。今回は、会員以外の方も購入できるので「妥協なきトップスピードに際限ない探求心」のJCCワールドが満ち満ちている解説シートも、併せてご覧あれ! 「これじゃあ、絶対売れるハズないよなぁ・・・」ってことが、ハッキリご理解いただけるハズ(苦笑)。
「佐倉ザリガニ研究所」及び「ジャパン・クレイフィッシュ・クラブ」では、一切の販売・営利活動を行っておりませんので、この専用飼料を御希望の方は、直接日本淡水開発さんに御連絡の上、お求め下さい(販売面については、お問い合わせをされても、実際のところ何もわかりません!)。また、JCCには、一切在庫はしておりませんし、今回は、会員プレミアではありませんので、会員のみの割引や先行予約などはありません。なお、日本淡水開発さんへのお問い合わせ及びお申し込みは、日本淡水開発・観賞魚事業部(担当:シモガマさん、ナカムラさん)。営業時間は月曜〜土曜の10:00〜17:00で、電話番号はフリーダイヤル0120-727-512(観賞魚事業部直通)となっております。担当の方に、「佐倉ザリガニ研究所のホームページで見た」とおっしゃっていただければ、話が通るようになっております。なお、営業時間外の問い合わせなどで、先方に御迷惑をお掛けしないようお願い申し上げます。
国内初? ザリガニ釣りセット発売へ
平成17年6月11日アップ
えっ?マジ? ザリガニ専用飼料「CFスター」で馴染み深い(というより、最近では「シュリンプスター」の売れ行きの方が大変らしいが・・・苦笑)日本淡水開発から、何と「ザリガニの釣竿セット」なる商品が発売されることになった。
同社観賞魚事業部・中村氏の話によると、この商品に関する企画は、イベント系会社やホームセンター関係の卸業者などを中心に、昨夏ごろからオファーが来ていたとのことで、商品の位置づけとしては「自然学習教材」ということになるらしい。当然、対象も私たちキーパーではなく、これからザリガニと触れ合おうとする子どもとか家族とかいう感じになろう。竿にタコ糸が留められていて、竿の先には、右の写真にあるような釣り餌(スルメ)と説明書(飼育方法など)、さらには飼料(餌の感じからするとプレミアムあたりか?)までついていて、これさえあれば、すぐにでも釣りができ、家に持ち帰って飼育できるようになっているところがミソ。価格はオープン(実勢600円程度)とのことで、6月中旬より順次出荷されているそうだ。
「え? ザリ釣り竿? そんなもん、川っぺりに落ちている棒や枯れ枝でも使えばいいし、餌だってカエルでも何でもあるんじゃないの?」などと怪訝そうな質問をする砂川に「最近では、そんな枯れ枝が落ちているところも少なくなったし、生餌を触ったりできない人も増えてます。ましてや砂川さんみたいに平気でカエルやザリガニを剥ける人となれば、今じゃ逆に珍しいくらいですヨ。清潔に、スマートに楽しむのが今風ですから!」とは、中村氏の弁・・・。なるほど、発売前から、かなりの問い合わせや引き合いが来ているらしい。日ごろから普通にザリガニを触り、「糸以外は手ぶらで釣りに行くのが常識だ」と思っている私からすれば、ザリガニ釣りまでセットが作られ、実際に販売されるというのは、少し複雑な想いであり、理解に苦しむ部分もあるが、逆に、こういう商品が実際に発売され、相応の反響を受けているという事実は、私たちザリ・キーパーの認識が「フツーの人」のそれとは、少しずれているのかも知れないなぁ・・・とも思わされてしまう。
ちなみに、上の写真にある「黒い竿」は、試作品として検討されたらしい、幻の「塗り竿」。3000円くらいを考えて試作したそうだが、さすがに社内で誰にも賛成されず、あっさりお蔵入りとなったそうだ(苦笑)。ついでに「JCCさんにお話をすると、竿から餌から、ああでもないこうでもないと話が一気に細かくなって、最初のコンセプトから全然外れた製品ができちゃいそうだったんで、今回はお声掛けしませんでした」・・・とのこと。嬉しいような悲しいような、これまた複雑な心境。確かに、ザリ好きたちがそんなプロジェクトを始めたら、日本で5本くらいしか売れないであろう、とんでもないおバカなセットを作り出しそうだから、観賞魚事業部諸氏のご判断は、まさに「大正解」だったであろう(苦笑)。
「CF Star」シリーズに大トリ「フィブロスフード」登場!
平成16年4月8日アップ
ザリ・キーパーの定番飼料である日本淡水開発の「CF Star」シリーズ3部作の大トリである「フィブロスフード」が、当初の予定より2ヶ月以上早い3月中旬、全国一斉に発売された。今回登場するのは、ローテーションのベースとなるべき植物性の飼料で、自然下におけるデトリタスの代用という役割を担わせたものでもある。昨秋発売した「CF Star Premium」「CF Star Super Premium」の2種類とは、まさに対極に位置する餌であり、すべてのローテーション投餌のベースとして使用することになろう。「水槽でザリガニを飼育する」という大前提で考えた際に問題となる要素をすべて洗い出して徹底検討を行い、栄養面から製造面まで、欧米豪のザリガニ養殖現場での技術に国内キーパーの意見、国内・海外の学術情報を結集させた餌である(JCCも、投餌実験や問題点の洗い出し、解決方法などの部分で一生懸命貢献しました。アマチュアなりに頑張ったんだぞぉ・・・苦笑)。24時間保持率100%という観賞魚飼料初の最先端技術に加え、「すべては個体のために」という観点から、あえて定量を設けない代わりに、キーパーが自分の目で確認しながら適量を投入できるよう、従来の発想を180度転換した「割って与える」という方式を採用!(ここのところはJCCの貢献大!) 圧偏型の形状で、マロン成体がかじった時に適当となる大きさで仕上げ、その他の種や大きさの個体にも、キーパーの思い通りに投入できる体制を実現した。これにより、「CF Star」シリーズにおいては一般系、ベース系、パワー系の基本3パターンが完成し、初心者でもローテーションが組みやすくなるともに、中・上級者にとってもローテーション組み時の選定幅がかなり広がったといえよう。
「佐倉ザリガニ研究所」及び「ジャパン・クレイフィッシュ・クラブ」では、一切の販売・営利活動を行っておりませんので、御希望の方は、お近くのショップか、直接日本淡水開発さんに御連絡の上、お求め下さい(販売面については、お問い合わせをされても、実際のところ何もわかりません!)。日本淡水開発さんでも直販をして下さるそうですが、送料が掛かるようですので、ザリを販売しているお近くのショップに注文するか、取り寄せてもらう方がよいと思います。なお、メーカーへのお問い合わせ及びお申し込みは、日本淡水開発・観賞魚事業部(担当:シモガマさん、ナカムラさん)。営業時間は月曜〜土曜の10:00〜17:00で、電話番号はフリーダイヤル0120-727-512(観賞魚事業部直通)となっております。担当の方に、「佐倉ザリガニ研究所のホームページで見た」とおっしゃっていただければ、話が通るようになっております。なお、営業時間外の問い合わせなどで、先方に御迷惑をお掛けしないようお願い申し上げます。
「世界のザリガニ飼育図鑑」がさらにパワーアップして再登場!
平成15年10月30日アップ
日本初の本格的ザリガニ飼育書としてキーパーから絶大な支持を得ている「世界のザリガニ飼育図鑑」が、この11月、増補版として再発売されることとなった。今回は単純な増刷ではなく、カラー16ページに渡って新着のザリガニを収録したり、追加情報や浜野先生の「摩周湖巨大ザリガニ」に関する情報など、ザリガニ界の「今」に合わせた意欲的な増補内容となっている。記事については、今回もJCCが全面的に協力させていただいたが、「せっかく付け加えるからには、最新の情報で固めよう!」という方針の下、新着種の紹介記事や追加情報は、すべてこの本のために書き直した。そのため、「新ザリガニカタログ」に収録する大半の種で、輸入段階での新着紹介記事よりも詳密な情報が盛り込まれている(噂によると、この項の担当として原稿をまとめるために徹夜の連続だった小川さんは、白髪が50本以上増えたらしい。ちなみに砂川も、髪が一応2本くらい抜けてハゲ度がアップしました! 2本じゃほとんど変わってないジャン・・・笑)。「世界のザリガニ飼育図鑑」を持っていない方はもちろんのこと、すでに持っている方でも「基本情報源」として充分に活用できるだけの記事を盛り込んであるので、ぜひ新しいガイドブックとして活用していただけるとありがたい。
初版本は発売直後に売り切れたため、現在発売されているのは第2版だが、今回出される増補版は名称を「世界のザリガニ図鑑」と改め、11月中旬ごろに発売の予定。
「佐倉ザリガニ研究所」及び「ジャパン・クレイフィッシュ・クラブ」では、この本の販売または仲介・斡旋などの業務を行っておりません。恐れ入りますが、この本の注文やお問い合わせなどにつきましては、最寄りの書店、ペットショップまたは出版元のエムピージェー(045-770-5481)までお願い申し上げます。
「CF Star」に新ラインナップ登場!
平成15年10月21日アップ
本格的な長期飼育を目指すザリ・キーパーにとって定番の餌である日本淡水開発の「CF Star」は、この秋で発売3年目を迎えているが、このほど、その「CF Star」に2種類の新ラインナップが登場することとなった。今回登場するのは、栄養面をより強化した「CF Star Premium」と、導入直後の立ち上げ時や越冬明け、脱皮前期や繁殖準備期間などに効果を発揮する「CF Star Super Premium」の2種類である。開発にあたっては、双方とも「CF Star」開発時に解決できなかった問題点をすべてクリアし、「無添加・無着色・無香料」という日本淡水開発のこだわりを崩すことなく、JCCメンバーを始めとした多くのキーパーの意見を取り入れて独自に開発したもので、抜群の反応と保持率を見せている点では、従来の「CF Star」とは全く異なるタイプの餌であるといえよう(生産方法から全く異なるものであるそうだ)。どちらかというと高蛋白質のパワー系の餌なので、従来の「CF Star」に比べると動物質寄りの性質を持っており、ローテーションの組み方も大きく変わりそうだ。なお、「CF Star Super Premium」については、基本的に個体に合わせた投餌ローテーションがしっかりと組める上級キーパー向けだといえよう(立て直しや状態向上に関する「スーパー」なのであって、何にでも対応できちゃう「スーパー」・・・っていう意味ではないワケね!)。当初、10月中旬の発売開始を予定していたが、生産が追いつかないため発売が遅れているそうで、実際に店頭に並ぶのは、両方とも11月上旬ころになる模様。
「佐倉ザリガニ研究所」及び「ジャパン・クレイフィッシュ・クラブ」では、一切の販売・営利活動を行っておりませんので、御希望の方は、お近くのショップか、直接日本淡水開発さんに御連絡の上、お求め下さい(販売面については、お問い合わせをされても、実際のところ何もわかりません!)。ショップなどでは、予約などをしてくれているところもあるそうです。なお、メーカーへのお問い合わせ及びお申し込みは、日本淡水開発・観賞魚事業部(担当:シモガマさん、ナカムラさん)。営業時間は月曜〜土曜の10:00〜17:00で、電話番号はフリーダイヤル0120-727-512(観賞魚事業部直通)となっております。担当の方に、「佐倉ザリガニ研究所のホームページで見た」とおっしゃっていただければ、話が通るようになっております。なお、営業時間外の問い合わせなどで、先方に御迷惑をお掛けしないようお願い申し上げます。
FM誌5月号巻頭で初心者向けザリガニ特集
平成15年4月27日アップ
観賞魚雑誌としては非常に古い歴史を持つ「フィッシュマガジン」誌の平成15年5月号(4月11日発売)の巻頭で、久しぶりにザリガニの特集が組まれている。9ページにわたり「青い色」を1つのテーマとして「これから、ザリガニの世界の飛び込んでみようと考えているアクアリスト」を主な対象に、ザリガニの魅力や飼育の初歩的事項などをまとめたものだ。また、JCC内部からも、以前から「先輩キーパーの水槽を見学したい」という声が大きかったので、JCC関東を代表する腕利きキーパーであり、機関誌などでもかなり詳しい飼育レポートをお寄せ下さる本谷茂樹氏が誌上に登場! 個体や飼育状況などが紹介されている。
(マロンの学名に関するお知らせ)
ブルーマロンの学名につきましては、本FM誌上より、従来の「Cherax tenuimanus」表記から「Cherax cainii/Cherax tenuimanus」という表記へと変更しております(お気づきになられた多くの方より御質問のメールをいただいておりますが、当ホームページでも、去る4月3日より、ザリガニ図鑑内における同項目の表記を変更いたしました)。JCCメンバーのみなさんにつきましては、以前にもお知らせしましたように会員ボード上で概略経緯を御説明しておりますので、そちらを御確認いただきたいのですが、一般アクアリストのみなさんにも、ゴールデン・ウィーク明けには発表できる見込みですので、今しばらくお待ち下さい。なお、これらに関しましては、シグナル・クレイフィッシュ同様、商業的に2種分けして販売できる性質を持ったものではございません(目視で判別することは事実上不可能です)。最近では良心的なショップもかなり増えましたので、このようなトラブルは少ないものと思われますが、同じマロンに対して、無理やり2つの学名を割り振り「こいつらは別種だよ」といって販売するケースがあるかも知れません。特にJCCメンバー以外の方につきましては、日ごろから信頼できるショップを1〜2軒は持っておくことをお薦めすると同時に、ショップでの購入時にそうしたトークに惑わされることのないよう、充分御注意下さいますようお願い申し上げます。JCCは、今回の種分けに関して「現状の飼育態勢上では何ら関係なく、変化のない学術レベルの問題であると捉え、飼育上差異を設けるべき新種としては一切考えていない」ということを宣言いたします。
JCC機関誌「Cray ON!」1月末いよいよ発行!
平成15年1月20日アップ
平成14年度会員更新期間が終了し、いよいよ平成15年度に突入したJCCであるが、新年度第一弾となる機関誌が、1月末にも発行されることになった。JCCの機関誌は年間3〜4回発行され、学術系情報中心の「SNIP!」と飼育系情報中心の「Cray ON!」の2誌があり、集まった情報によっていずれかが随時発行(原則は交互発行)する体制をとっているが、今回発行するのは「Cray ON!」の方である。今号は、バラッドブルーとクーナックの飼育&繁殖についてがメインで、両種とも未公開の新しい飼育情報や飼育テクなどが満載だ。現在、印刷作業に入っている状況で、早ければ26日(月)ごろより各会員への発送作業が始まる予定となっている。乞う御期待!
(JCC入会を御検討中の皆様へお知らせ)
JCCも、全国より熱意あるザリ・キーパーのみなさんを続々とお迎えすることができ、おかげさまで平成15年度も会員総数が100名を越えております。より楽しい会にすべく、役員一同精一杯取り組んでおりますが、役員も各々の仕事を持っており、自らの飼育に関する時間だけでなく、睡眠時間までも削って会務に取り組んでいるのが実情です(もちろん完全無報酬・・・涙)。つきましては、役員の業務を入会関係以外に専念し、より充実した活動を目指すべく、平成15年度につきましては、1月31日をもちまして、新規会員受付を終了させていただくこととなりました。2月以降は、会員からの直接紹介など、特別の場合を除きましては入会の受付を行わない予定でおります。まことに恐縮ではございますが、入会を御希望の方は、1月中でのお手続きをお願い申し上げます。詳しくは、JCC公式ホームページを御覧下さい。
快挙!鳥羽水族館でザリガニが常設展示へ
平成15年1月10日アップ
昨年の夏から開催され、大きな話題となった鳥羽水族館の特別展「なるほど!ザリガニワ−ルド」であるが、観覧者はもちろんのこと、マスコミや各方面から大好評を博し、12月1日までの開催期間延長のみならず、終了後も常設展示として引き続き展示・見学できることとなった。この特別展は、鳥羽水族館を訪れた多くの人に「ザリガニの魅力」を余すことなく伝えることができた素晴らしい企画であったが、大成功裡に終了した要因は、何をおいても、同館のザリガニ担当学芸員である芦刈治将さん始め、関係スタッフの並々ならぬ尽力があってこそのことである。
その内容の濃さも手伝って、特別展開催期間中、のべ40万人近い観覧者がザリガニ水槽の前を訪れ、ブルーマロンを始めとした多くのザリガニたちを興味深く見学したそうである。一般観覧者のみならず、我々ザリ・キーパーにとっても、日本で初めての「ネイティブ・ヤビー公式展示」という、素晴らしい機会を与えて下さったことは、本当にありがたいという一言に尽きよう。単種単体の展示以外で、複数種のザリガニによる常設展示が実現したのは国内で初めてのことであり、これも我々にとっては大きな喜びであると同時に、ザリガニ飼育界にとっては歴史的な一歩となる快挙である。「ネイティブ・ヤビー」を始め、数多くのザリガニが、これからも末永く展示され、多くのみなさんにザリガニの魅力を知っていただけることを祈りたいところだ。
なお、鳥羽水族館の場所や開館時間など、詳しい情報は、同館ホームページ
http://www.aquarium.co.jp/
を参照されたい。
JCC平成14年度総会開催!
平成14年10月28日アップ
全国のザリ・キーパーが一堂に会するビッグなイベントである「JCC総会」が、去る9月15日(祝)三重県鳥羽市で開催された。
今年度は、JCC結成10周年の節目でもあり、国内有数の規模を誇る鳥羽水族館にて開催されていた特別展「なるほど!ザリガニワールド」の見学を兼ねての開催であったが、当日は、全国より20名以上のザリ・キーパーたちが参集! 特別展の見学はもちろんのこと、水族館及び担当学芸員の方の御厚意により、バックヤードの見学や、各展示個体に関する解説や質疑応答など、他では経験できない非常に多くのことを学ぶことができた。また、夜は、場所を変えての大消毒会(懇親会)を開催! この地ならではの新鮮な海の幸に舌鼓を打ちながら、これまた夜が更けるまでザリ談義! 遠方から参加したメンバーの多くは、矢尾井さんの御尽力により、水族館近くの豪華な宿舎に泊まることができ、ゆったりと楽しむことができた(翌朝、出発時刻寸前まで爆睡していた不届者のオヤジも1名いた・・・苦笑)。集合から解散まで、100%ディープなザリガニ話オンリーで、メンバー一同、大盛り上がりとなった。写真は、鳥羽水族館入口前に集合したメンバーたち(JCC小川さん撮影)。
なお、総会の詳しい模様などにつきましては、追って別ページにて御紹介する予定です。どうぞお楽しみに!
「これが幻の本物フロリダ・ハマー?」輸入開始当時の個体写真見つかる
平成14年9月12日アップ
宮城県にお住まいの佐々木さんという方から、非常に興味深い(懐かしい)写真数枚と、大変貴重な情報とをいただいたので、さっそく御紹介したい。
これらの写真の個体は、一昨年の夏前ごろまで、佐々木さん御本人が実際に自宅で約5年間にわたり飼育されていた個体2匹で、飼育中、いずれも大きなトラブルもなく、年1〜2回の脱皮を続けながら、全長15センチ程度(佐々木さん談)まで育った個体たちだそうである。購入したのは東京の大手総合ペットショップで「メキシコ・パインなんとか」という名前で、詳細は定かでないが、かなり高い値段で買った・・・とのこと。佐々木さん御本人は「その名前から、このザリガニがメキシコに棲息するザリガニだと思ってずっと飼育されていた」とのことだが、最近になって「世界のザリガニ飼育図鑑」を読んだところ、そこで紹介されているメキシコ産ザリガニとあまりにかけ離れているので、疑問に思い、御連絡を下さった・・・という次第である。
一見すると、まるでテナガエビであるかのような非常に長い第1胸脚を持っているので驚くが、体形や体色などから類推すれば、キャンバリダエ科の、しかも今でいうフロリダ・ブルーあたりに最も近い個体ということで落ち着きそうである。
もちろん、それだけではニュースとして取り上げるほどのネタではない。この情報には、我々にとって非常に興味深い問題が含まれていたのだ。それこそが、佐々木さんがおっしゃった当時の販売名「メキシコ・パインなんとか」である。
フロリダ・ブルーは、熱烈なキーパーによって、古くから2種のザリガニが流通していたことが指摘されている。それは、アメリカのハマー氏が作出し、自ら「Procambarus paeninsulanusの改良種」として発表した、いわゆる「フロリダ・ハマー」と呼ばれるグループ(以後Aグループとする)と、それから数年後、Aグループと入れ替わるような形で輸入されるようになり、学術研究者の同定作業によって「Procambarus alleni」種と断定されたグループ(以後、Bグループ)である。平成8年初頭ごろを境に、前者の輸入は完全に止まったままの状態になっており、現在流通しているのは、専らBグループのみとなっている。
さて、Aグループにおける当時の資料を洗い直して行くと、5〜6年以上前からザリ飼育に携わっている人なら聞き覚えがあるはずだが、彼らが初めて「エレクトリック・ブルーロブスター」という名前で日本に輸入されていた(誤解が多いので補足しておくが、この名前で初めて日本に登場したのは、ブルーマロンでなくフロリダ・ブルーの方である)ころ、一時的にある問屋のルートだけで盛んに用いられたインボイスが「メキシカン・パイン・ブルー・ロブスター」であった(「メキシコ種」または「メキシカン・ブルー」とも呼ばれていた)のである。また、ドイツ便で来る同じザリに「ギャビー」というインボイスを与えて流通させているルートもあった。
これらの名前も、やがてブルーマロンの登場による「エレクトリック・ブルーロブスター旋風」が起こると、いつの間にか「エレクトリック・ブルー」に変わることで消え去ったが、少なくともこの名前が使われていたころは、現在流通しているルートでの輸入は一切なく、ドイツやベルギーなど、ヨーロッパの限られたルートから少量しか入ってきていなかった。当時の記録によれば、これらは完全な「ヨーロッパ・ブリード」の個体で、価格も1匹20000円近くしており、当時のメンバー間では、「メキシコのザリガニが、どうして北米便や中・南米便でなく、ヨーロッパ便で入って来るのか?」という議論で盛り上がっていた。
元祖ハマーと呼ぶべきAグループと、現在入手できるBグループとの相違点については、
1)青色の乗りはAグループの方が濃く、紫系の出方はBグループの方が強い
2)ハサミはAグループの方が圧倒的に細長く、体長と同じくらいの長さを持つ個体もいる
3)第1胸脚全体の長さも、Aグループの方が圧倒的に細長く、まるでテナガエビのような印象の個体もいる
(現に、この写真の個体も前節や長節は相当長く、第1胸脚の全長もTLと同等か、むしろ長いくらいだ)
4)確認できる成体のサイズはAグループの方が大きい
などが当時から挙げられていたが、各々の相違内容が、ただでさえ個体差が大きく、判定の難しい部分ばかりであることに加え、ザリガニ飼育ブームが起こり、飼育するキーパーが増え始めるころには、Aグループの輸入が完全に止まってしまっていたことや、それを再検討するのに必要なAグループの標本や残存生体、さらには写真などがほとんどなくなっていること・・・などから、この相違について真剣に検討されることもなくなり、うやむやの状態のまま現在まで至っているのが実情である。
このような中、今回、佐々木さんからお寄せいただいた写真や情報から総合的に判断すれば、この写真の個体は、少なくとも現在入手できる「フロリダ・ブルー」、つまりBグループの系列ではなく、当時ヨーロッパから高価で輸入されていた、Aグループのフロリダ・ハマーである可能性が大きい。また、この写真からは、当時、その双方を見ていたメンバーたちが、その「相違点」の1つとして挙げていた「ハサミの極端な細長さ」など、再検討を加える上で興味深いポイントも、いくつか見て取ることができる。死んだ個体については「庭にお墓を作って埋めちゃいました(佐々木さん談)」とのことなので、現段階では再チェックできないのがツラいところだが、当時のものと思われる貴重な映像ということで紹介することとした。ブルーマロンの陰に隠れて、なかなか桧舞台に登場することのないフロリダ系のザリであるが、このように、魅力的なスタイルや、謎めいたエピソードをいくつも持った素晴らしいグループである。
(お知らせ)
JCCが制作・執筆に協力させていただきました「世界のザリガニ飼育図鑑」では、初版でフロリダ・ブルーに関する学名を「Procambarus paeninsulanus」「Procambarus alleni」という形で併記し掲載いたしましたが、発行後、再度検討をいたしましたところ、
1)ハマー氏が発表した当時の内容だけでは、このザリガニがProcambarus paeninsulanusの改良種であることを科学的に立証できない
2)Procambarus paeninsulanus種自体、学術面で未だ若干の議論があり、確定的な種名として提示するのは難しい
3)ハマー氏が発表したころに輸入されていたルートからの輸入(Aグループ)は、5年以上前の段階で完全に途絶えており、現時点において、基本的にはBグループの個体しか入手できないため、仮にこれらが2種であったとしても、わざわざ併記する意味合いが薄い
4)現在流通しているBグループ(Procambarus alleni種)の方については、学術的な同定作業においても、ほぼ間違いはないことが立証されている
ということで、専門家の先生方とも相談して御意見をいただき、検討を重ねました結果「現段階における最も妥当かつ適切な見解にすべきではないか?」ということになり、出版社の御協力を得て、6月中旬から発行している第2刷改訂版からは、フロリダ・ブルーでの学名からProcambarus paeninsulanusを外しProcambarus alleni種の単一表記のみに変更してあります。あらかじめ御了承下さい。
平成14年度のJCC総会、9月15日鳥羽で実施!
平成14年9月1日アップ
年に1度、全国からザリ・キーパーが集まるJCC最大のイベント「JCC総会」が、来る9月15日(祝)に、三重県鳥羽市で開催されることになった。
当日は、午後1時に現地に集合して、鳥羽水族館で開催中のザリガニ特別展を見学(もちろん、常設展も見学OK! ジュゴンに会えるぞ!)した後、恒例の大消毒会(懇親会)を開催する予定となっている。毎年のことであるが、当日は、全国各地から多くのメンバーが集い、初心者からベテランまで、かなり「濃い」ザリ談義が繰り広げられることになりそうだ。日ごろ、JCCボード上で、多くのみなさんから寄せられる様々な質問に対して、懇切丁寧に回答しているJCC有力メンバーはもちろんのこと、ザリ界をリードする有力サイトの管理者も数多く集合!(北海道のマロン道場主M氏や青ザリ二大巨頭、東のY氏に西のY氏も参加予定・・・とか) 日ごろの疑問や自分の考えなどを直接尋ねることもできる有意義な一日となろう(ちなみに当日、東西両代表2名は、仮に出席していても、奧で飲んだくれているだけでしょうから、使いものになりません・・・苦笑。また、いくつかのスペシャル・イベントも用意されているそうです)。
交通費や飲食費・施設利用料などは自己負担だが、参加費は無料となっている。JCC会員はもちろんのこと、非会員でも同時入会で参加は可能なので、興味ある方はお気軽にお問い合わせいただきたい。
ピーシーズからもザリガニ本が発刊!
平成14年8月16日アップ
今春、マリン企画より発売されたザリガニ飼育単行本「世界のザリガニ飼育図鑑」に引き続き、「アクア・ウェーブ」を発行しているピーシーズから、Profileシリーズの12巻目として「ザリガニの仲間」が発行された。
この本では、日本国内で目にすることのできる多くのザリガニたちをカラー写真で紹介しているほか、ピーシーズの森文俊氏とベテランザリガニ飼育家の植松正樹氏の両氏が、ザリガニの飼育方法や飼育に関係する諸注意事項などを細かく述べておられるので、これからザリガニの世界に進んで行きたいと考えているキーパーには大変参考になる一冊だといえよう。価格は1冊500円で、全国の観賞魚ショップなどで購入できる。
クーナックは、すでに養殖ベースに乗っていた!
平成14年7月27日アップ
先月の純白ヤビー情報に続いてM原氏が届けて下さった情報の中に、クーナックに関する興味深い情報が混じっていたのでお伝えしたい。
日本では、未だ充分な長期飼育事例が確立していないとされるクーナックだが、その割には、ここ2〜3年の間コンスタントな輸入が続いており、しかもここ2年前後で、主だったルートがヨーロッパ便から東南アジア便へシフトしてきていることはよく知られていることである。こういう流れの中で、価格もだいぶ手頃になり、多くのショップで入手できるようになってきたことは嬉しいことであるが、その反面、古くからクーナックを追い続けて来たベテラン・キーパーは、一様に「本来、現地でも食用としての養殖生産種ではないこのザリが、どうしてここまでコンスタントに出回るのか?」ということについて首をかしげていたのも事実である。
M原氏が香港で入手した情報によると、東南アジアの問屋業界では「日本では、黒エビ(=クーナック)が高い値段で売れている」ということがよく知られているらしく、欧米向けが主流でない業者の多くは、何らかの形で、この「黒エビ」を持っており、さらに一部の業者の中には、すでに自前で繁殖を始めている・・・とのことだ(M原氏は、取引先の社長と訪れたショップで、オーナーから「値段が成体と一緒で、しかもロット単位で買ってくれるなら、黒エビの子どもを取り寄せてやってもいい」と言われたそうである。ウ〜ム、買っちゃえばよかったのに・・・苦笑)。
確かに、昨年あたりから一部のショップで1+前後の小振りな個体も出回るようになったし、別のルートから、これを裏付ける非常に興味深い情報も入ってきているので、クーナックに関しては、近いうちに大きな展開があるものと思われる。
また、右の写真は、シンガポール在住のNaomiさんが送って下さった、現地ストック場における出荷前のクーナックである。
初輸入のころに較べると、もはや苦笑するしかないほど無造作なストック状態であるが、その他、送っていただいた何枚かの写真を拝見する限り、こうした個体のコンディションは、当初と比較にならないほどよいものであることが推察できる。こうした流れは、ヤビーもマロンも、そしてレッドクロウも歩んできた道であるが、こうした安定供給は、確実な供給元がなければ不可能であり、しかもこうした、食用サイズには使えないサイズの個体がまとめてストックされていることを総合的に考えると、やはり、現段階ですでに、しっかりとした繁殖技術を確立させていると考えた方が妥当であろう。日本のキーパーも、負けていられない。
(続報は、入り次第アップロードいたします)