第3回JCCグループ合同イベント


 ジャパン・クレイフィッシュ・クラブのイベントも、今回で3度目。回を追うごとに参加者も増え、中身も濃くなってきたことは、本当に嬉しいことですね!
 ということで、去る5月30日、JCCグループ恒例のイベントが開催されました。今年は、大学の研修施設をお借りしての「勉強会」に、ショップ視察(と、当然懇親会!)を加えた多彩な企画! 年に何度もないこうしたチャンスに、全国からザリ・フリークが集結! ザリ好きにとっては、これ以上にない有意義な一日となりました。それでは、その日の様子を、ちょっとだけ御紹介しましょう!



 第1部は「勉強会」。ニホンザリガニ研究の権威である、北海道立中央水産試験場の川井唯史先生が、今回、我々のようなアマチュアキーパーのために、東京での学会発表後、北海道に戻られる前の貴重なお時間を割いて、世界のザリガニの分類から、ニホンザリガニの現状・保全の方法まで、OHPを用いながら、懇切丁寧な御講義を下さいました。
 日ごろ、素人見当だけで「ああだ、こうだ」と稚拙な議論を交わす我々にとって、こうした形で専門の先生から直接お話を伺い、疑問点にお答えいただける機会は滅多にありません。次々と解けて行く数々の疑問に、講義を聴く我々も、真剣そのもの! 講義が終了した後の活発な質疑応答に、会場は熱気ムンムンです!
 そして後半は、「フリートーキング」。今回は、世界に散在する多くのザリガニ棲息地を実際に訪れ、研究・記録をされている「世界ザリガニ探検隊」の荒井先生が駆けつけて下さり、現地のザリガニの生態について、我々の様々な質問にお答え下さいました。


 第2部は「ショップ見学」。お茶の水を出た一行は、地下鉄丸の内線で池袋へ・・・。ネット上でも話題になった、「土屋観賞魚」へと向かいます。時期的な問題で、出会えたザリの種類こそ多くはありませんでしたが、それでも首都圏では有数の取り揃えを誇るこのショップ。ヤビーやレッドクロウ、そして生まれたばかりのタンカイザリガニなどの水槽に、メンバーたちの真剣な目が注がれます。「このヤビー、買って帰ろうかなぁ〜。」という声もちらほら・・・。ただ、この後に懇親会を控えているので、そうしたメンバーは涙を飲んでおりました(土屋さん、見るだけで帰ってしまい、ごめんなさい。今度はちゃんと買いに行きますんで・・・)。

 日曜日の午後、池袋西武の屋上にある土屋さんには、多くのお客さんたちが訪れています。生体販売だけではなく、釣り堀や「ザリガニ釣り」もあって、家族連れのお客さんも楽しそう・・・。我々日本人にとって、この「ザリガニ釣り」というのは、趣味如何を問わず楽しめるものなのですね! この中から、将来のザリガニ研究を担う新星が誕生したりして・・・。自分は光りもしないくせに、何だか妙に嬉しくなってしまいます。
 お〜っと、何人かのメンバーは、金魚の水槽も覗いているぞっ! 土屋さんは、普通の「デパート屋上・ペット売場」ではなく、金魚マニアの間では、知る人ぞ知る有名なショップなのです。「ザリ・キーパー」とはいっても、所詮はただの「生き物好き」ですから、金魚水槽に目が行くことは当たり前・・・ってところですね(笑)。今回は、時間の都合上、30分くらいしかいませんでしたが、土屋さんには、ザリガニ以外にも、興味深い生き物がたくさんいます。お近くの方は、ぜひ一度行ってみて下さいね。


 そして、待望の第3部! 夕方4時からは、待ちに待った「飲み会」です。「日本で唯一、ザリの話だけで盛り上がる飲み会」には、交通手段の都合で参加できなかったメンバーを除き、総勢16名の「強者」が勢揃い! 池袋のビヤホールで、これまた大盛り上がりとなりました。「せっかくの機会だから・・・」と御参加下さった荒井先生の周りでは、先生のお話を伺っているうちに「俺も現地で見てみたい!」「来年、ぜってぇオーストラリアに行ってやる!」と、意気込むメンバー多数! そう、来年の国際ザリガニ学会の大会は、オーストラリアのパースで開催されるそうです。本当に行きたいなぁ・・・。
 マロン飼育では会をリードするM会長、そして志田・K山の新潟実力派コンビ、そしてキャンバリダエ科諸種の飼育には一過言を持つ大瀧氏・・・。古参・新参、あるいは経験の有無など一切関係なく、冷たいビールを傾けながら、あっちではヤビー、こっちでは日ザリ・・・と、ザリガニ談義に花が咲いています。そう、この垣根の低さこそが、JCCの真骨頂・・・なんですね!


 川井先生より、今回の参加メンバー全員に、先生の書かれた「日本と世界における在来種のザリガニ類の保全」という論文を1部ずついただきました。また、荒井先生からは「これを会のメンバーの研究に役立てて下さい」と、ザリガニ研究では「教科書」とさえいわれる、D.M.Holdich先生の書かれた「FRESHWATER CRAYFISH」という本をいただきました(これについては、現在砂川がお預かりしております)。いずれも、我々のような素人レベルの人間が簡単に入手できるものではない、貴重なものばかり・・・。
 これらの文献は、会全体の「財産」として、大事に、そしてじっくりと和訳しながら、機関誌などを通じて会員全員のレベルアップに役立てて行きたいと思います。本当に有り難うございました。


 あっという間の一日でしたが、楽しく、そしてためになる時間を過ごすことができ、本当によかったなぁ・・・と思っております。また、今回、我々のために貴重なお時間をいただき、御指導下さった川井・荒井両先生、本当に有り難うございました。あとは、今回の御指導をバネに我々が伸びて行く番・・・ですね。メンバー全員で力を合わせ、これからも頑張ろうではありませんか!