日本淡水開発「CF Star」フィブロスフード
佐倉ザリガニ研究所の独断と偏見による この餌の評価 |
評価項目
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評価値(オレンジが多いほど高評価になります)
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キーパー支持レベル
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投餌時の反応レベル
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入手の簡単さレベル
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ローテ組み込み比率
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「CF Star」三部作の大トリとして登場したのがこの商品である。従来の配合飼料において、唯一手薄であり、最大の弱点であった植物系のベース飼料として開発されたもので、これにより、若干のリスクを持っている水草類の投入を全く必要としなくなった点は、キーパーとしても非常に大きい。「水槽で生活しているザリガニにとって最も大切なことは何か?」という点から、すべての条件を「水槽飼育」という観点に揃えて検討を加えた結果、観賞魚系飼料としては初の「24時間保持率100%」を実現した。また、形状についても、「あくまで個体本位」という観点から、従来の発想を180度転換し、多少面倒でも、与える個体の大きさなどによってキーパーが自ら調節して割り与えられるよう、観賞魚系飼料として非常に大きめの板状に仕上げた。徹底した素材検討と欧米豪における養殖飼料及びデータ、学術データを加味し、さらには飼育時の状況などを合わせ、ザリガニ用としては不適切な素材は完全にカットした(実は当初、本品は「プレミアム」「スーパープレミアム」と同時期に発売する予定であったが、養殖飼料データのみで仕上げてきた試作品をJCC側が一貫して拒否し、日本淡水開発側も「あくまで水槽飼育」という観点で素材と形状を1から練り直さなければならなくなったため、本品だけが大幅に遅れての発売となった経緯がある)。なお、試作プロジェクト・メンバーの一部には異常なほど高い評価を得ていた「試作B」バージョンについては、ザリ・ジャンル以外の団体の方から非常に高い評価と発売要請を受けているらしく、日本淡水開発側でも真剣にラインナップ化を考えているそうだ。確かに、あの餌はアッチ向きですモンね(笑)。
JCCとしても、利便性をとるか個体本位をとるかは議論となったが、やはりキーパーが個体に合わせるべき・・・ということで、餌量などはすべてキーパーが自ら調整して割り与える方式を採っている(このため、1枚の大きさは、現在、一般的飼育されているザリの中で最も大きいマロン成体がつまんで食べるのにちょうどよいサイズで製造されている)。このため、基本的には与える種類や大きさなどを問わないが、その分、投入量などを調整する必要があるほか、15センチ以下の個体に対して、割らずにそのまま投入するのは好ましくないといえる。本品について日本淡水開発側は、ベース飼料として販売したいようであるが、JCCとしては、あくまでもローテーション投餌の1つとして、その特性化を徹底させており、そうした経緯から、ローテーションの頭として使うのが望ましいと考えている。「1番打者」として使ってこそ効果の出る餌である。
封を切って取り出し、そのままポトリと与えられるのはマロン成体だけであり、それ以外のキーパーには「大きさを調整する」という作業が要求されるのは、唯一の難点であろう(それすら面倒臭がるようでは、先が見えている・・・という意見もあるが)。これを面倒がった場合、複数飼育の水槽では個体同士で取り合いの喧嘩になったり、摂餌できない個体が出るなどの問題が出てくる可能性がある。また、本品自体、植物質路線を徹底させたような餌なので、ローテーションを組む場合「CF Star」シリーズであれば、スタンダードまたはプレミアムあたりと組み合わせて使用することが望ましい。日本淡水開発側は、何とか「高蛋白」「低蛋白」みたいな2極路線でラインナップ化させ、効率的な商品展開を図りたかったようであるが、蛋白質比率だけ餌を語り、区分できるならば、何もここまで餌開発に苦労する必要もないわけで、JCCとしては、たとえ配合飼料であっても、それぞれの生餌、生き餌などの性質や性格に沿った個体本位の性格付けが必要という観点から、あえて素材や他の栄養構成についても明確な個性化を要求した。このため、本品に関しては、(特に稚ザリから亜成体期に掛けて)多少パワー系の動物質飼料を合わせて組み込む必要はあろうと考えている。
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