枯れ葉




佐倉ザリガニ研究所の独断と偏見による  この餌の評価
評価項目
評価値(オレンジが多いほど高評価になります)
キーパー支持レベル
    
投餌時の反応レベル
    
入手の簡単さレベル
    
ローテ組み込み比率
    






  最近でこそ、アジアアロワナの色揚げ用として「マジックリーフ」という東南アジア産の葉っぱが販売されるようになり、アクアリストの中にも「枯れ葉を買う」という認識が芽生えてきたが、基本的に「餌として使うために、お金を払って売り買いするもの」という認識は、未だにほとんど持たれていないのではないだろうか? 一部のキーパーの間では古くから使われていた「定番」であったものの、飼育解説書などによって広く知られるようになるまでは、そういう人たちだけが細々と使っているだけであった。流木同様、個体ごとの嗜好性格差が大きいため、キーパー間の評価は今でも大きく分かれているが、近所に調達可能な森があり、しかも上手く使いこなすことができれば、これほど便利かつ安価な餌はないであろう。残餌が急速に腐敗して、飼育水を急激に傷めるようなこともないので、外出などで投餌間隔が開く時などの「耐久性飼料」としても重宝する。餌としてだけでなく、秋仔の越冬用としては、むしろ流木以上に使い勝手のよいシェルターである。餌としてだけでなく、様々な意味で使いこなしたいツールの1つだ。







  種類やサイズなどはあまり関係ないが、基本的に砕いて与えるタイプの餌ではないので、稚ザリにとっては、やはり「餌よりも隠れ家」ということになろうか? 餌として実際に使えるのは10センチ前後の個体からであることが多い。嗜好性も、種レベルというよりは、個体ごとの格差でもって考えた方がよかろう。ローテーションに組み込んで定期的に与えるような性質の餌ではないので、状況に応じて、適宜投入するようにするが、減り具合に合わせ、1〜2カ月に一度くらいのパターンで投入するようにする。砕いてしまうと浮遊したりフィルターの目詰まりを起こしたりしやすいので、個体が摂取しやすいよう丸葉のまま与えるのが普通。栄養価や嗜好性を高めるために、投入前の段階でサナギ油やPSBなどに漬け込んでから与えるという事例もあるが、そこまでしないと受け付けない個体であれば、むしろ他の餌を与えた方がよいであろう。







  嗜好性の低い個体に「餌」として与えても、当の個体自身が「餌」と認識しないため、空腹による共食いなどを起こす・・・という事例が時折報告されている。流木などでも言えることだが、これらの餌を使用するにあたっては、まず「飼育個体が、どれくらいの反応を示すか?」ということを知っておくことが必要最低条件であろう。また、細かく砕いて投入すると、かなり強い目詰まりを起こすことがあり、喰い散らかしでも同様の危険性があるので、投入後数週間が経過した時点で、念のためにフィルターのチェックはしておきたい。
投入にあたっては、念のためにしっかりした洗浄と、アク抜きを行った方がよい。流木ほど気をつかわずに与えるケースも多いが、実際にはかなり強いアクが出るものである。流木同様、アク抜きをせずに投入したことで、稚ザリが全滅した事例が何件かあったので注意したい。アク抜き剤の使用を避けるのは当然である。
なお、枯れ葉は原則として、クヌギやコナラ、クリなどの落葉広葉樹類に絞って使用した方がよい。広葉樹でも含有油脂分が多い種類のものや、マツやスギなどといった針葉樹が混じると、場合によってはかなり重篤な障害を起こすこともあるので、なお一層の注意が必要だ。
また、これと類似した投餌パターンに、「枯れ葉」ではなく「腐葉土」をそのまま与える、または洗浄・湯煎して与える・・・というテクがあるが、こういう場合、都市部でも比較的調達しやすい反面、腐葉土化している分だけ葉自体の判別が難しい上に、牛糞などの動物性成分や化学肥料成分など、下手をすればザリガニにとって障害を引き起こす危険性が否定できない物質が含まれている可能性がある(腐葉土自体、あくまでも植物のためのものであり、ザリガニに「餌」として与えるということを想定して作られてはいないので、これは当然のことである)。使用にあたっては、充分に気をつかう必要はあろう。クワガタ・カブトなどの甲虫類を販売するショップでは、同じ腐葉土でも、添加物を使わず、原料をクヌギ葉などに絞った品質のいいものが入手できることがあるので、都市部在住で腐葉土にもチャレンジしたいとお考えのキーパーは、こういうショップもこまめにチェックするようにしたいところだ。




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