どうしてスポンジフィルターを使わないのか?
スポンジフィルターは、手軽に濾過容積を確保できるだけなく、吸水口などにセットすることで物理濾過を利かせることができますので、濾過槽への負担も減らすことができる・・・という、極めて優れたフィルターです。本来であれば、水を汚しやすく、濾過層への負担も大きいザリガニ飼育の場合、余計に使いたくなるものですよね。
それなのに、どうして使用が不適なのか・・・といえば、それはザリガニがスポンジを餌と認識し、ちぎって食べてしまうからなのです。
右の写真は、ザリガニ水槽に1年ほど投入してみたスポンジフィルターの様子です。明らかに喰いちぎられているのがご理解いただけることでしょう。これは、懇意にしているショップさんの在庫処分で安く譲っていただいた、テトラ社のディスカス用大型スポンジフィルター「ブリラントスーパープロ」(現在は廃盤)ですが、直径15センチくらいのどデカいスポンジが、たった1年間で、ものの見事にここまで喰い尽くされてしまいました。
ザリガニからすれば、濾過層が機能し始めてくることで様々な微生物が付着するほか、様々な物質が染み込んで行くことで、スポンジ自体が、ある種のデトリタスに近い状態になるワケですから、「喰うな!」ということ自体、無理があるのでしょう。シュリンプなどと違い、物を挟んで掴める胸脚は、こういうものをちぎり取るのには極めて好都合なのです。一般の方々からしますと「ザリガニもシュリンプも飼い方は同じ」というように思われがちですが、元々の体構造から見ても、飼育方法に違いが出てくるのは当然のことかも知れません。