私たちの考える「真のザリ好き」とは・・・
ザリ好きの定義は人それぞれであり、それらがすべて「その人なりの正解」であろうことは充分に踏まえた上で、私たちが四半世紀に渡る活動の中から導き出した、私たちなりに考える「真のザリ好き」とは、このようなスタンスをお持ちの方であろう・・・と考えております。私たちは、このようなお考えをお持ちの方と、何年も、いや、何十年も一緒に手を携えながら「ザリ道」を邁進して行きたいと強く考えております。
- 「ザリガニ」自体のことが本当に好きである方
私たちは、JCC時代からも含め、ザリガニを「飼う」ことが好き・・・ということ自体、否定はしてきませんでした。そして、元々、半数以上のメンバーは飼育畑出身であるということも事実です。しかし、ただ「自分の水槽で飼う」という一点だけにこだわり、その立ち位置だけでものを見、考え、動いて行く限り、ザリガニの本質など到底見えないだろうことも、これまた疑いようのない事実です。「目の前で起こる事実が、すべてを物語る」という、一見もっともらしい考え方も、結局は、机の上に置かれた水槽という限られた状況だけでしかモノを考えられない、まさに「机上の空論」となってしまうワケです。
ただ単に珍しいザリガニを、他人の持っていないザリガニを、ただ自分の手元へ持ち込み、自分の水槽へ納めることだけにしか興味を示さず、それさえできれば満足だ・・・という「動くフィギュアのコレクターさん」や、水槽という「机上の空論」だけでしか物事を捉え、考えることしかしようとしないような方は、きっと私たち以外に適したグループや団体があることと思います。
生き物が大好き、自然が大好き・・・と、口で言うのは簡単です。しかし、行動がそれに伴わなければ、意味がありません。どんな美辞麗句を並べようとも「自分の水槽で飼育できないザリガニに興味はない。絶滅しようと他の生物に迷惑をかけようと、関係ない」というスタンスの方は、他の団体へのご加入をご検討下さい。
飼うことは嫌いじゃないし、珍しいザリガニだって大好きだけれど、たとえそのザリガニを飼育できようとできまいと、ザリガニが好きな気持ちに変わりはない。棲息地でザリガニを見つけて眺めるだけでも心が躍る・・・というような方こそ、真の「ザリ馬鹿」だ・・・というのが私たちの考えです。私たちは、研究機関等の協力要請に基づき、希少種や保護個体など、そういうコレクターさんが、いわゆる「カネを出しても法を犯してでも飼ってみたいザリガニ」の飼育研究や飼育試験協力なども、状況に応じて行なう可能性がありますが、それは、一般的な意味でも「会員サービス」とは全く異なるものです。私たちの団体に加入すれば、必ずそういうことが経験できる・・・とも思わないで下さい。
- 「待ち」ではなく「攻め」の姿勢で向き合える方
私たちが目指している団体の姿は、旧JCC結成当初に掲げた基本的理念と同じく「志を同じくするメンバーが、共に切磋琢磨しながら伸びて行く団体」であって、「誰かが誰かに対し、一方的に何らかのサービスをする団体」ではありません。従って、仲間に入るというだけでは、私たちにとっても、その人にとっても、何らプラスになるものはありません。仲間に加わり、ただひたすら「何かしてくれることを待ち続ける」くらいなら、加わらない方がよほどマシです。
私たちの団体は、会費などの制度は設けておりません。ただし「タダだから何でもいいや」的なスタンスで臨もうとも思ってはおりません。ザリガニというテーマ自体「匿名のまま自らの名前も明かさず、自らに責任も持たぬままカネだけ払って貰えるものだけ貰う」という無責任な関係だけで成立するとは思っておりませんし、そんなスタンスで解決できるような陳腐なテーマに取り組んでいるワケでもない・・・と思っております。
よく「初心者だから、意見を言うのは恥ずかしい」「専門的知識もないから、話題に突っ込めない」という声を聞きますが、それは大きな間違いです。私たち自身、そうした未熟な立場を顧みず、常に積極的なアクションを心掛けてきました。確かにその中には、専門家の方からすれば、それこそ「笑っちゃうような」内容もあったかも知れませんが、反面、専門家やベテランには決して気づき得ない部分にも突っ込めたという自負があります。ですから、むしろ、そういう方こそ、積極的に動くことが大切だと思いますし、そうした姿勢を最大限に尊重し、敬意を払って受け入れる姿勢が、私たちの基本です。
様々な行事などを通じ、知識や経験、立場や環境のワクを越えて自らの体験や意見をぶつけ合い、苦しみ合い、力を出し合って全員が伸びて行くことを目標にしています。年齢、性別、経験の有無は一切関係ありませんが、本気でザリガニを極めて行こうという積極的な姿勢だけは絶対必要条件です。「この団体に何かをしてもらいたい」という方ではなく「この団体で何かをしたい」という方だけを、私たちはお待ちしています。
- 広い視野でザリガニと向き合える方
現状、日本におけるザリガニの存在には、2つの側面があります。1つは、絶滅の可能性を持つ保全対象として積極的にバックアップして行かねばならない・・・という側面。そしてもう1つは、他の生物や環境にとって脅威となり、場合によっては駆除の対象ともなるべき側面です。ザリガニに限らず、こうした2つの側面を持つ生物においては、様々な立場や様々な思惑から、様々な意見が出ているのも事実です。そして、非常に残念なことではありますが、自らの立場や思惑のみに立脚した「もっともらしい正論」を振りかざす姿も、あちこちで見られるものです。
このような中、私たちとしては、あくまで「地球という大きな水槽」の中で、ザリガニを捉え、向き合って行きたいと考えております。自らの欲望を実現したり、あるいは正当化させたいがために詭弁を弄したり、そのために主張の理論武装を図るのであれば、それは「ザリガニが好き」なのではなく「自分の欲望が好き」というだけに過ぎません。私たちは、常に地球規模でザリガニを見、ザリガニを愛して行きます。常に、こうした視点からザリガニと向き合える方を、私たちは歓迎します。
私たちは、本当にザリガニが好きで好きで仕方ない人間の集まりです。そして、付け焼き刃ではなく、まさに「一生のテーマ」として、ザリガニに向き合って行きたいと考えております。ちょっとした欲望から個体を買い漁り、あるいは「レア個体」論議に明け暮れ、ひと通りいじって飽きれば次の生き物へ・・・という「命の消費者」的なスタンスではございません。飼育とは「命を預かる」ことです。どうせ飼うなら、本気で向き合うべきだというのが、私たちの飼育に対する基本スタンスです。
もちろん、ライフスタイルは自由ですから、私たちと異なるスタンス自体を否定するつもりはございませんが、私たち自身は、生き物を愛する人間という立場として、自らのスタンスを高らかに掲げ、堅持して行きたいと考えております。どうぞこうした部分をご理解いただき、誰に対しても胸を張って「我こそは真のザリ好きである」と高らかに宣言できる皆様を私たちは歓迎いたします。
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