シナジュウ・・・って?
シナジュウ・・・。ウナジュウ(鰻重)でもなければカイジュウ(怪獣)でもない、少々耳慣れない言葉だと思いますが、首都圏在住で東海道筋のカマ系を追っていた(る)方であれば、大抵の方はピーンとくるのではないでしょうか?
シナジュウとは、そう! 品川駅10番線ホームのこと・・・。東海道線の上下ホームに挟まれた、いわゆる「臨時ホーム」の1つが、この9番線と10番線なのです。独特の静けさと、独特の雰囲気を持ったこのホーム・・・。一般の利用者にとってこれほど縁遠く、鉄道ファンにとってこれほど身近なホームは、他のどこを探しても見つからないのではないか・・・とさえ、思えてしまいます。
そんなシナジュウから多くの臨スジが、多くの珍スジが、そして多くの廃回が出発して行きました。そして、多くのファンたちが、三々五々、ここに集まり、ある時はカメラを構え、ある時は談笑の花を咲かせ、そして、ある時は涙ながらにテールランプを見送りました。
丸一日ゴハチを追いかけるような日は、昼食を11番線の品川丼で済ませ、たっぷりブチ込んだワカメとネギに腹膨らませながら、こうして単2033列車を見送るのが、定番の「ランチタイム」なのでありました。そんな思い出のホーム、シナジュウ・・・。
他の鉄道関係サイトでも申し上げておりますように、今の私は、現役バリバリのカマ屋ではありません。ですから、最近のスジ番もカマ振りも全然といってよいほどわかりません。いつ、どこで、どんなカマがどんな仕業に入っているか、全くわかっていないのです。 「EH」とくれば、その次は「10」としか答えられません。数多くのホームページや雑誌などを拝見しておりますと、最近は「国鉄型ファン」というカテゴライズもできているそうですが、その「国鉄型」しか、私は知りません。私の中では、未だにEF64-1000は最新鋭機で、最強力機はEF66・・・なのです。ですから「EF65がどんどん廃車になっている」などといわれてもピンとは来ず、ゴハチなんて東機か田端操あたりに行けば、いつでも転がっているような感覚から、未だに抜け出すことはできません。昭和から平成に、国鉄がJRに変わって行くちょっと前のところで、私の「鉄時計」は、その針が止まったままになってしまっているのです。
そんな私が開いている「遥かなる追憶の鉄路」サイトも、開設以降、お陰様で多くの方にご評価いただいております。そして、あのシナジュウで、お互いを知らぬまま同じ時間を過ごした、同年代のファンの方々から、「ゴハチの思い出をもっと語って欲しい」という声を数多くお寄せいただきました。ゴハチについては「少年の日の思い出」サイトで完結させたつもりでしたが、押し入れの奥からもう1冊、ホコリだらけのアルバムが出てきたことを機に、別館として新たなコーナーを立ち上げることにしました。情報というよりは、当時を懐かしむための、忘れかけていたあのころの感動を取り戻すためのサイトでありたいと思っております。もしかしたら、今、このサイトをご覧になっているあなたこそ、あの日あの時、私と同じように「シナジュウ」に降り立ち、肩も触れ合う隣同士で、同じ感動を味わいながらカメラを構えていた方かも知れませんから・・・。
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