1ねん2くみ
アメリカ人とニッポン人
PTAルーム
アメリカザリガニについて調べ作業を進める中で、子どもたちが、まず最初にぶつかるのは、やはりザリガニたちの「素性」についてだと思います。これだけ日本国内で当たり前のように見られるにも関わらず、その名前に「アメリカ」と入っているのですから、その疑問は当たり前だと思います。
大方の予想通り、アメリカザリガニの原産地は北アメリカ大陸、アメリカ合衆国です。ですから「アメリカのザリガニ」という名前の付け方は、極めて妥当だということができましょう。
問題は、そのアメリカにおける具体的なエリアはどうなの・・・? ということになりますが、基本的にはミシシッピ川の中・下流域、アメリカ合衆国東南部の極めて温暖な地域だ・・・ということになります。大人である我々が思い浮かべる都市のイメージとしては、ニューオーリンズあたり・・・ということになりましょうか? 実際、ニューオーリンズ周辺にはアメリカザリガニを料理して食べさせるレストランが数多く存在しており、そのための養殖場や専業の漁師も存在するほどです。まさに、アメリカ南部の文化に溶け込んだ生き物であると言えましょう。
さて、この件に関し、アメリカザリガニの場合であれば、さほど大きな問題にはならないものの、もし、もう少し突っ込んだザリガニの研究をされている子どもや、東北、北海道地区に住んでいる子どもたちの場合、もう1種のザリガニである「ウチダザリガニ」が対象に入ってくると、問題は一気に複雑化します。詳細に関しては、別項にて詳しく取り上げさせていただきますが、ウチダザリガニは、名称的にみると非常に日本っぽい名前であり、その種名から、このザリガニが在来種ではないかと誤解されるケースが頻発しています。
このザリガニは「ウチダ」という名前が付いていますが、在来種ではなくアメリカ原産の外来種です。場所は北アメリカ大陸の北西部沿岸地域、地図では青い星マークが付されたところです。イメージでいうとシアトル近辺のかなり冷涼な地域で、まさに北海道の気候が合致しているといえるでしょう。この種に関するこうした誤解は、今後の自然保護や生物多様性保全に関する学習においても非常に重要なポイントとなりますので、もし、学習の対象にウチダザリガニが含まれている場合には、必ずレクチャーしておいてあげたい部分でもあります。