ロジックボードにアクセスしよう




このマシンは、いわゆる「一体型」ではないので、まずは周辺機器への接続コード類を丁寧に抜いて行きましょう。この時「どのケーブルが、どのコネクタに接続されていたかをしっかりと覚えておくようにします。忘れっぽい人は、メモしておいた方がいいかもしれませんね。マックの場合、コネクタ同士の接続ミスがないよう、基本的には、挿す方と挿される方の両者に同じマークがあしらわれていますが、サードパーティ製のマシンやケーブルなどの場合、ここまで配慮されていない場合もあるので、うっかり挿し間違えてしまうこともあるんです(かく言う私も、バッチリ経験済み!)。また、コネクタの中には、ネジ止めがされている場合もありますので、無理に引き抜くのは禁物です。断線の危険を避けるため、ケーブルを持たないようにして、ゆっくりと、まっすぐに引き抜きましょう。ネジ止めがされているコネクタは、きちんと最後までネジを外してから抜くようにします。




ケーブル類を全部抜いたら、マシンを作業しやすい広い場所に移します。作業の準備が完了したら、マシンを前面下から覗いてみましょう。上から見ている時には意外と気がつかないものなのですが、前に張り出しているフロントパネルの両下部に、四角いボタンのような留め具(赤い矢印の部分)があることに気がつきます。マシンは、これでもって上蓋を固定していますので、これを両方とも奥の方へ押し込んでやりましょう。これが引っ掛かっているうちは、マシンの上蓋を外すことができません。気をつけて押し込んでやると、カチッと音がしますので、よくわかると思います。




先ほどの留め具を左右とも押しながら、上蓋を少し前方にずらしてみます。初めて開ける場合は少々固い場合もありますが、普通は簡単にはずれます。長らくメンテナンスをせずに使い続けたマシンですと、この時、ホコリがボロボロっと落ちてきますね。思わぬトラブルを避け、マシンを末永く使うためにも、改造やチューンアップとは関係なく、こうした部分の定期的なクリーニングは、欠かさずやっておいた方がよいでしょう。
なお、上蓋をはずす際、マシンは立てておかず、普通の設置状態と同じ形で始めるようにします(よく、写真撮影のために、マシンを立てた状態で上蓋をはずしている場合がありますが、立てたまま外しますと、外れた瞬間、中の筐体が後ろ側に倒れてしまうことがあります。





上蓋は筐体から完全に外すことができますので、最後まで抜き取ってしまいましょう。これを外しますと、いよいよ「無骨」な筐体と御対面・・・です。こうして見ると、改めて外観のデザインが秀逸なものだったことが実感されますよね! こうした部分こそが、アップルの真骨頂だったりして・・・。
取り外した上蓋は、作業の邪魔にならないように、脇へ置いておきましょう。





いよいよロジックボードへとアクセスして行くことになるのですが、ここから先は「静電気パチリ=即アウト」の世界! 作業中、静電気でマシンにダメージを与えることがないよう、自分の身体とマシンとの電位を同じにしておきます。帯電防止バンドなどを巻いておくと有効ですが、作業にかかる前に、電源ボックスなどの金属部に軽く触れておきます。私もどちらかというとそうなのですが、いわゆる「静電気持ち」の方(冬になると、あっちでパチパチ、こっちでパチパチ・・・の人)は、特に注意が必要です。「おい、これから中をいじらせてもらうぞ、よろしく頼むぜ!」みたいな御挨拶のつもりで、必ずやるようにしましょう。




このマシンの筐体は、いわゆる「2階建て」の構成になっており、上層に電源ボックスや各種ドライブ類が収納されたユニット、下層にロジックボードなどのユニットというレイアウトになっています。ロジックボードへアクセスするためには、この上層部分をどけなければなりません。筐体を正面から見た左側部分に、プラスチック製の中蓋みたいなものがありますので、まずはそれを外側に開きましょう。これには留め金みたいなものがありませんので、ゆっくりと持ち上げて行けば、簡単にめくれてゆくはずです。上から覗くと、奥にロジックボードの姿が見えてきましたね。




筐体の上層部分は、2つの留め具で固定されています。まずは向かって手前側の留め具を外しましょう。これらはフック状になっているので、これを奥側(内側)にずらしてやります。完全にずらさないと、後で持ち上げようとした時にうごきませんので、カチッと音がするまで動かしておきます。




続いて奥側の留め具を外します。要領は同じですが、こちらは手前側(内側)にずらしてやります(留め位置が異なるため)。
なお、こっちの留め具は、写真でもすぐにおわかりいただけます通り、すぐ下にCPUのドーターカードがあったりしますので、気をつけて外すようにしないと、力のはずみで、カードを傷つけてしまうことがあります。





前後両方の留め具を外したら、いよいよ筐体の上層ユニットをどけて行きます。これは、先ほどの中蓋とは反対方向に跳ね上げて行く方法を取りますので、同じく外側に、ゆっくりと持ち上げて下さい。中蓋とは違って、相当の重さがありますので、両手で持ち上げてやりましょう。ユニットには、持ち上げ用の小さいフックがついていますので、これを利用してもよいのですが、重いし、丁寧に持ち上げたい・・・ということで、今回は下側から持ってみました。この上層ユニットは、ほぼ直角に持ち上がるはずです。この時、ホコリがモワッと上がるようでしたら、日々のメンテナンスを怠っている証拠・・・。ヤバいですぜ!




これが、そのフックですね。上層ユニットに見えるハードディスクの横についています。しっかり持てれば、ここを持って引き上げる方法がよいのですが、この写真でもわかる通り、何分小さいフックなので、注意も必要です。




上層ユニットを持ち上げる時は、やはりフックを持って持ち上げた方がいいです。両手で持ち上げるのもいいですが、その時にドーターカードとぶつかったりすると、後でヤバいことになったりします。できるなら、フックを持った方が絶対に安全です。(ハンドルネーム赤リンゴさんからの御指導)




話がちょっと前後してしまいましたが、この時、上層のユニット上面外側についている短いステーを、外側にクルリと跳ね出しておきましょう。このステーは、上層ユニットを立てたまま作業する時に、重いユニットをしっかりと支えてくれるものです。うっかりブラブラさせたままでいますと、最悪、上層ユニットがそのまま倒れてしまうことがあります。要注意!




ステーを完全に出すと、こんな感じになります。




上層部分をしっかりと持ち上げたら、中にあるステー(赤い矢印の部分)で、しっかりと固定しておきましょう。「絶対になければいけない」というものでもないのですが、特に私たち初心者は、基本に忠実に、しっかりと固定しておきたいものです。
このステー。意外とヤワなところがあって、立てたまま戻そうとしたり、半端な状態で立てたりしておきますと、折れてしまうことがよくあるものです。気をつけて、留め忘れや外し忘れのないようにしましょう。中古のマシンですと、すでに折れたり、取れてしまったりしているものも結構ありますものね。





ステーでしっかりと固定すれば、いよいよ完了! マシンの「心臓部」である「Type TNT」ロジックボードが、手に取るように眺められますよね。ロジックボード関連の改造やチューンアップは、いよいよここからスタートです!




念のため、上層ユニット部のステーが完全に接地しているかどうかをチェックしてみて下さい。ここがしっかりと踏ん張ってくれていないと、作業中に筐体がグラついたり、倒れたりする場合があります。ベテラン・ジャンカーなら当たり前すぎることでも、我々初心者ジャンカーにとっては、大切なことですよね!