家賃ゼロの「稚ザリ用天然餌&シェルター」だぞぉ! 
〜水槽導入用クヌギ葉を用意する〜



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 ザリガニの基本食が腐植(デトリタス)であることはよく知られていますが、水槽内でこれを人工的に作ることは不可能に等しく、個体に食べてもらう以前に、水を大きく傷めてしまうことがほとんどです。また、水草の投入も、場合によっては大量の突然死を引き起こす場合もあり、決して安心して与えられる餌とは言い切れません。そこで、大半のキーパーさんは、植物質の配合飼料や、野菜・根菜類を与えることで、こうした栄養分をカバーしてきました。そのような中、一部のキーパーの間で、古くから使われてきたのが「枯れ葉」の投入です。「ザリガニ餌図鑑」にもありますように、枯れ葉を餌にする事例といえば、もともと、アロワナの色揚げ用として輸入され始めた「マジックリーフ」をザリの餌として転用する事例が最近多く見られますが、基本的な用途が異なる上に価格も高く、ましてや元々ザリたちの棲息地に生えている葉でもないわけですから、高いお金を払って購入し、わざわざこうした輸入葉を利用しなければならない積極的な理由もありません。また、一部のキーパー間では、ホームセンターなどで販売している腐葉土を与える技法もありますが、薬剤や針葉樹葉など、ザリにとって少々怖い素材が含まれている危険性も拭いきれないものです。湯煎なども手間が掛かりますから、継続的に与えて行くには、現実的でないのも確かでしょう。
 そこで今回は、手軽で、しかも安全な「飼料兼シェルター」になる水槽導入用クヌギ葉について、じっくりと御説明いたします。これは、佐倉だけでなく、多くのベテラン・キーパーがザリガニに与えることを前提に考え、改良してきた方法で、最近一部で販売されるようになった「ザリガニ用枯れ葉」よりもかなり黒く、形も変わっていることがわかると思います。もちろん、現在売られているもののように、枯れ葉をそのまま与える方法もありますし、一定期間アク抜きして与えても問題はありませんが、新しい葉のままですと、喰い散らかしも多く出ますし、長期の保存がききません。その点、この方法であれば、食べ残しが飼育水を傷めるようなこともほとんでなく、外出などで投餌間隔が開く時などの「耐久性飼料」としても活用できます。もちろん、生まれて間もない秋仔の越冬用としては、むしろ流木以上に有益なシェルターにもなるという、真のスグレモノ! よく食べてくれる上に、餌代はゼロ! 佐倉では10年以上前からの定番アイテムで、毎年晩秋から年末あたりに漬け込んで、翌年の春あたりから使い始め、次の年の繁殖シーズンまでしっかりと使わせてもらっています。集めてきても、思うように使えるようになるまでには少々時間が掛かりますが、近所に適当な公園や雑木林があれば、誰でも簡単に作ることができますよ! 何から何まで「買う」のではなく、たまにはこうした「手作り料理」を振る舞ってやるのはいかがでしょうか?