福岡ダイエー ホークス
平成11年優勝記念帽子(福岡ダイエーホークス)
(左:日本シリーズ優勝記念 右:パリーグ優勝記念)
頒布期間 平成11年
展示No. H08
メーカー不詳 球団承認タグ付き帽子
「四強一弱、一問題外」・・・これは、90年代前半ごろ、パ・リーグの応援団同士で、半ばからかい半分に使われていた言葉です。「一弱」はロッテで「一問題外」とは、福岡ダイエーを指しました。最近のことはよくわかりませんが、当時、パ・リーグの応援団は、一部の球団を除くと互いに仲が良く、励まし合ったりからかい合ったり、時には一緒に酒を酌み交わしたりと、互いを認め合う、いい関係だったのです。「ホント、お疲れさんでしたぁ!」 試合後、相手チームの応援団員から、ねぎらいの言葉をかけられます。なるほど、3タテ喰らっちゃ「お疲れさん」だ・・・。来る日も来る日も負け試合・・・。応援していて、これほど辛抱と忍耐が必要なチームはありませんでした。
そんな球団が、今やパ・リーグを代表する「強豪」に・・・。南海時代から、鷹の「弱さ」と向かい合ってきた私には、どうしてもピンと来ないのです。あの鷹が、西武よりも強いなんて・・・。これもひとえに、真剣に取り組んだ球団の努力と、福岡のファンの絶大な声援の賜物なのでありましょう。一事が万事、こんな状態でしたから、優勝後、全国のダイエーにこうした帽子が並んだ時も、なかなか実感が湧きませんでした。「優勝セール」でもって安売りに出掛け、店内のあちこちでかかる球団歌を聞いていても、嬉しいというより、何だか現実世界ではないかのような、本当に不思議な気持ちになったものです。
それでも、しっかり手に入れたのが優勝記念帽子。この年は、パ・リーグ制覇と日本シリーズ優勝の2種類が、立て続けに出ました。さすがに流通業界の雄! 短期間でも、相応の帽子を、キチッと作り上げてくるあたりは、さすがです。全黒地の帽子に映える刺繍のロゴも、なかなかイカすではありませんか! 通常の帽子と異なり、試合で選手がかぶるデザインではありませんが、初の優勝の感動を思い出すには、これ以上にないものだと思います。
日本シリーズ優勝帽子の方は、さすがに多く作りすぎたらしく、翌春、帽子コーナーの片隅で、さり気なく赤札が付けられていたのがちょっと悲しく見えました。連続優勝をしても、なぜか身売り話が消えないダイエーホークス・・・。帽子1個だけならともかく、球団自体には絶対に「値札」を付けて欲しくないものです。球団身売りは、経験した人間にしかわからない、底知れぬ悲しみと虚脱感があるものです。これ以上「野球未亡人」はいらないですよ!
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