レッドクロウのリケッチア病


この病気は・・・

 オーストラリアにおけるレッドクロウ養殖施設で、時折発生する病気の一つです。この病気が知られるようになってから日が浅いこともあり、詳しい感染システムを特定するまでは至っておらず、現在までのところ「リケッチアのような微生物」が犯人らしいことまでしかわかっていません。しかし、感染後の死亡率は決して低くないので、今後の詳しい情報収集は必要でしょう。なお、この病気自体は、現地棲息水域でも見られる・・・とされていますので、野生個体でも保菌ないしは発病しているケースがあると思われます。

原因と症状

 前述の通り、原因は「リケッチアのような微生物」だということになっています。体内(内皮部)やエラなどで、この微生物による病変組織が急激に肥大化し、全身に感染して弊死するパターンが一般的で、病変箇所は淡黄褐色またはエオシン色(赤色)に変色するといわれていますが、この記述は、あくまでも病理組織学上のもので、また、日本においても現時点までに発生事例がないことから、我々のような飼育レベルで、外部から視認できるかどうかはわかりません。症状の点についても、現時点でははっきりしていません。

伝染する?

 はっきりとしたことはわかっていませんが、やはりある程度の伝染性はあるだろうと言われています。

予防・対処方法

 発病してしまった個体に対する根本的な治療方法は、残念ながらありません。また、もしも日本で発見されたとすれば、すでに輸入の段階で感染してしまっている可能性が高いでしょうから、的確な予防法もないのが実状です。
 ただ、現地での発病事例が、ほとんどのケースにおいて「有機体による汚染を含めた、低水質の環境下」で・・・ということになっていますから、すでに発病している個体を除けば、水質悪化に気をつけておく(定期的な換水を怠らない)ことで、充分回避できるのではないかと考えています。