ゼオライト材の取り扱い
私たちは、ひと口に「ゼオライト」と呼びますが、「ゼオライト」というのは、その素材の構造的特徴をもとに括った言い方であり、素材自体の素性や性質がすべて同じであること示すワケではありません。また、採掘された天然素材をそのまま製品化しているのもあれば、工業的に人工生成されたものもあり、さらに観賞魚界を含めたペット向け製品の中には、見栄えをよくするために色の異なる複数の素材をブレンドさせたものも数多く見受けられます。今回、こうしたゼオライト自体の評価や課題などについては項を改めることとしますが、素材自体がその性質上、基本的に軟質なものばかりであるため、必然的に粉化しやすいことを知っておく必要はありましょう。そうした意味で考えれば、使用前のきちんとした洗い流しは必須です。
ゼオライトを袋から出し、最初に水を注いだのが左の写真です。この濁りは汚れではなく、粉化したゼオライトの破片ですが、このまま使えば、当然他の濾材にダメージを与えてしまいますし、収容する個体に対してもよい影響は与えません。何度も水を取り替えながら、お米をとぐ要領で、何度も何度も洗って行きましょう。素材の硬さを考えれば、あまり力を入れて洗うと逆効果です。製品にもよりますが、この濁りは意外と頑固で、数回程度の洗いでは消えてくれません。少々面倒ではありますが、右の写真のようになるまで、しっかりと濁りを落とすことが大切です。
ゼオライトのみに限ったことではありませんが、こういう粒状濾材の場合、その後の管理(メンテナンス)をきちんと行なうことは非常に重要であり、そのためにも、セッティングにあたって出し入れをしやすくしておくことは必要不可欠です。そのため、バラバラに投入するよりも、袋などに入れてブロック単位化する配慮も必要でしょう。ショップに行けばこうした濾材を収納するための専用ネットも販売されていますが、左に写真のように、最近では、100円ショップでも様々なサイズや形の洗濯用ネットも販売されており、これを流用するのも1つの方法です。使用を予定している濾過槽のサイズや形に合わせて選ぶようにしましょう。なお、あまり過敏になる必要はありませんが、錆びの発生と溶出を避けるため、ファスナー部が金属ではなく、プラスチック製のものがあれば、なお好ましいはずです。充分に洗ったゼオライトは、右の写真のようにネットへと納めて行きます。
セットアップしたゼオライトは、念のため再度洗います。前もって充分に洗ってあるので、注水しても水はほとんど濁りませんね。
なお、この手順を逆にすると、洗い回数が増えてしまうばかりでなく、ファスナーの機能が低下したりなど、ネットにもダメージが出てしまうことがあります。ゼオライトに限ったことではありませんが、事前の洗浄が必要なタイプの濾材は、必ず洗浄を済ませてからネットに入れるようにしましょう。何事も「急がば回れ」なのです。