ジャンクショップ・・・とは



それでは、さっそくジャンクショップにトライしてみましょう。ジャンクショップとは、すでに申し上げるまでもなく、ジャンク物のパソコンや部品を販売するショップで、前項でも触れました通り、中央通り沿いのエリアではなく、一歩奥に入った通り沿いなどに点在しています。要は「とにかく目立たない!」ということ・・・。取り扱うマシンやパーツの種類・値段は、ショップごとに全く違いますし、同じショップでも、時期によって在庫の量も傾向もガラッと変わってしまうのが普通ですが、この写真のように、数年前ン十万円だったようなマシンの数々が、店頭に無造作に積み上げられていますから、注意して歩いていれば、通りに面したショップなら、すぐにわかるはずです。
そんなマシンの「値段」も、初めて見る目には驚きのものばかり・・・。「動作はします」なんて書かれているマシンが、900円台で平然と売られていたりします。この光景、今でこそ普通に眺められるようになりましたが、最初のころは、嬉しいような悲しいような、ちょっと複雑な心境でした。

「ジャンクショップ」といえば、忘れてはならないのが、この「地べた置き」の商品群でしょう! マシンや筐体なんかはもちろんのことですが、ケーブルやキーボード、そしてパーツなどが、ダンボール箱や通箱みたいなものに無造作に放り込まれ、ショップの外側などに、ゴソッと置かれています。初心者ジャンカーである私たちにとっては、まだまだ敷居の高い「箱モノ」たちですが、先輩ジャンカーさんに言わせると、「こんな箱の中から、どれだけ掘り出し物を探し出せるか・・・が、腕の見せどころ」だそうで・・・。ウ〜ム、早くここから「お宝」をゲットできるような身分になってみたいッ!


さぁ、それでは実際にショップへ入ってみましょう。ジャンクショップ巡りをする際、やはり最初の何回かは、事前の下調べをしてからお出掛けになることをお薦めします。雑誌やネットなどで、ショップの場所や営業時間・定休日などを確認し、できれば簡単な地図を用意してから出掛けることがベストでしょうね! 
この写真は、ジャンカーさんにとっては有名すぎるほど有名なショップである、「クロスオーバー」「湘南通商」への階段! 小さな雑居ビルがあって、その目立たない入口の向こうにあるのは、転倒即転落・・・とでもいうべき、超急傾斜の階段! こんなところを登った先に、私たちにとっての「パラダイス」が待っているのです。ね! 初めて秋葉原に行く人には、探しづらいでしょ? 何度か通った経験があったり、よほどの天才的地理勘のあるような人でもない限り、事前準備を全くしない状態で、目指すショップを一発で探し出すのは大変だと思います。大小合わせてン千ものショップが軒を並べる秋葉原を、あなどっちゃいけません。


目立たない入口を何とか探し当て、そして、勇気を持って奥に進んで行きます。きらびやかな中央通り沿いのショップと違って、入口がメチャクチャ狭かったり、階段の電球が切れていたり・・・と、ちょっと怪しげな雰囲気が漂っているところも多いのですが、頑張って進みますと、たいていの場合、こんな感じでショップの入口が見えてきます。「あ! あったぁ〜! 見つけたぞぉ〜!」 喜びの瞬間ですよね(嬉)。
入口の向こう側には、懐かしいマシンや周辺機器、そしてジャンクショップの「神髄」とでもいうべき豊富なパーツ群などが、ところ狭しと並べられています。ショップによって、取り扱うマシンやパーツ、得意なジャンルに違いがありますから、1軒1軒、丹念に見て回りながら、自分のお目当てを探して行くのです(・・・とはいっても、実際に見て歩いているうちに、思わぬモノに出会ってしまって、ついつい衝動買いしてしまうことも少なくないんですけどね!)。


ホラ、このショップにも「地べた置き」の商品がありました。筐体、ケーブル、そしてパーツと、ここにあるモノだけで、ひと通りマシンを組み立てられそうな気がしますよね。それもそのはず・・・。こうしたパーツ類は、仕入れた中古マシンを分解し、高値で売れるパーツや、需要が多く、使い回せるパーツを取り除いた「残り物」なのです。ジャンクショップに入荷した中古マシンは、マシンとして売られるよりも、このようにバラして売られることの方が多いのかも知れませんね。取り出したパーツは、当然店内のショーケースの中に鎮座しているわけですが、こうして「箱入り」になってしまったものが、すべて「ゴミ(ジャンク)」かというと、決してそうではありません。


さて、ショップに並んでいる商品を見る前に、こうした箱の中をちょっと覗いてみましょう。1枚10円のジャンクメモリに1個50円の機器・パーツ類・・・。電源付きの筐体が、1個200円・・・。もちろん、こんな感じで売られているモノに、動作保証などあるわけもなく、実際、壊れているケースが圧倒的なのですが、先輩ジャンカーさんのお話によれば「ちょっと直せばすぐに復活する」ものや、「大量に仕入れ、チェックが面倒臭いから、まとめて処分しちゃう」ものも、意外と多く含まれているそうです。で、ある程度馴染みになれば、そうしたことまで教えてくれることも少なくない・・・とか。そういう目で見ると、確かに「いかにも生き返りそう」なパーツも、見え隠れしていますよね!


いよいよ、ショップに入ってみましょう。懐かしいマシンや憧れだったマシン、そして、指をくわえて眺めていたマシンが、ビックリするような値札をつけて売られています。また、マシンだけではなく、生産中止になった旧規格の周辺機器やサプライ用品なども、そのまま売られていたりします。じっくりと見て、お気に入りのモノに出会えれば、本当にラッキーですよね。
そして、本命のパーツ類・・・。少々古くなり、新品への切り替えを検討しなければならないようなマシン用のパーツも、こうしたショップであれば、いとも簡単に入手できちゃうことがあるんです。しかも、たいていの場合、店員さんは、そうした事情を熟知したエキスパート! きちんと説明すれば、かなりマイナーなパーツでも、在庫の有無をチェックしてくれます。




 こうして「ジャンクショップ・デビュー」を果たせれば、まずは第一関門突破! これをクリアしたら、とにもかくにも、様々なジャンクショップを、自分の足で回ってみましょう。ショップの傾向・特色・値段・そして、店員さんとの相性・・・。何度も何度も通う中で「マイ・ショップ」を見つけることができれば、より充実した「ジャンカー・ライフ」が送れることでしょう。