生物濾過用濾材の素材と形状

 ザリガニに限らず、観賞魚飼育の世界で「濾過」というものは非常に大きなテーマであり、特にこの「生物濾過」に対するアクアリストの興味や意欲は尽きないものです。必然的に、これに関する商品も非常に多く、それに加えて毎年毎年、様々な素材や効能を謳った商品がデビューしているのが実情です。こうした状況の中、ザリガニ飼育という点から、私たちはどういう要素に着目して選んだらよいのでしょうか?

 ショップの陳列棚を眺めていますと、生物濾過のための濾材にも、実に様々なものがあることがわかると思いますが、その中でも勢力を2分するのが、セラミック素材とグラス素材の2つです。いずれも多孔質素材で、バクテリアが棲みつく表面積が高く確保されているのが特徴であり、これに様々な付加価値が付けられて商品化されているのが普通です。これらの謳われている付加価値の中には、あたかも100%万能であるかのような魅惑的なものもなくはありませんが、本編でも触れました通り、どんな濾材であろうと、換水に勝る濾過はありませんし、また、それを省くことはできないと考える方が現実的だといえましょう。となると、観賞魚用として作られたものでさえあれば、素材自体の違いはさほど重要ではないことになります。確かに、ハイテクを自負する商品であれば、効果もそれなりにはあるでしょうが、こうした効果を過信しないことも、安定した飼育を続けて行く上では大切なことです。

 これらの濾材に関しては「どのような形状のものを選んだらよいか?」というお尋ねも少なくありません。実際、商品をあれこれ見てみますと、リング、マカロニ、コンペイトウ、クランブル・・・と多種多彩! これはこれで、きちんと水が通ってさえくれれば構わないのですから、あまり神経質になる必要もないのですが、強いて挙げるとすれば、ザリガニ飼育の場合、リングまたはマカロニ状の濾材を選択する場合が多いはずです。これは、濾材として適確であるという理由ではなく、その形状が、独り歩き開始直後の稚ザリにとって、非常に好適である・・・ということ。特にこの時期、濾材としてではなくシェルターとして水槽内に投入する人も少なくありません。確かに、サイズに合わせて上手に使い分けられますし・・・ね。

 今回、本編ではだいぶふざけたことを申し上げているように思われた方も多いでしょうから、その勢いに乗ってもう1つ!

 実は、プロの間で最も高い支持を受けている生物濾過素材、実は「コレ」・・・なんです。これだけハイテク商品が売られている現在にあって、何を今さら・・・と思われる方もいらっしゃるでしょうが、実はこれが厳然たる事実なんですね。ところが、本編では「コレ」が登場していません。一体ナゼ・・・? 理由は、そのうち明らかになります。