「原色機」だとよ・・・
〜 EF65 1116号機(高崎機関区) 〜
(総武本線 物井-佐倉 にて)
さて、カマを撮りに行こうと決めたものの、現役引退から20年以上も経てば、どこでどんなスジが、どんなダイヤで走っているかもわかろうはずはありません。ネットで簡単にダイヤとカマ繰りを調べ、とりあえず昔のホームグラウンドだった佐倉近辺へ・・・。初夏の爽やかな風が吹き抜ける中、幾度となく佐倉区DD51重連のジェットA-1輸送を撮影した鹿島川脇の農道に立ってみました。ここだけは、昔とほとんど変わっていません。ほのかな懐かしさと、当時の「ドキドキ」が、心の中に蘇ってきます。
そして、踏切の警報機に合わせて、彼方から姿を現したのは、高崎区のEF65PFでありました。昔と同じカメラで、昔と同じく置きピンしたところで、パチリ・・・。目の前を、私にとってはありきたりなPFがゆっくりと走り抜けて行きます。あのころ「なんだよ、クソPFかよ・・・」と吐き捨てた同じカマを、わざわざこうして撮りに来ているなんて・・・。満足で、でも複雑な心境が、私の心を覆います。無常過ぎる時間の流れを嫌というほど身に染みながら、そっとカメラをしまいました。
現像してみると、とりあえずは見れる写真になっています。「昔の感覚は鈍ってなかった」・・・と、ホッとひと息つきながら、のんびりとネットで情報を集めてみると、なんとこのカマ、「原色機」とやらで立派な人気機になっているらしい・・・。おまけにこの撮影場所近辺は「モノ・サク」なんて愛称で、ファンの間じゃ有名な撮影地になっているらしい・・・。大ハズレと吐き捨てていたカマと、誰にも相手にされなかった場所が、今や人気機に有名ポイント・・・。改めて、20年間というブランクの大きさを痛感した再スタートのひと幕でした。
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