濾過マット(物理濾過)の重要性
揚水ポンプのスイッチを入れ、いよいよ水が回り始めました。マットも新品で、しかも綺麗な水を回しているはずなのに、出水口のところに目をやると、ホラ・・・。(水槽自体が使い回しのものであるということもあるとは思いますが)早くも汚れが出始めていますね。
本編でも触れております通り、ザリガニは、呼吸システムの構造上、一般的な観賞魚などよりもはるかに水を汚しやすい生き物なのです。これを、生物濾過や化学濾過などだけで語ろうとすること自体、非現実的であるといえましょう。
観賞魚における一般的な濾過の概念から考えますと、物理濾過はあくまで補助的な、いわば「前段階」としての位置づけがなされており、ショップなどの陳列棚を見ていても、多彩な生物系濾過材の片隅に、数種のマットが並んでいるだけ・・・という状況が一般的です。そうなってくれば、当然、店員さんもお客さんも、こうした生物濾過系商品ばかりに関心を持つのが普通だと思いますが、ザリガニ飼育の場合、むしろこれは本末転倒であるかも知れません。水槽のサイズによっては、当然、濾過槽の規模やスペースも限られてしまうこともありましょうが、場合によっては生物濾過のスペースを縮小してでも、キッチリと「濾し取る」スペースを優先的に確保することが何より肝心なのです。「ザリガニ飼育にとって、底面濾過はリスクが高い」という考え方も、こうした要素から見つめて行けば、違った意味でハッキリと見えてくるものですね。