Nゲージ
〜 EF65 1046号機(高崎機関区) 〜



(京葉線 蘇我 にて)

「駅撮りはしない!」と心に決めた以上、やはり、ホームから撮るのは気が引けます。「なら、駅の改札を出ればいいんだな・・・」
電車賃を10円でも節約しなければならず、それがゆえに改札を出られなかったあのころから比べれば、ちょっとした「贅沢」なのでありますが、それより何より、急ぎの時間に追い回されることもなく、日ごろの喧噪から離れてのんびりと歩くこうした時間が楽しいのであります。スジの時間に自分を合わせるのではなく、自分の時間の中でやってきたスジを、気に入れば撮り、気に入らなければ見送ればよい・・・。カマの写真を撮る人間にとって、ある意味、これ以上の贅沢はないかも知れません。
そんな昼下がりに貨物発着線に入ってきたのは、タキを7輌だけ引き連れたPFの姿でありました。タンカーといえば、今も昔も千葉口貨物の「定番」でありますが、それは、やっぱり20輌近いタキが整然と並んでこその話・・・。躍動感あふれるカマの雄姿と、素直につき従う均整の取れたタキの車列があって、初めてタンカーの「凄さ」ができあがるのであります。いくらシーズンではないからといっても、何だかちょっと、拍子抜け・・・。「アホらし、や〜めた!」と、カメラを下げようとしましたが、ふと思い直し、あえて長玉で思いきり寄せてみることにしました。300ミリ望遠の引っ張ってみると、編成全体が、余計に短く見えます。「ん? 何だか可愛らしいぞ!」そう思うと、やっぱり1枚くらい、撮っておいてもいいか・・・という想いがムクムクと沸き上がってきたのでした。
できあがった写真を見ると、やっぱり寸詰まりで、タンカーの「迫力」はどこを探しても見つかりません。でも、どこか可愛らしくて、どこかオモチャっぽい絵が、そこにはありました。カマ1輌にタキ7輌・・・。いかにも、Nゲージあたりで見られそうな編成です。こんな時、更新3色塗装は最高の「演出」です。PFも、年老いて、温和な顔になりました。

 


もどる