レイシー「ミネラル・スープラ」




佐倉ザリガニ研究所の独断と偏見による  この餌の評価
評価項目
評価値(オレンジが多いほど高評価になります)
キーパー支持レベル
    
投餌時の反応レベル
    
入手の簡単さレベル
    
ローテ組み込み比率
    






  レイシー社といえば、水槽用クーラーや濾過設備など、どちらかといえば海水魚関係中心の器具系のメーカーという印象が強いが、そんな中で、発売直後より一部のブリード志向系キーパーやプロ・ブリーダーから熱烈的な支持を得ているのが本品である。厳密には「餌」というよりも「水槽添加剤」というカテゴライズが正しいかも知れないが、通常の餌ではなかなか補いきれない微量ミネラルを、直接食べさせることでしっかりと補うことができる・・・という点で、本品は非常に秀逸であり、本コーナーでは、あえて「餌」として紹介したい。レイシー社の確固たる技術的裏打ちの下、天然の貝化石成分を精製し、ラクトフェリンや楽酸菌などを添加して錠剤の形状に仕上げている点が特徴。今回、キーパー支持レベルをあえて低めに設定しているのは、本品自体の品質が悪いのではなく、本品の存在が、まだまだ一般のキーパーには充分に知れ渡っていないためで、実際に見ても、少なくとも現段階では、アマチュアキーパーよりもプロ・ブリーダーの間での評価が非常に高い餌だと言えよう。どこでも手軽に入手できる製品ではないが、今後、徐々に名前が広がって行き、評価も高まってくるものと思われる。







  本品を愛用している方々の使用事例を見てみると、どちらかといえば定期的なローテーション組み込み餌というよりも、脱皮前後や繁殖入り前、さらには換水直後など、餌としての特性を最大限に生かしたい場面でスポット的に組み込むことが多いようだ。また、独り歩き開始後一定期間が経過し、徐々に成長格差が出始めるころや、複数飼育環境などの理由により、自分の脱皮殻をゆっくりと食べられない時など、応分のミネラルを充分に供給してやりたい時などに組み込むケースも多い。いずれにせよ、ピンポイント的な活用によって高い効果を得やすい餌だと言えよう。「特定の必要な時期だけ餌として直接与え、それ以外の時期は、換水後の濾過槽に投入する」という、2通りの使い方で個体のコンディションを安定させているブリーダーもおり、大いに見習いたいところだ。成体についてはまるごと1粒を抱えさせることもできるが、稚ザリの場合には、奪い合っているうちに溶けてしまうこともあるので、トンカチなどで軽く砕いてから与えてやるとよいだろう。







  形状や性質にも起因するとは思われるが、素直に食べてくれる個体がいる反面、個体によっては嗜好性云々を語る前に、餌として全く反応しないケースもあるので、その場合には使用を諦めざるを得ないであろう。本来が「水槽用添加剤」なので、全く反応してくれない場合は、餌としてではなく添加剤として、濾過槽に少しずつ投入するなどして、間接的な供給を行うようにしたい。もちろん、大量にばらまかない限りは、濾過槽に投入しても大きな問題は起こらないし、腐敗したりもしないので、本品自体が無駄になることはない。あと、錠剤の形状にはなっているものの、日ごろからCFスターなどを使い慣れていると、意外とバラけが早いことに驚く場合がある。量が多すぎたり放置したりした場合、細かく溶けて飼育水が白濁することも稀にあるので注意したいところだ。高反応タイプの餌でないことを考えれば、どちらかというと頭の方に組み込むか、一度飛ばしてから与えるなどの配慮は必要であろうと思われる。




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