ラビットフード




佐倉ザリガニ研究所の独断と偏見による  この餌の評価
評価項目
評価値(オレンジが多いほど高評価になります)
キーパー支持レベル
    
投餌時の反応レベル
    
入手の簡単さレベル
    
ローテ組み込み比率
    






 ハムスターやフェレットなどに端を発する小動物飼育ブームに乗って、最近多彩な商品が発売されるようになったのが、いわゆる「ウサギ用の配合飼料」である。以前と違って「干し草や野菜クズなどを与えていればよい」という認識はすでに古く、より充実した栄養構成や様々な機能性要素などを付加した商品がラインナップされており、価格帯も様々だ。蛋白質比率が10〜20%台の製品が多いこともあり、栄養バランスだけで見れば、高蛋白が問題となる観賞魚系飼料よりも好適であるとされている。
 こうした背景もあってか、最近になって「飼育の裏ワザ」的な取り上げられ方をすることも多いが、植物質の栄養供給目的としてザリガニ向けに与える手法自体は比較的古くから知られており、一般的なキーパーというよりも、商業的に大量飼育をしているブリーダーにとっての「定番」であった。ただ、その場合でも、用いられていたのは特定の商品に限られていたり、ある商品に限っては徹底的に忌避されていたりという状況であったため、その当時から「ウサギの餌なら、すべてOK」というワケでなかったことは間違いないであろう。
 主素材がアルファルファであるかティモシー(チモシー)であるかによって、個体の反応が「同じ動物向けの餌であるとは思えないほど」大きく異なるのも、ウサギの餌の大きな特徴の1つである。基本的にはアルファルファ系の餌の方に対する評価が高いようだが、事前に「お試し」ができるようであれば、与えてみて反応を見るのもよいだろう。







ザリガニのみならず、基本的に水棲生物へ与えることを意図して作られた飼料でないため、材料や製法などによっては投入後にほとんど沈まないものもあるため、場合によっては何らかの形でふやかし、沈む状態にしてから与えることが必要に場合もある。クリルなどのように、PSBなどに浸して与える「味付け」を行なうことも方法の1つではあるが、この餌を使う意味を考えると、水戻しのみで与えることが一般的であろう。
 粒が大きい場合は、ある程度小さく砕いて与えるようにするが、嗜好性が低い場合はそのまま食べ残しとなり、一気に水を傷めるので注意が必要だ。







 嗜好性云々を語る前に、機能性要素(糞が臭わない、毛玉を排出できる、ウサギにとって必要な特殊栄養素が摂取できる)などが付加されることにより、ともするとそれがザリガニにとって大きなマイナスインパクトを与える危険性がゼロではないため、こうした部分には充分に注意が必要だ。購入前に素材などを確認し、見慣れない化学物質や素材が含まれている場合には、安価なものであっても避けるようにしたい。そのためにも、周囲で日常的に使っている人がいる場合には、商品名などを含め情報を仕入れておくとよいだろう。
 使用素材に応分の吟味がなされていたり、いわゆる「刈番」などが指定されている餌などに関しては、ザリガニにとっても有利であることは間違いないが、当然ながらそうした餌の場合は価格も高く、植物性主体の観賞魚向け飼料と比較して、コスト的なメリットがほとんどない場合もある。ザリガニの飼育にあたっては「無理してウサギや小動物向けの飼料を使う」意味はないので、こうした部分のコスト的要素も踏まえて選定することをオススメしたい。少なくとも同じ価格帯で、同じような栄養組成であるなら、最初から水棲生物向けに開発された餌の方が間違いなく安全だからだ。




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