冷凍赤ムシ




佐倉ザリガニ研究所の独断と偏見による  この餌の評価
評価項目
評価値(オレンジが多いほど高評価になります)
キーパー支持レベル
    
投餌時の反応レベル
    
入手の簡単さレベル
    
ローテ組み込み比率
    






  熱帯魚用飼料としてはあまりにも有名であり、安価かつ入手しやすく栄養価の高い餌である。小型魚飼育の場合、その外皮の硬さから、消化不良などを起こしやすいとして敬遠されるケースもあるようだが、ザリガニについてはその心配もない。反応も悪くはなく、あらゆる意味で「スグレモノ」の餌ではあるが、実際にはベテラン・キーパーになるほど使用頻度が落ちる餌であるといえよう。それは、この餌自体の持つ基本的な性質として「沈みづらい」「バラけやすい」という要素を持っているからである。ザリガニ飼育にとって、これほど痛い要因はない。実際にローテーションに組み込まれるのは、稚ザリの育成期くらいのもので、そういう意味では「フレーク状の配合飼料」と同じ要素を持った餌だといえる。







  基本的に、バラけさえしなければ成体にも充分使える餌である。ただ、実際には1匹ずつバラバラになって水槽内を浮遊する状況になることは間違いないわけだから、こうした状況の赤ムシを丹念に拾って歩けるかどうかという点で考えれば、やはり孵化後1ヶ月くらいまでの稚ザリ群に対して与えて行くパターンが一般的であろう。それでも、水面に残った赤ムシまではさすがの稚ザリも処理しきれないので、こうしたものについては取り除く必要がある。成体にどうしても与えたい場合、予め半解凍の状態にしておく方法もあるが、馴れた個体であれば、割り箸などでつまんで直接手渡してやる方法が最も安全かつ適切である。「手乗りならぬ手渡しザリガニ」計画ではないが、この「手渡し投餌」は、ザリガニ・キーパーにとっては非常に驚かれるシーンであるようだ。ヤビーやアメザリ、レッドクロウなど、比較的大らかな性格のザリであれば、意外と簡単に「手渡し」化できるので、のんびり仕込んでみるのも面白い。







  ひとえに残餌の問題・・・に尽きる。放っておくと水面に浮いたままカビが出始めるだけでなく、そのまま濾過槽に吸い込まれたり、底床でつまみ忘れられたまま底砂に潜り込み、一気に水を傷めてしまう。元が生餌であり、しかも生きていない分、他の餌よりも腐敗が早いわけだから、そのスピードは予想以上に早いことを忘れてはならない。何とか食べさせようと、投入後に水槽の水を撹拌した結果、大半の餌がバラけて使いものにならなくなり、捕食されなかったとすると、結局「水を傷めるために投入した」ようなものになってしまう。ベテラン・キーパーがあまり使いたがらないのも、こういうことに基づく痛い経験を持っているからであろう。実際、これだけのリスクを冒してこの餌を使わなくとも、同等以上の栄養を供給できる餌はいくらでもあるわけで、こうした部分も、取り立てて無理な使用はされない大きな理由であろう。季節ごとの大掃除前にちょこっと与えるイレギュラーな餌として考えるくらいがちょうどよいかも知れない。





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