家賃ゼロの「稚ザリ用天然餌&シェルター」だぞぉ!
〜水槽導入用クヌギ葉を用意する〜
その4 さぁ、完成だ!
何度かの水換えを経て、漬け込みから約6ヶ月程度経った枯れ葉の様子です。紅茶のような水の色もさることながら、枯れ葉の色自体が、かなり黒っぽくなったのにお気づきでしょうか? この「漬け込み期間」については、佐倉でも本当に長い年月を掛け、色々な期間のものを作り、試してみましたし、多くのキーパーさんのご意見を集めつつ、検討して参りましたが、腐らず、しかも葉脈までキッチリと喰い残しなく食べてくれる状態・・・ということで考えると、やはり4〜6ヶ月くらいの期間がベストであろう・・・という結論に至っています。例年、12月ごろに漬け込みを始め、途中、2〜3回の水換えを経て、ゴールデン・ウィーク明けくらいに水上げをする・・・という感じでしょうか? 1〜2ヶ月では、どうしても硬い部分の喰い残しが出てしまい、フィルターへの負担が避けられませんし、漬け込み期間が長くなり、夏場付近に差し掛かってしまいますと、今度は枯れ葉自体が腐ったり、変質したりしてしまいます。地域や葉の質、あるいは漬け込みの量などによっても変わってくるとは思いますが、ちょうどこんな感じになりましたら、とりあえずは「いい頃合い」・・・ということになりましょうか。
もちろん、その場で軽く水洗いをし、水槽に投入しても構いませんが、最初にも申し上げました通り、基本的には「1年間分」ということで作るのが普通ですので、これから来年のゴールデン・ウィークころまで、少しずつ与え、使い続けて行くことになります。前述の通り、このまま水に浸けておくと、葉自体が悪くなってしまいますので、この段階で水を抜いてしまいましょう。水を抜き終わったら、1枚ずつ丁寧に広げ、陰干しをしておければベストですが、とりあえず充分に水を切り、風通しのよい状態で保存しておくようにします。
そして、充分に乾燥させれば、完成です! いかがです? 色も全然違うでしょ? 充分に乾燥した後は、飛び散らないように保管しておき、適当な量を、適当な間隔で与えてあげるようにします。下手に密閉したり、暑いところに置くと、腐ったりカビたりする場合もありますので、充分に乾燥させることと、涼しく風通しのよいところに保管することは忘れないようにしましょう。
できあがった漬け込み枯れ葉をアップで見てみましょう。生葉特有の有毒成分は一切心配しなくてよいですし、無駄なく食べてもらえる分、フィルターへの負担も小さく、しかも通年で使用できるスグレモノです。水の吸い込みもよいので、食欲減退期や、喰いの細い個体などの場合、PSBなどに漬け込んだり、サナギ油をスプレーして与えるという裏ワザもOK! 時間と手間が掛かった分、キーパーの思いのままに使える点が嬉しいですよね!
最後に、時系列で枯れ葉を並べて、比較してみましょう。左から、未漬け込み葉、1ヶ月漬け、6ヶ月漬けの順です。いずれもカラカラに乾かしてありますが、それぞれに色や様子が違うことがわかりますね。そして、手間を掛けることで、どれだけ食べやすくなってきているかということもおわかりいただけるはずです。また、6ヶ月漬けのものでも、いわゆる腐葉土とは全然異なる状態であることも一目瞭然ですね! 観賞用として貧相ですが、あくまで「ザリガニのために一番安全で、一番都合のよい」枯れ葉というものを考え抜くと、どうやら、こうした形に行き着くようです。細かい基準や方法には違いがあるものの、枯れ葉を十年以上使い続けているキーパーやブリーダーが、不思議とこのスタイルに落ち着いている・・・という事実が、ホント、妙な説得力になっているのが不思議ですね。そして、こうした知恵と工夫の結晶が、ちょっとの手間と時間とを掛けるだけで、誰でもタダで手に入れられるのが嬉しいものです。枯れ葉集めは、秋の終わりから春の始めまで行なうことができます。みなさんも、ちょっとした休日でも、散歩気分で森に出掛けてみてはいかがですか? 楽しいことが、他にもいっぱいある・・・かも知れませんよ!