遥かなる追憶の鉄路・別館
今はどうだか、知りませんが・・・。
その昔、私が現役のカマ屋だったころ、駅で、しかもそのスジが入っているホームから、カマを立て位置で撮影することは「ガキのやること」として軽蔑の対象となる撮り方でした。「ブルートレイン・ブーム」のころ、カメラ片手にブルートレインを撮影する鉄道少年や、「エル特急」に一喜一憂する子どもたちは、ほとんどすべてが、そうした方法で写真を撮影していたからです。
「俺たちは、あんな連中とは違う・・・。見てるだけで恥ずかしい!」
「下回りの写らない写真なんて、何の価値もないよなぁ・・・」
鉄道に興味を持っていない一般の鉄道利用客は、だいたいにおいて誰もそんなことなんて考えてもいませんし、もっといえば、意識すらしていないのですが、何てったって自意識過剰な青春時代のまっただ中・・・。なんの実体もない価値観に身を縛られいたのでした。今から思えば、そっちの方がよっぽど恥ずかしいことなのに・・・(苦笑)。
というワケで「面撮り写真」は本当に少ないのですが、残された写真をペラペラめくって行くと、1枚、また1枚・・・。意外と、コーナー1つを設ける分くらいは撮り貯めていたようです。きっと、誰にも意識されない恥ずかしさを噛み締めつつ、何かの価値を感じて、シャッターを切ったのでしょう。ここでは、そんな「面撮り写真」を、短文ともに紹介してみたいと思います。
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